令和2年度の医師臨床研修制度の見直しの影響の評価のための研究

文献情報

文献番号
202421066A
報告書区分
総括
研究課題名
令和2年度の医師臨床研修制度の見直しの影響の評価のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24IA2401
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
竹村 洋典(東京女子医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
  • 横山 和仁(国際医療福祉大学 大学院医学研究科公衆衛生学専攻)
  • 武藤 剛(北里大学 医学部衛生学)
  • 伊藤 彰一(千葉大学 大学院医学研究院)
  • 大西 弘高(東京大学 医学系研究科 医学教育国際研究センター医学教育国際協力学部門)
  • 片桐 大輔(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 腎臓内科)
  • 松本 卓子(東京女子医科大学 統合教育学修センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
1,420,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
【研究目的】
平成16(2004)年からの新医師臨床研修制度により、診療に従事しようとする医師は、2年以上の臨床研修が必須とされた。その後、平成22、27年度の見直しを経て、令和2(2020)年に現在の制度に改められた。さらに、医道審議会医師分科会医師臨床研修部会では、「臨床研修の到達目標・方略・評価」以外を見直し、令和7年4月から新たな研修制度をスタートするとしている。
日本の医師臨床研修は、すべての医学部/医科大学卒業生が将来、必要な基本的な臨床能力を具備させる画期的な内容で、他国の卒後臨床研修と比べ独創性のあるものである。しかし、日本の医師が他国に比べて高い臨床能力を持っているとはいいがたいのも事実である。
そこで本研究は下記の研究目的のために実施された。
・令和2年度研修から適用されている到達目標・方略・評価が、研修医の基本的な診療能力に及ぼした影響の分析及びとりまとめ
・次回の制度見直しに必要な観点の提言
この研究によって下記の効果が期待される。
・令和2年度研修の構築者から独立してその研修体制(目的、方略、評価)を高所大所から評価することによってより、より客観的な評価が可能となる。
・WEB調査に必要とされる対象数を考慮し、できるだけ広く調査対象を増加する。
・質的研究を用いることにより、より妥当性が高い研修体制の評価が可能となる。
・海外の事例を参照し、我が国の令和2年改訂版研修の独自性、特徴を明らかにし、また不足している点を洗い流す。
・平均的に海外の医師に引けを取らない医師を育成することに寄与する。
研究方法
【研究方法】
まず、厚労省担当者との意見交換を行ない、本研究の目的などを確認した。またWEB調査の対象について配布にご協力いただけるかを聴取・確認をした。
2024年度は、主にWEB調査を実施した。
WEB調査の対象は、全国に存在している医師臨床研修とし、そのプログラム責任者/事務担当者、2年目研修医、1年目専攻医(医師臨床研修修了者)、研修指導医、研修担当看護師(EPOCに研修医評価を記載した看護師)から回答を得ることとした。
プログラム責任者/事務担当者、2年目研修医、1年目専攻医、指導医、研修担当看護あてのアンケート用紙を作成するために、本事業の研究者が分担し、項目の構築にあたった。WEB調査の各アンケート項目作成にあたっては、原案が作成され、本研究の班員による度重なる議論、有識者(研究協力者)からの意見聴取、文献調査をおこなった。
全国の各プログラムに入力を依頼するアンケート画面については外注を行い、効果的なアンケート実施を可能とした。
厚生労働省のご支援により、アンケートは各都道府県庁経由で全国の医師臨床研修プログラムに配布された。約1か月のアンケート期間を取って調査が行われた。
(倫理面への配慮)
本WEB調査の実施に先んじて、東京女子医科大学の研究倫理委員会にて本研究の研究倫理の審査が行われ、審議内容に応じて研究計画に修正を加え、最終的に研究倫理委員会に承認が得られた。
結果と考察
【結 果】
1.WEB調査で使用する調査票は別紙a、別紙b、別紙c、別紙d、別紙e、別紙fが構築された。
2.WEB調査においては、各プログラムから1,685の回答が得られた。
WEB調査対象:        (回収数)
プログラム責任者/事務担当者: 129
2年目研修医:        311
1年目専攻医:        121
指導医:           830
研修担当看護:        274
【考 察】
WEB調査におけるアンケート用紙が作成され、また実際のWEB調査が実施された。
アンケートの項目は、令和2年度研修から適用されている到達目標・方略・評価が、研修医の基本的な診療能力に及ぼした影響を明らかにするものと言えよう。とくにその対象として研修医やその指導医のみならず、見直し後の研修プログラムを修了した専攻医、また看護師に及んだことは、特記すべきと考える。また、アンケート項目の作成にあたり、文献検索のみならず本研究の研究者が議論を重ね、また有識者(研究協力者)からの意見も取り入れたことはより妥当性の高いアンケート調査となったと考えられる。
WEB調査の回収率はやや低めだが、通常の無記名のWEBであればこの程度の回収数になることは想定範囲内と言えよう。
2025年度はWEB調査の結果を解析する。また、WEB調査の自由記載などを使用して質的な解析もする予定である。さらに外国の事例について情報を収集する予定である。
そして次回の制度見直しに必要な観点の提言を行うこととなる。
結論
【結 論】
令和2年度研修から適用されている到達目標・方略・評価が、研修医の基本的な診療能力に及ぼした影響を明らかにするためにWEB調査におけるアンケート用紙が作成され、また実際のWEB調査が実施された。

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
202421066Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
1,834,000円
(2)補助金確定額
1,823,000円
差引額 [(1)-(2)]
11,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 338,126円
人件費・謝金 294,904円
旅費 0円
その他 776,392円
間接経費 414,000円
合計 1,823,422円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
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