実験動物を用いた周産期疾患の解析と繁殖技術の開発

文献情報

文献番号
201008034A
報告書区分
総括
研究課題名
実験動物を用いた周産期疾患の解析と繁殖技術の開発
課題番号
H22-創薬総合・指定-017
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
保富 康宏(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 山海 直(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 柴田 宏昭(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 岡村 智崇(独立行政法人医薬基盤研究所 霊長類医科学研究センター )
  • 松田潤一郎(独立行政法人医薬基盤研究所 実験動物室)
  • 鈴木 治(独立行政法人医薬基盤研究所 実験動物室)
  • 内尾こずえ(独立行政法人医薬基盤研究所 実験動物室)
  • 高橋 一朗(独立行政法人医薬基盤研究所 遺伝子資源研究室)
  • 亀岡 洋祐(独立行政法人医薬基盤研究所 遺伝子資源研究室)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
46,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
周産期における疾患は我が国はもとより人類にとっても大きな問題である。加えて、不妊等を引き起こす疾患は少子高齢化を考えた場合、解決しなければならない課題である。本研究ではマウスを主体とした実験小動物と、霊長類医科学研究センターの霊長類を用い、繁殖障害ならびに周産期疾患の解明を行い、それに伴う医科学研究に有用な胚・配偶子の凍結保存による遺伝子保存技術の確立および遺伝学的解析を行う。また、周産期に使用可能なワクチンや垂直感染を示す感染症の解析やそれに関する遺伝学的な解析を行う。
研究方法
【Ⅰ】霊長類における周産期疾患の解析と高品質化および胚・配偶子の凍結保存技術に関する研究
1.実験用カニクイザルの高品質化および生産における繁殖効率の向上に関する研究
2.カニクイザルにおける垂直感染の解析と繁殖技術の開発
3. 霊長類を用いた周産期感染症モデルに関する研究
4. 霊長類における発生工学的技術の高度化
5. カニクイザルのMHC遺伝子発現およびゲノム解析
【II】繁殖障害を示すマウス系統における母体のパラメーター解析と繁殖技術に関する研究
1.疾患モデルマウスの生殖工学手法の最適化に関する研究
2.疾患モデルマウスの妊娠母体の病態解析と産仔の表現型への影響に関する研究
3.疾患関連不妊の機序解明と治療法の開発
結果と考察
本研究では遺伝子改変マウスを用いて繁殖障害の生理学的機構を解明し、霊長類を用いて繁殖障害及び周産期疾患への対応を検討した。特定の疾患モデルである遺伝子改変マウスにおいては種々の機構において繁殖に問題があることが判明し、各疾患個別での問題点が認められた。妊娠障害を誘発する治療法を受ける手技として卵巣の凍結保存法を霊長類をを用いて樹立した。また、垂直感染を示す感染症での胎児への感染移行過程、および妊娠期でも使用できるワクチンの開発を霊長類を用いて行った。以上の研究からヒト疾患への応用が可能な周産期疾患への対応法開発の基盤が確立された。
結論
 遺伝子改変小動物から霊長類までの種々の実験動物を用いてヒト周産期疾患の研究基盤が確立された。

公開日・更新日

公開日
2011-05-25
更新日
-

収支報告書

文献番号
201008034Z