文献情報
文献番号
202406028A
報告書区分
総括
研究課題名
利用者の状態変化に適切に対応する精神科訪問看護の提供体制整備に向けた研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24CA2028
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
萱間 真美(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 国立看護大学校)
研究分担者(所属機関)
- 瀬戸屋 希(聖路加看国際大学 看護学部 精神看護学)
- 木戸 芳史(浜松医科大学医学部看護学科)
- 船越 明子(神戸市看護大学 大学院)
- 宮本 有紀(東京大学大学院 医学系研究科 健康科学・看護学専攻 精神看護学分野)
- 森 真喜子(国立看護大学校 看護学部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,450,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
地域において精神科訪問看護が、どのような利用者に、どのような体制で、利用者の状態変化に応じた訪問看護を提供しているかを可視化し、保健・医療・福祉関係者等と連携した体制整備や当該体制における精神科訪問看護が担う役割について実態をもとに明確化することにより、精神科訪問看護に係る診療報酬上の取扱いや評価の検討に資する資料を作成することを目的とした。また、地域の特徴に応じた連携とマネジメント体制の実際を把握し、事例を整理した。
研究方法
精神科訪問看護を行っている訪問看護ステーションを対象に、ケア提供におけるアセスメントとケアプランに関する調査(カルテ調査)と地域における連携とマネジメントに関する調査(ヒアリング調査)を実施した。カルテ調査では、①施設票、②利用者票を用いて、訪問頻度の変更・継続におけるアセスメントと利用者の状況、支援の調整や連携状況を把握した。ヒアリング調査はカルテ調査の対象者について、担当する訪問看護スタッフおよび管理者を対象に、連携・調整の実際について聞き取り調査を行った。
結果と考察
17法人56事業所(訪問看護事業所)から協力を得て、施設票(事業所単位で回答)56票、利用者票(ケース単位で回答)224票の回答を得た。事業所類型別(特化独立型、医療機関併設型、地域連携型、特化全国展開型)にみると、利用者の年齢層、診断、重症度、利用年数等に違いがあり、地域で担っている役割や連携方法が異なっていることが明らかになった。
利用者票は、訪問頻度と支援調整の視点から3つのパターンに分類した。パターン1は精神症状が多岐にわたって強くみられ、身体状態にも観察が必要な状態像が一定期間継続し、生活全般を支えるために、頻回な訪問看護を要していた。パターン2は、利用年数が短い人が多く、生活や支援体制の変化があり、現在の状態と利用者の今後の希望を踏まえて、支援の調整が行われていた。パターン3は身体合併症をもつ割合が高く、精神症状の変動があり、病状の変化とセルフケアの変化が最も多くみられていた。状態の変化に応じて頻回訪問を含む頻度の調整だけでなく、多様な支援者と連携し、関係者・家族との情報共有を多く行っていた。訪問看護師は、利用者の状態変化に対して多面的なアセスメントを行い、具体的なケアプランを立てて支援の調整を行っている実態が明らかになった。
ヒアリング調査は26名から回答を得て、上記3パターンの具体的な支援調整のプロセスを記述した。また、支援調整を行う上で工夫していること、地域連携における工夫と困難について、事業所の取り組みを整理した.
本研究で得られた結果を踏まえ、➀事業所の類型と利用者の特徴、➁支援調整の状況とカルテの記載内容、➂状態変化に対応する頻回訪問以外の支援調整と他の社会資源との連携、から今後の精神科訪問看護の課題を明らかにした。
利用者票は、訪問頻度と支援調整の視点から3つのパターンに分類した。パターン1は精神症状が多岐にわたって強くみられ、身体状態にも観察が必要な状態像が一定期間継続し、生活全般を支えるために、頻回な訪問看護を要していた。パターン2は、利用年数が短い人が多く、生活や支援体制の変化があり、現在の状態と利用者の今後の希望を踏まえて、支援の調整が行われていた。パターン3は身体合併症をもつ割合が高く、精神症状の変動があり、病状の変化とセルフケアの変化が最も多くみられていた。状態の変化に応じて頻回訪問を含む頻度の調整だけでなく、多様な支援者と連携し、関係者・家族との情報共有を多く行っていた。訪問看護師は、利用者の状態変化に対して多面的なアセスメントを行い、具体的なケアプランを立てて支援の調整を行っている実態が明らかになった。
ヒアリング調査は26名から回答を得て、上記3パターンの具体的な支援調整のプロセスを記述した。また、支援調整を行う上で工夫していること、地域連携における工夫と困難について、事業所の取り組みを整理した.
本研究で得られた結果を踏まえ、➀事業所の類型と利用者の特徴、➁支援調整の状況とカルテの記載内容、➂状態変化に対応する頻回訪問以外の支援調整と他の社会資源との連携、から今後の精神科訪問看護の課題を明らかにした。
結論
調査結果から、精神症状や身体症状、セルフケアの変化など、ケアの調整と週3回以上の訪問を要するケースには多様な要因があり、訪問看護の必要性や、他の社会資源の活用可能性を判断するためには、アセスメントとケアプランのカルテ記載が重要と考えられた。アセスメントでは、利用者・家族の訴え(Subjective Data)と専門家の観察(Objective Data)を区別すること、ケアプランでは、誰が何を行うか具体的な支援を記載することが必要であり、ケア会議などで地域の社会資源を調整する際にも、判断の透明性を確保し、正確な情報の共有とケアプランの立案と実施が必須と考えられる。
また、地域連携を促進する取り組みとして、ヒアリング対象者の多くが「顔の見える関係性」を挙げた一方、十分な時間や人員の確保やスタッフ育成の課題も挙げられ、地域特性に応じた連携の場づくりと、各事業所の参加を支援するための制度や体制の検討、スタッフの連携調整力を向上するための継続研修等も必要と考えられた。
また、地域連携を促進する取り組みとして、ヒアリング対象者の多くが「顔の見える関係性」を挙げた一方、十分な時間や人員の確保やスタッフ育成の課題も挙げられ、地域特性に応じた連携の場づくりと、各事業所の参加を支援するための制度や体制の検討、スタッフの連携調整力を向上するための継続研修等も必要と考えられた。
公開日・更新日
公開日
2025-07-31
更新日
-