文献情報
文献番号
201010008A
報告書区分
総括
研究課題名
難治がんの創薬バイオマーカー探索研究
課題番号
H20-バイオ・一般-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
山田 哲司(国立がん研究センター研究所 創薬臨床研究分野)
研究分担者(所属機関)
- 金井 弥栄(国立がん研究センター研究所分子病理分野)
- 近藤 格(国立がん研究センター研究所創薬プロテオーム研究分野)
- 中山 敬一(九州大学生体防御医学研究所)
- 本田 一文(国立がん研究センター研究所創薬臨床研究分野)
- 柴田 龍弘(国立がん研究センター研究所がんゲノミクス研究分野)
- 浅村 尚生(国立がん研究センター中央病院呼吸器腫瘍科)
- 小菅 智男(国立がん研究センター中央病院肝胆膵腫瘍科)
- 工藤 雅文(アステラス製薬株式会社・研究本部・薬理研究所・癌研究室)
- 竹内 雅博(アステラス製薬株式会社・研究本部・薬理研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬バイオマーカー探索研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
26,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究では、難治がんの外科切除標本を用い、質量分析・蛍光二次元電気泳動・エクソンアレイなどのゲノム・プロテオームの手法で大規模な定量発現解析と機能解析を行い、がん細胞の生存・増殖に必須な膜タンパク質・酵素・シグナル伝達経路などを同定し、これらの分子(分子経路)の機能を阻害する化合物・抗体医薬を開発することを目的としている。
研究方法
1.シークエンシング解析
2.逆相マイクロアレイ法(Reverse Phase Protein Array; RPPA)
3.リン酸化タンパク質の絶対定量
4.蛍光二次元電気泳動法
5.エピゲノム解析
2.逆相マイクロアレイ法(Reverse Phase Protein Array; RPPA)
3.リン酸化タンパク質の絶対定量
4.蛍光二次元電気泳動法
5.エピゲノム解析
結果と考察
肝細胞がんの治療標的探索のため、エクソンアレイを用いた遺伝子発現とsiRNAをもちいた複合解析、エクソンごとの発現解析によるスプライスバリアント解析、蛍光二次元電気泳動を用いたプロテオーム解析、さらに逆相マイクロアレイ法で肝細胞がんの治療標的・バイオマーカー分子を探索した。肝細胞がんのソラフェニブ感受性との間の相関解析により、ソラフェニブの奏効性を予測するマーカー候補を見出した。さらにDNAメチルトランスフェラーゼ発現に基づく精巣胚細胞腫瘍の予後診断指標、質量分析を用いてリン酸化タンパク質を定量するPhospho-mTRAQ法技術の基盤を確立し、要素技術の開発を行った。
結論
多数の既知キナーゼ遺伝子活性化変異とその構造的位置情報を鋳型にして、キナーゼ遺伝子の変異配列から活性化変異候補を抽出して、その腫瘍増殖ドライバー変異の可能性を検討する予備的な解析土台は確立できた。今後は、活性化変異候補を抽出するプログラムの改良と実験的検証の範囲を広げて対応したい。また、スキルス胃がん株14株のディープシークエンシング解析から全キナーゼ遺伝子の変異解析を行い、肝癌同様に腫瘍増殖ドライバー変異の同定に挑みたい。
公開日・更新日
公開日
2011-09-09
更新日
-