生体防御タンパク質に注目した、漢方薬の作用メカニズムの解明・有効成分の同定と新規治療薬の開発

文献情報

文献番号
201008021A
報告書区分
総括
研究課題名
生体防御タンパク質に注目した、漢方薬の作用メカニズムの解明・有効成分の同定と新規治療薬の開発
課題番号
H22-創薬総合・一般-005
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
水島 徹(熊本大学大学院 生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 星野 竜也(熊本大学大学院 生命科学研究部)
  • 田中 健一郎(熊本大学大学院 生命科学研究部)
  • 大塚 雅巳(熊本大学大学院 生命科学研究部)
  • 池田 剛(熊本大学大学院 生命科学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
17,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究で我々は、漢方薬(生薬)ライブラリーからHSP誘導生薬、及びSOD誘導生薬を検索し、誘導物質の同定、及び動物モデルでの評価を行い、疾患治療薬として開発する化合物を決定する。
研究方法
 そこで本研究で我々は、この漢方薬(生薬)ライブラリーをさらに充実させ、HSP誘導生薬のスクリーニングを行い、有望な生薬を複数選択する。そして、誘導物質の同定、及び動物モデルでの評価を行い、種々の疾患治療薬として開発するHSP誘導物質を決定する。
結果と考察
HSP70、及びSOD誘導生薬のスクリーニングを行った。その結果、アルニカなど10種のHSP70誘導生薬、及びサルビアなど13種のSOD誘導生薬を発見した。これらのHSP70誘導生薬は、既存のHSP70誘導薬(テプレノン)よりも強力なHSP70誘導能、及び抗潰瘍作用(マウス)を示した。またサルビアは、PC-SODよりも強力な間質性肺炎、及び炎症性腸疾患抑制効果(マウス)を示した。
 次に我々は、アルニカからHSP70誘導物質の単離、同定を試みた。オープンカラムで粗分けした後、分取用HPLCで分画し、誘導物質の単離・構造決定に成功した。この誘導物質はテプレノンよりも強力なHSP70誘導能を有しており、現在アルツハイマー病抑制効果などを検討している。
 一方サルビア等からのSOD誘導物質の単離、同定も進めている。サルビアに関しては、比活性を30倍以上上げることに成功したので、近い内に構造決定できると考えている。
結論
このように平成22年度の我々の研究により、数多くの有望な生薬が発見された。

公開日・更新日

公開日
2011-06-21
更新日
-

収支報告書

文献番号
201008021Z