医薬部外品原料規格の整備に関する試験法の開発研究

文献情報

文献番号
202424047A
報告書区分
総括
研究課題名
医薬部外品原料規格の整備に関する試験法の開発研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24KC2009
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
内山 奈穂子(国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部)
研究分担者(所属機関)
  • 久保田 領志(国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部)
  • 大嶋 直浩(国立医薬品食品衛生研究所 生活衛生化学部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
6,307,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
医薬部外品の品質を原料レベルで確保する医薬部外品原料規格(外原規)は,厚生労働省医薬局長通知として発出されており,化成品や天然由来品目など種々の品目が収載されている.外原規は旧化粧品原料基準等複数の規格集を統合して2600超の品目を含む規格として成立した背景から,その後の数次の改正を経てもなお個々の各条規格の間で差が大きく,必要な項目が設定されていない品目が多い.また,正確性精密性に劣る旧来の試験法が多く残っている.令和3年3月25日に,15年ぶりの大改正として外原規2021(薬生発0325第1号)が発出されたが,現時点においても,改正が必要な項目が1000項目以上ある.しかし,これらの根本的解決を目的とした検討は遅れている.またこれまで,年3回程度開催される厚生労働省・外原規検討連絡会議のみで改正を審議することから,改正される項目数も限定されていた.今後も,隔年ごとに外原規の大改正及び一部改正が予定されていることから,本研究では,外原規の迅速かつ効率的な改正を目的として,ウエット研究として各試験法等の検討を行い,さらに,外原規の改正素案を作成する.
研究方法
令和6年度より「外原規研究班」を組織し,研究代表機関(国立衛研)及び研究協力機関(7機関)の計8機関の担当者が参加のもと,以下の検討を実施した.
[1] 外原規改正検討項目(品目)のリストアップ,検討項目の選定,[2] 外原規収載の化成品及び天然由来品目について試験の対象となる成分の定性・定量法の開発,[3] 有害試薬からの代替試験法への改正に向けた検討,[4] 微量元素不純物を対象とした高度分析機器による試験法導入・改正のための検討

結果と考察
(1)外原規改正検討項目についてリスト化し,検討項目の選定を行った.検討候補となった約200項目について,優先順位が高く検討可能な外原規収載品目から,担当機関を設定し,検討を開始した.(2)化成品であるα-ナフトール及びベンジルアルコールについて,現行の有害試薬クロロホルムを用いた確認試験から,代替溶媒又は赤外吸収スペクトル測定法を用いた代替試験法の検討を行い,確立した代替試験法に基づいた改正法素案を設定した.(3)天然由来品目のうち,主に有害試薬の使用や煩雑な操作を伴う試験法が規定されているヒノキチオールの定量法について代替試験法の検討を行った.その結果,現行の吸光度測定法から新たにHPLC-UVによる定量法を開発した.(4)同じく天然由来品目として,ローズマリー水のTLCによる確認試験について,現行の有害試薬トルエンから代替溶媒を用い,さらに操作を簡便迅速化した改正法案を設定した.(5)ローズマリー油については,新たにTLCによる確認試験法案を設定した.(6)カンゾウ抽出末の定量法について,現行法では試薬の未設定などの不備もあることから,現行法から日局に準拠した定量法への改正の検討を開始した.(7)微量元素不純物を対象とした高度分析機器による試験法導入・改正のための検討として,蛍光X線等の純度試験法への適用可能性を検討した.測定対象元素をCo,Ni,As,Pb,Sb及びCdとし,測定法は検量線法及びファンダメンタルパラメーター法とした.検量線法において測定対象の全元素について良好な直線性の検量線が得られ,算出された定量下限値から,検量線法が適用可能な試料であれば十分な検出感度が得られていると判断できた.
結論
研究班会議において,各項目の検討結果を共有し,本成果をもとに,外原規改正素案を作成した.最初に,外原規改正検討項目についてリスト化し,検討項目の選定を行った.検討候補となった項目について,優先順位が高く検討可能な外原規収載品目から,担当機関を設定し,検討を開始した.本年度の研究結果に基づき,外原規改正素案として4項目(α-ナフトール,ベンジルアルコール,ローズマリー水,ローズマリー油)の確認試験案が作成され,1項目(ヒノキチオール)の代替定量法が開発された.

公開日・更新日

公開日
2025-06-02
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
202424047Z