濫用等のおそれのある医薬品の販売に際しての小容量包装として妥当な包装単位の設定のための研究

文献情報

文献番号
202406043A
報告書区分
総括
研究課題名
濫用等のおそれのある医薬品の販売に際しての小容量包装として妥当な包装単位の設定のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24CA2043
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
花尻 瑠理(木倉 瑠理)(国立医薬品食品衛生研究所 医薬安全科学部)
研究分担者(所属機関)
  • 吉田 彩夏(国立医薬品食品衛生研究所 医薬安全科学部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
2,551,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
2024年度時点で濫用等のおそれのある医薬品として指定されている6成分(エフェドリン,プソイドエフェドリン,メチルエフェドリン,コデイン,ジヒドロコデイン,ブロムバレリル尿素)及び社会的に濫用の可能性が指摘されているデキストロメトルファンを対象とし,現行の一般用医薬品における製品情報,諸外国における販売規制状況及び人体に及ぼす影響を調査・分析することで,各成分の含有量および包装単位の実態を把握し,小容量包装単位の設定に向けた科学的根拠の整備を行うことを目的とした.
研究方法
製造販売されている対象7成分を含有する一般用医薬品について「2025年1月版 医療用・一般用医薬品集」(日本医薬情報センター)を用いて調査した.販売規制状況調査では,日米欧における対象7成分を含有する医薬品の販売規制及び一日最大容量,一般用医薬品において服用を続けても症状が改善しない場合等に受診が進められる期間について調査を行った.また,人体に及ぼす影響について,毒性と急性毒性量,治療,毒性発現,致死的な血中薬物濃度,過量服用による健康被害報告等の調査を行った.
結果と考察
当該7成分を含有する製品は813製品(別規格を含めると1107製品,マオウ製剤を除く)で,かぜ薬,鎮咳薬,解熱鎮痛薬,鼻炎内服薬,その他に分類された.一包装で,通常の医療用医薬品の一回用量の数十倍に相当する成分を含む製品も存在した.デキストロメトルファンを除き,すべてが他成分との配合剤であった.販売規制状況・人体に及ぼす影響に関する調査の結果,①米国,英国,フランス,ドイツでは,ブロモバレリル尿素とメチルエフェドリンを含有する医薬品は非処方箋医薬品としての承認がなく,米国,英国,フランスは処方箋医薬品としての承認もなかった.英国では,2024年にコデイン・ジヒドロコデインを含有する経口鎮咳液・シロップを非処方箋医薬品から処方箋医薬品にバックスイッチした.フランスでは,エフェドリン含有点耳薬以外,その他対象成分は非処方箋医薬品の適用がなかった.エフェドリン,プイソイドエフェドリンは米国,英国及びドイツで,コデインは米国及び英国で,ジヒドロコデインは英国で非処方箋医薬品として販売が認められているが販売制限があった.デキストロメトルファンは,フランス以外では非処方箋医薬品として販売が可能であったが,英国及びドイツでは薬局のみ,米国では経口鎮咳剤のみ販売が可能であった.米国では,ジヒドロコデインは処方箋医薬品として配合剤の承認実績はあるが,現在は販売されていなかった.②各国の当該成分の1日最大容量(処方箋・非処方箋医薬品含む)は,エフェドリン150 mg,プソイドエフェドリン240 mg,メチルエフェドリン150 mg,コデイン240 mg,ジヒドロコデイン240 mg,ブロモバレリル尿素1 g,デキストロメトルファン120 mgであった.③ほとんどの製品で,5, 6回服用(鼻炎用薬は5, 6日間)して症状が改善しない場合は,医師,薬剤師,販売登録会社に相談するよう記載があった.2024年度時点で1包装あたりの量は鎮咳薬が最も少なく,固形製剤では5日間分を超える製品の割合は20%未満,7日間分を超える製品は10%未満であった.④医薬品インタビューフォームにおいて,コデイン,ジヒドロコデイン,ブロモバレリル尿素は連用により依存性が報告されており,メチルエフェドリン以外は過量摂取により引き起こされる症状が記載されていた.⑤当該成分のヒト血中の治療域,毒性発現,および致死的な薬物濃度を調査した結果,毒性が発現する血中濃度は治療域の概ね3倍程度であった.⑥単剤として販売されているデキストロメトルファン含有製剤では過量服用量と症状の関連性を検討している報告があったが,その他医薬品のほとんどの事例では多成分を一度に服用しており,各成分の摂取量から起こりうる症状の推定は困難であった.また,必ずしも被害事例で認められている血中濃度が,報告されている毒性発現薬物濃度を超えているわけではなかった.
結論
日本で実際に濫用に用いられている製品の1包装あたりの成分含有量と被害事例,海外で非処方箋医薬薬として販売されている1包装あたりの上限量等を総合的に判断する必要があると思われるが,調査時の実販売単位を考慮すると,症状が改善しない場合等に受診が奨められる服用期間は1包装量として最低限必要な量の目安のひとつになると考えられた.なお,本研究における検討結果について日本OTC医薬品協会と意見交換を行った.また,厚生労働省医薬局より「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律施行規則第百五十九条の十八の六第一項の規定に基づき厚生労働大臣が定める数量(案)」に関するパブリックコメント募集が発出された(2025年11月13日~12月13日).

公開日・更新日

公開日
2026-05-27
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-05-27
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202406043C

収支報告書

文献番号
202406043Z