文献情報
文献番号
202424046A
報告書区分
総括
研究課題名
抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品開発動向の調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24KC2008
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
加藤 和則(東洋大学(健康スポーツ科学部 栄養科学科))
研究分担者(所属機関)
- 浅野 竜太郎(東京農工大学 大学院工学研究院生命機能科学部門)
- 岩澤 卓弥(東洋大学 ライフイノベーション研究所)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
1,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
抗Dヒト免疫グロブリン製剤は、Rh血液型不適合妊娠において致死的な合併症の予防に必要不可欠な薬剤であり、現時点で他に代替可能な薬剤がない。また当該薬剤の原料血漿は、100%海外からの輸入に依存しており、血漿ドナーが世界的に高齢化しつつあり、今後、全世界的に安定供給に支障を生じ、日本への供給も逼迫する可能性が極めて高い。
このような背景の元に、抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品については過去約20年間、様々な企業や研究所によって代替医薬品を創ることは試みられてきたが、作成した抗体に十分な力価が得られない等の理由により未だ上市には到っていない。そこで本調査研究では、国内外の抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品開発動向と課題を文献等から調査し、機能性の高い抗D抗体を新規に樹立するための国内及び海外の抗体シーズ作製技術の調査、高機能性抗体エンジニアリングによる免疫誘導能の制御に関する調査研究を実施し、既存の抗D抗体医薬(抗血清)に代わって臨床使用が可能な抗体シーズを樹立するための手法と技術を検討し提言することを目的とした。
このような背景の元に、抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品については過去約20年間、様々な企業や研究所によって代替医薬品を創ることは試みられてきたが、作成した抗体に十分な力価が得られない等の理由により未だ上市には到っていない。そこで本調査研究では、国内外の抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品開発動向と課題を文献等から調査し、機能性の高い抗D抗体を新規に樹立するための国内及び海外の抗体シーズ作製技術の調査、高機能性抗体エンジニアリングによる免疫誘導能の制御に関する調査研究を実施し、既存の抗D抗体医薬(抗血清)に代わって臨床使用が可能な抗体シーズを樹立するための手法と技術を検討し提言することを目的とした。
研究方法
本調査課題に関連する学会(日本輸血細胞治療学会学術総会、Antibody engineering & therapeutics asia、日本抗体学会等)にて機能性の高い抗D抗体を新規に樹立するための国内及び海外の抗体シーズ作製技術の調査と検討を行った。また、国内外の抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品開発動向と課題を文献および関連学会等から調査し、さらに機能性の高い代替抗D抗体を新規に樹立するための国内外の抗体シーズ作製技術を有する企業等の調査を実施した。
上記の調査報告と研究進捗状況尾報告および今後の本研究の進め方について、計2回の班会議を開催した。班会議には、研究代表者・分担者に加えて、抗Dヒト免疫グロブリン製剤について多くの経験を有している研究協力者10名も参加し、現状も課題や今後の研究開発について意見交換を行った。
さらに得られた情報(抗D抗体の遺伝子配列情報)を元にNIHのデータベースからヒト型IgG抗体の作成、および機能性および多様性を高めるために単鎖抗体scFvの作成を検討し、D抗原への反応性を検討した。
上記の調査報告と研究進捗状況尾報告および今後の本研究の進め方について、計2回の班会議を開催した。班会議には、研究代表者・分担者に加えて、抗Dヒト免疫グロブリン製剤について多くの経験を有している研究協力者10名も参加し、現状も課題や今後の研究開発について意見交換を行った。
