文献情報
文献番号
202406031A
報告書区分
総括
研究課題名
診療行為の構造化と生成AI等を活用した標準化されたレセプト作成機能開発の為の基礎的調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24CA2031
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
藤林 和俊(順天堂大学 革新的医療技術開発研究センター)
研究分担者(所属機関)
- 齋藤 智之(順天堂大学 健康総合科学先端研究機構バイオリソースリサーチセンター)
- 八木 摂子(株式会社FIXER エンタープライズ部門)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
21,709,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
診療行為の多様性やデータの整合性、請求ルールの複雑さにより、診療報酬請求は医療従事者の大きな負担となっている。本研究では、電子カルテや医事会計システムを構造化し、生成AIと既存の請求システムを組み合わせることで、請求業務の自動化と負担軽減の可能性を検討する。
研究方法
令和6年度は、AI活用による事務改善のユースモデル構築の為、以下の調査・研究を実施した。
A.AS-ISモデルの調査と整理
1.複数規模医療機関のシステム構造調査:
2.規模に関わらず使用しているHISの項目まとめ
3.診療オーダーから診療報酬請求フロー作成
4.既存の自動レセプトチェックシステムのまとめ
5.現状の課題の整理
B.CANBEモデル検討の為の基礎的調査・実験
1.生成AI活用シーン探索の為の基礎実験: 検体検査における診療報酬請求算定ルール(=診療報酬点数表)をつかって算定項目を自動生成
2.1.を基にした、レントゲン、手術等診療行為における、生成AI活用の机上検証
3.表記ゆれ等の補正の精度検証
4.実験に使用された計算資源・通信資源量の計算
(倫理面への配慮)
上記、1.生成AI活用シーン探索の為の基礎実験等は、順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会で審査承認を受けて実施された。実施許可番号:E23-0372-H03
A.AS-ISモデルの調査と整理
1.複数規模医療機関のシステム構造調査:
2.規模に関わらず使用しているHISの項目まとめ
3.診療オーダーから診療報酬請求フロー作成
4.既存の自動レセプトチェックシステムのまとめ
5.現状の課題の整理
B.CANBEモデル検討の為の基礎的調査・実験
1.生成AI活用シーン探索の為の基礎実験: 検体検査における診療報酬請求算定ルール(=診療報酬点数表)をつかって算定項目を自動生成
2.1.を基にした、レントゲン、手術等診療行為における、生成AI活用の机上検証
3.表記ゆれ等の補正の精度検証
4.実験に使用された計算資源・通信資源量の計算
(倫理面への配慮)
上記、1.生成AI活用シーン探索の為の基礎実験等は、順天堂大学医学部医学系研究等倫理委員会で審査承認を受けて実施された。実施許可番号:E23-0372-H03
結果と考察
本調査研究では、1.現状の診療・診療報酬算定システムのフローと課題の構造化・概念化を図った(AS-ISモデル整理)。
次に、2.生成AI利活用の可能性を検証するため、範囲を限定して算定ルールに基づく生成AIによる診療報酬計算の自動化の可能性を検証した。
本調査研究で、生成AI利活用の可能性を検証の為実施した検体検査における実験では、生成AIが診療報酬算定ルールを理解し、検査オーダー項目から診療行為への変換ステップで73.7%~97.1%の正答率を示した。この結果は、限定的な条件ではあるが、生成AIが医療専門用語と診療報酬ルールの関連性を理解できることを示したと考えられる。この自然言語処理能力は、診療報酬改定対応に要する人的リソースと時間的コストの削減に貢献する可能性がある。
医療現場では、2年ごとの診療報酬改定に対応するため、病院システム担当職員や関係ベンダーは①改定内容の理解、医事マスターへの影響範囲の調査・特定、②医事マスターとオーダーコードとの紐付けの見直し、マスターの追加・修正という大きな負荷を抱えている。加えて、これらの作業には専門知識が必要であり、限られた期間内に集中して作業する事が求められている。
診療報酬改定時に公開される新旧対照表により変更点が明確に特定されるため、これをLLMに入力することでルールの理解を促進できる可能性がある。具体的には、診療報酬点数表の新旧対照表と医療機関が使用する改定前の医事マスターをLLMに入力することにより、①影響を受ける可能性のある医事マスターの抽出、②影響を受ける具体的根拠の明示、③医事マスターの変更案の提案をLLMに行わせることで、医療機関およびベンダーの診療報酬改定対応作業の負担軽減に寄与することが期待される。
詳細は以下参照
A. AS-ISモデルの調査と整理: 分担研究報告書1.参照(202406031A-buntan1)
B. CANBEモデル検討の為の基礎的調査・実験: 分担研究報告書2.参照(202406031A-buntan2)
次に、2.生成AI利活用の可能性を検証するため、範囲を限定して算定ルールに基づく生成AIによる診療報酬計算の自動化の可能性を検証した。
本調査研究で、生成AI利活用の可能性を検証の為実施した検体検査における実験では、生成AIが診療報酬算定ルールを理解し、検査オーダー項目から診療行為への変換ステップで73.7%~97.1%の正答率を示した。この結果は、限定的な条件ではあるが、生成AIが医療専門用語と診療報酬ルールの関連性を理解できることを示したと考えられる。この自然言語処理能力は、診療報酬改定対応に要する人的リソースと時間的コストの削減に貢献する可能性がある。
医療現場では、2年ごとの診療報酬改定に対応するため、病院システム担当職員や関係ベンダーは①改定内容の理解、医事マスターへの影響範囲の調査・特定、②医事マスターとオーダーコードとの紐付けの見直し、マスターの追加・修正という大きな負荷を抱えている。加えて、これらの作業には専門知識が必要であり、限られた期間内に集中して作業する事が求められている。
診療報酬改定時に公開される新旧対照表により変更点が明確に特定されるため、これをLLMに入力することでルールの理解を促進できる可能性がある。具体的には、診療報酬点数表の新旧対照表と医療機関が使用する改定前の医事マスターをLLMに入力することにより、①影響を受ける可能性のある医事マスターの抽出、②影響を受ける具体的根拠の明示、③医事マスターの変更案の提案をLLMに行わせることで、医療機関およびベンダーの診療報酬改定対応作業の負担軽減に寄与することが期待される。
詳細は以下参照
A. AS-ISモデルの調査と整理: 分担研究報告書1.参照(202406031A-buntan1)
B. CANBEモデル検討の為の基礎的調査・実験: 分担研究報告書2.参照(202406031A-buntan2)
結論
本研究は、生成AIを診療報酬算定業務に適用する可能性と課題を明らかにした。完全自動化は現状では困難だが、人間と生成AI、従来的な機械的プログラムの協働による効率化・自動化の可能性は感じられ、今後の技術発展と運用方法の最適化により、医療関係者の負担軽減と算定精度向上の両立が期待できる。
公開日・更新日
公開日
2025-08-04
更新日
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