優良形質を持った薬用植物新品種の育成及びそれら種苗の安定供給体制構築のための保存,増殖に関する基盤的研究

文献情報

文献番号
201008032A
報告書区分
総括
研究課題名
優良形質を持った薬用植物新品種の育成及びそれら種苗の安定供給体制構築のための保存,増殖に関する基盤的研究
課題番号
H22-創薬総合・指定-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
柴田 敏郎(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター北海道研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 川原 信夫(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 飯田 修(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター種子島研究部)
  • 渕野 裕之(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 吉松 嘉代(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 熊谷 健夫(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
  • 菱田 敦之(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター北海道研究部)
  • 杉村 康司(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター種子島研究部)
  • 河野 徳昭(独立行政法人医薬基盤研究所 薬用植物資源研究センター筑波研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
12,830,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
薬用植物の国内栽培生産を促進し,品質が均一で生産履歴の明確な生薬を医療の場へ安定して供給するため,薬用品種の育成,育成品種種苗の保存及び効率的増殖法に関する研究を行なった.
研究方法
I 新品種の育成に関する基盤的研究:グリチルリチン(GL)高含有ウラルカンゾウ,シャクヤク「べにしずか」等の特性調査,ハトムギ「北のはと」の北海道での生産栽培指導,ナイモウオウギ種子への遺伝子導入法,カンゾウ属植物やハトムギの系統識別可能なDNAマーカーの検索,及びTLCMSによる微量成分分析法を検討した.
II 種苗の保存に関する基盤的研究:種子の簡易発芽能力検定法,発芽試験法,及び培養苗由来の再生植物体形質変異を検討した.
III 種苗の効率的増殖法に関する研究:無菌培養物のシュート増殖及び発根条件,種子繁殖が困難な植物の増殖法,及び農薬の適正使用法を検討した.
結果と考察
I.ウラルカンゾウ高GL含有系統はリクイリチン含量も高く,また,9系統の自殖種子を得た.シャクヤク「べにしずか」等の特性を明らかにし,ハトムギ「北のはと」収穫物23.5tを得た.遺伝子導入に適した種子の催芽や遺伝子マーカーを明らかにした.カンゾウではGL生合成酵素遺伝子の塩基配列が,ハトムギでは葉緑体DNAの部分配列が系統識別マーカーとして示唆された.
II.テトラゾリウム塩によるベニバナ種子の簡易発芽能力検定法の最適操作条件,コガネバナ等11種の発芽試験の最適設定温度,及びウコン等の培養苗由来再生植物体の生育を明らかにした.
III. オケラ属2種の組織培養及び人工環境制御下での生産基礎技術を確立した.チョウジやカノコソウの効率的増殖条件を,サイシン栽培等では除草剤処理方法を明らかにした.
結論
I.カンゾウ優良系統,シャクヤク新品種の特性を明らかにし,ハトムギ「北のはと」の普及を推進した.ナイモウオウギ種子への遺伝子導入条件を明らかにし,カンゾウとハトムギのDNAマーカーによる系統識別技術を検討した.
II.ベニバナ種子の簡易発芽能力検定法の最適操作条件, 11種の発芽試験の最適設定条件,ショウガ科植物の培養苗由来再生植物体の生育を明らかにした.
III.オケラ属2種の無菌培養物のシュート増殖・発根・生育条件,種子繁殖困難なチョウジ等の効率的増殖法,サイシン栽培での除草剤適正使用法等を明らかにした.

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201008032Z