さらに得られた情報(抗D抗体の遺伝子配列情報)を元にNIHのデータベースからヒト型IgG抗体の作成、および機能性および多様性を高めるために単鎖抗体scFvの作成を検討し、D抗原への反応性を検討した。
結果と考察
【調査結果】
国内外の抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品開発動向と課題を関連学会および文献等から調査した。その結果、インドの製薬会社であるBSV社が開発した抗体医薬(Rhoclone®)および後発品抗体の(Trinbelimab®)が32ヵ国で承認されて使用されていることが明らかとなった。
さらに抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品候補を選択する技術として、ハイスループットな抗原—抗体間相互作用解析手法、抗体CDR配列をベースにより高アフィニティーな抗体が設計できるプロットフォームの原理と使用方法の情報を得た。可溶状態の抗体やタンパク質の可視化技術を開発した株式会社リガクと、今後の治験薬製造に必要な原材料、抗体精製カラムについてはザルトリウス・ステディム・ジャパンとキコーテック株式会社および韓国のPrestige Biologics社より情報を得ることができた。また複数の亜型が存在する抗D抗原に対する交差反応性を有する抗体の改変技術を、Abwiz Bio社からの情報と研究支援を確認した。
【実験結果】
NIH Database等に公開されている様々なRhD亜型への反応性IgG抗体のCDR配列を60例収集し、反応性が良好と考えられるCDR配列について、リコンビナント抗体の作製を行った。また、Trinbelimabについてもアミノ酸配列からCDR配列を設計し、リコンビナント抗体の作製を行った。抗D抗体の配列情報を基に大腸菌でも調製が可能な一本鎖抗体 (scFv) を設計し、組換え体を調製およびフローサイトメトリーによる結合能評価を行った結果、scFvは市販のD抗原陽性の赤血球に対して結合能を示した。
国内外の抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品開発動向と課題を関連学会および文献等から調査した。その結果、インドの製薬会社であるBSV社が開発した抗体医薬(Rhoclone®)および後発品抗体の(Trinbelimab®)が32ヵ国で承認されて使用されていることが明らかとなった。
さらに抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品候補を選択する技術として、ハイスループットな抗原—抗体間相互作用解析手法、抗体CDR配列をベースにより高アフィニティーな抗体が設計できるプロットフォームの原理と使用方法の情報を得た。可溶状態の抗体やタンパク質の可視化技術を開発した株式会社リガクと、今後の治験薬製造に必要な原材料、抗体精製カラムについてはザルトリウス・ステディム・ジャパンとキコーテック株式会社および韓国のPrestige Biologics社より情報を得ることができた。また複数の亜型が存在する抗D抗原に対する交差反応性を有する抗体の改変技術を、Abwiz Bio社からの情報と研究支援を確認した。
【実験結果】
NIH Database等に公開されている様々なRhD亜型への反応性IgG抗体のCDR配列を60例収集し、反応性が良好と考えられるCDR配列について、リコンビナント抗体の作製を行った。また、Trinbelimabについてもアミノ酸配列からCDR配列を設計し、リコンビナント抗体の作製を行った。抗D抗体の配列情報を基に大腸菌でも調製が可能な一本鎖抗体 (scFv) を設計し、組換え体を調製およびフローサイトメトリーによる結合能評価を行った結果、scFvは市販のD抗原陽性の赤血球に対して結合能を示した。
結論
抗D免疫グロブリン製剤の代替医薬品TrinbelimabおよびNIH Database等に公開されている様々なRhD亜型への反応性IgG抗体のCDR配列を60クローンの情報を収集することができ、リコンビナントIgGの作成準備が整った。先行してRhDに反応性が良好な抗体クローンのCDR配列情報を元に、リコンビナント抗体(ヒトIgG1)の作成を行い、その反応性を確認できた。また、Trinbelimabについてもアミノ酸配列からCDR配列を設計し、リコンビナント抗体の作成に着手した。今後は、多数の亜型に交差反応性を有する抗D抗体を樹立するために、AI技術を導入しこれまで得られた抗体のCDR情報を元にCDR改変抗体をデザインし、抗Dヒト免疫グロブリン製剤の代替医薬品となる抗体医薬シーズを樹立する。
公開日・更新日
公開日
2025-09-11
更新日
-