医療的ケアが必要な者に関する実態調査と特別な支援が必要な者の推計方法の確立の調査研究

文献情報

文献番号
202406035A
報告書区分
総括
研究課題名
医療的ケアが必要な者に関する実態調査と特別な支援が必要な者の推計方法の確立の調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24CA2035
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
是松 聖悟(埼玉医科大学 埼玉医科大学総合医療センター小児科)
研究分担者(所属機関)
  • 岡 明(埼玉県立小児医療センター)
  • 船戸 正久(淀川キリスト教病院小児科)
  • 尾方 克久(独立行政法人国立病院機構東埼玉病院)
  • 田村 正徳(埼玉医科大学 総合医療センター小児科)
  • 前田 浩利(国立大学法人東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科 発生発達病態学分野)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
3,697,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行されてから3年を経過しての次のステップとして、医療的ケア児が医療的ケア者となった以降の支援を検討するための指標となる定義と概要を検討することを目的とした。
研究方法
①「小児期発症疾患」による医療的ケア者の実数把握のパイロット研究を青森県、岩手県、鳥取県で行い、人口比および医療的ケア児比より、国内での推計値を計算した。②経鼻的持続陽圧呼吸のみをしている医療的ケア者の自立度調査を、埼玉医科大学総合医療センターと国立病院機構東埼玉病院で実施した。③在宅酸素だけをしている医療的ケア者の自立度調査を、国立病院機構東埼玉病院で実施した。④物品支給をしているにも関わらず在宅療養指導管理料を算定していない「小児期発症疾患」による経管栄養患者の把握の研究を、東京23区を診療拠点とする訪問診療専門医療機関と療育センターで実施した。これらの研究をもとに、''特別な支援が必要な医療的ケア者''の定義を決め、''特別な支援が必要な医療的ケア者''の概数を計算した。
結果と考察
医療的ケア者の全数把握が可能な3県のパイロット調査では「小児期発症疾患」の医療的ケア者が465人いることが判明した。ここから国内に「小児期発症疾患」による医療的ケア者は約2万人いることが推計された。また「成人期発症疾患」による医療的ケア者のうち、経鼻的持続陽圧呼吸のみをしている者、酸素療法のみをしている者は、パイロット調査の結果、''特別な支援が必要な医療的ケア者''とは考えにくいことが判明した。診療報酬データをもとにこの者を除くと、18歳以上、65歳未満の医療的ケア者は約4万人と推計された。このうち「成人期発症疾患」による医療的ケア者の約2万人のうち、「小児期発症疾患」による医療的ケア者と同等に''特別な支援が必要な医療的ケア者’’がいるかは今回の調査では判定できなかった。また、「小児期発症」の医療的ケア者の中には、経管栄養の指導管理料を算定基準を満たさずに算定できていない者が約10%いることが判明した。医療的ケア児は指導管理料の算定によって毎年の概数を計算しているが、同じ算出法で医療的ケア者の概数を算定する場合には、この指導管理料が算定されていない経管栄養患者がいることを考慮する必要があると考えた。
結論
この研究を通じて、暫定的な''特別な支援が必要な医療的ケア者''の定義として、「小児期発症疾患」による医療的ケア者(65歳以上の介護保険対象者を除く)とした。これらの中には、医療的ケア児が18歳以上となって医療的ケア者となった者と、「小児期発症疾患」でありものの小児期には医療的ケアは行っていなかったが成人となって医療的ケア者となった者が含まれる。

公開日・更新日

公開日
2025-07-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-07-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202406035C

成果

専門的・学術的観点からの成果
本研究は、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」が施行されてから3年を経過しての次のステップとして、医療的ケア児が医療的ケア者となった以降の支援を検討するための指標となる“特別な支援が必要な医療的ケア者”の概数を検討することを目的として実施した。法改正に向けての資料のひとつとなる。
臨床的観点からの成果
わが国において、小児期発症疾患による医療的ケア者や、特別な支援が必要な医療的ケア者”の概数はこれまで明らかにはなっていなかった。このため、今回の結果は臨床的にも有用と思われる。
ガイドライン等の開発
今後、ガイドライン等にて本研究結果が参考とされることが期待される。
その他行政的観点からの成果
「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の改正に活用できる結果であり、令和7年4月15日に超党派医療的ケア児者支援議員連盟でも報告した。
その他のインパクト
わが国において、小児期発症疾患による医療的ケア者や、特別な支援が必要な医療的ケア者”の概数はこれまで明らかにはなっていなかった。このため、社会的インパクトのある結果である。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
2件
第68回日本小児神経学会学術集会、第1回日本小児在宅医学会学術集会
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2025-07-11
更新日
2026-07-06

収支報告書

文献番号
202406035Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
4,621,000円
(2)補助金確定額
4,381,000円
差引額 [(1)-(2)]
240,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 2,494,062円
人件費・謝金 286,652円
旅費 145,846円
その他 531,354円
間接経費 924,000円
合計 4,381,914円

備考

備考
紙媒体の研究報告書を作成する予定であったが、研究終了前に厚労省の担当者より作成の必要がないとの指示があった。そのため、残額が生じた。

公開日・更新日

公開日
2025-12-01
更新日
-