睡眠障害・生体リズム障害の新規治療薬候補物質の探索

文献情報

文献番号
201009026A
報告書区分
総括
研究課題名
睡眠障害・生体リズム障害の新規治療薬候補物質の探索
課題番号
H22-政策創薬・一般-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
肥田 昌子(独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 精神生理研究部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(政策創薬総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,308,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
睡眠障害・生体リズム障害は、一般生活者から精神・神経疾患まで幅広く発症する医学上の課題の一つであるが、疾患特性に合った治療法は未だ確立していない。そこで、本研究では、睡眠障害・生体リズム障害の病態生理の背景に存在する生物時計機構に着目し、時計機能特性に作用する候補物質の探索を行い、新規治療薬へ発展するリード化合物の同定を目的とする。
研究方法
生物時計リポーター遺伝子を安定に発現する不死化線維芽細胞株培養細胞内のルシフェラーゼ発光量を多サンプル同時かつリアルタイムに測定した。得られた発光リズム特性を決定し、化合物ライブラリーのスクリーニング行い、概日リズム特性を修飾する化合物を単離した。被験者由来皮膚生検から樹立した初代線維芽培養細胞に生物時計リポーター遺伝子を導入し、発光リズムをリアルタイムに測定し、健常被験者の初代培養細胞内におけるリズムの特性と被験者の日周指向性との関連性を検討した。
結果と考察
不死化線維芽細胞株培養細胞中の生物時計リポーター遺伝子発現リズム特性を調整する複数の化合物を単離した。これらの化合物が時計遺伝子転写・翻訳制御ネットワークに直接作用する候補物質であることが期待される。健常被験者の初代線維芽培養細胞内における生物時計リポーター遺伝子は顕著な概日リズムを示した。個人の時計機能評価の有用なツールとなることが期待される。
結論
本研究では、生物時計リポーター遺伝子発現リズム特性に作用する候補化合物が単離された。また、被験者から樹立した初代線維芽培養細胞中の生物時計リポーター遺伝子発現リズムを測定することで、個人の生物時計機能を評価できる可能性が示された。

公開日・更新日

公開日
2011-09-09
更新日
-

研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2012-01-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201009026Z