文献情報
文献番号
202424033A
報告書区分
総括
研究課題名
ICH-GCP改定における日本からのステークホルダー参画のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23KC2012
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
中村 健一(国立がん研究センター中央病院 国際開発部門)
研究分担者(所属機関)
- 柴田 大朗(国立研究開発法人 国立がん研究センター 研究支援センター 生物統計部)
- 後澤 乃扶子(国立研究開発法人 国立がん研究センター 研究支援センター 研究管理部)
- 沖田 南都子(国立研究開発法人国立がん研究センター中央病院 臨床研究支援部門 研究企画推進部)
- 田代 志門(東北大学 大学院文学研究科)
- 佐藤 典宏(国立大学法人 北海道大学 北海道大学病院 医療・ヘルスサイエンス研究開発機構)
- 池田 浩治(国立大学法人東北大学 病院臨床研究推進センター)
- 布施 望(国立研究開発法人国立がん研究センター 東病院)
- 花岡 英紀(国立大学法人千葉大学 医学部附属病院)
- 清水 忍(名古屋大学医学部附属病院 先端医療・臨床研究支援センター)
- 山本 洋一(大阪大学医学部附属病院)
- 櫻井 淳(国立大学法人 岡山大学 岡山大学病院 新医療研究開発センター)
- 戸高 浩司(九州大学病院 ARO次世代医療センター)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,193,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
医薬品規制調和国際会議(ICH)によって策定されたICH-E6ガイドライン(ICH-GCP)は、
1996年に制定され、2016年にE6(R2)としてマイナーな改定が行われたものの、約25年にわたり全面的な見直しは行われてこなかった。しかし、医薬品開発や臨床試験を巡る環境変化や、患者・被験者の臨床試験参加への意識の変化などを背景として、ICH-GCPにも大改定の機運が高まり、2019年11月にICH-GCPの改定作業に係る作業部会(ICH-E6(R3) WG)が立ち上げられた。
これまでICHガイドラインの策定においては、研究者や患者団体といったステークホルダーに対してはガイドライン案ができた段階でのパブリックコメントにて意見聴取がなされてきたが、今回の改定にはステークホルダーを作成過程により積極的に関与させることになった。
日本からのステークホルダーの関与としては、2020年度に厚生労働科学特別研究事業「ICH-GCP改定における国内ステークホルダーの参画のための研究」班が組織され、同研究班からICH-E6(R3)WGへの意見出しが既に行われており、本研究では引き続きICH-E6(R3) WGの要請を踏まえつつ、日本のステークホルダーの意見を集約してICH-GCP改定に反映させることを目指す。
1996年に制定され、2016年にE6(R2)としてマイナーな改定が行われたものの、約25年にわたり全面的な見直しは行われてこなかった。しかし、医薬品開発や臨床試験を巡る環境変化や、患者・被験者の臨床試験参加への意識の変化などを背景として、ICH-GCPにも大改定の機運が高まり、2019年11月にICH-GCPの改定作業に係る作業部会(ICH-E6(R3) WG)が立ち上げられた。
これまでICHガイドラインの策定においては、研究者や患者団体といったステークホルダーに対してはガイドライン案ができた段階でのパブリックコメントにて意見聴取がなされてきたが、今回の改定にはステークホルダーを作成過程により積極的に関与させることになった。
日本からのステークホルダーの関与としては、2020年度に厚生労働科学特別研究事業「ICH-GCP改定における国内ステークホルダーの参画のための研究」班が組織され、同研究班からICH-E6(R3)WGへの意見出しが既に行われており、本研究では引き続きICH-E6(R3) WGの要請を踏まえつつ、日本のステークホルダーの意見を集約してICH-GCP改定に反映させることを目指す。
研究方法
令和6年度は、ICH-E6(R3)WGによって、PrinciplesおよびAnnex 1の最終化の作業に加えて、Annex 2に関する検討、教育ツールの検討が実施され、研究班としてはacademic stakeholderとしてそれぞれについて意見を提出した。
各研究者の役割分担は下記のとおり。
研究代表者:中村
日本からの意見をとりまとめ、ICH-E6(R3) EWG stakeholder engagement meetingで日本からの意見陳述を行った。また、研究全体の進捗管理を行い、提言をとりまとめた。
研究分担者:小倉、柴田、後澤、沖田、秦、澤田石
研究代表者とともに、stakeholder engagement meetingへインプットする日本からの意見の取りまとめ、班会議の運営を行った。
研究分担者:田代、佐藤、池田、布施、花岡、丸山、富永、清水、加藤、山本、櫻井、戸高
臨床試験の有識者や、臨床研究中核病院の立場からAnnex 2に対する記載に関する意見出しを行った。
各研究者の役割分担は下記のとおり。
研究代表者:中村
日本からの意見をとりまとめ、ICH-E6(R3) EWG stakeholder engagement meetingで日本からの意見陳述を行った。また、研究全体の進捗管理を行い、提言をとりまとめた。
研究分担者:小倉、柴田、後澤、沖田、秦、澤田石
研究代表者とともに、stakeholder engagement meetingへインプットする日本からの意見の取りまとめ、班会議の運営を行った。
研究分担者:田代、佐藤、池田、布施、花岡、丸山、富永、清水、加藤、山本、櫻井、戸高
臨床試験の有識者や、臨床研究中核病院の立場からAnnex 2に対する記載に関する意見出しを行った。
結果と考察
ICH-GCPは、Principles、Annex 1、Annex 2という3つのパートに分かれている。令和6年5月13日に行われたStakeholder Meetingで、研究責任医師のデータアクセスをどこまで保証するか、Computerized Systemsの目的への適合性、同意撤回患者のデータ利用可能性の可否、倫理審査委員会の要件等について議論がなされた。これらの議論に基づいて修正がなされたPrinciplesおよびAnnex 1に対するFinal Consensus Versionについては、リアルワールドデータ利活用時の留意点などについて日本からの意見を提出した。さらに11月6日でのステークホルダーミーティングでは新たなICH-GCPのトレーニングツールのあり方について議論がなされ、Proportionality、Data Governance、Informed Consentが優先度の高いトピックとして挙げられた。また、令和7年1月にはAnnex 2に対するパブリックコメントが全世界で開始され、これに対してGCTC(Good Clinical Trial Collaborative)が主催するアカデミア代表が集い、Annex 2に対する意見出しのあり方をディスカッションするワークショップが開催され、日本からの意見を述べた。
PrinciplesとAnnex 1については、令和7年1月にstep 4に到達し、今後はどのように国内実装するかに焦点が移る。Annex 2は引き続き検討中であるが、Annex 2にはpragmatic trial、real world data、DCTといった新たな臨床試験の手法が含まれているため、日本国内の臨床試験実施に及ぼす影響は大きい。
PrinciplesとAnnex 1については、令和7年1月にstep 4に到達し、今後はどのように国内実装するかに焦点が移る。Annex 2は引き続き検討中であるが、Annex 2にはpragmatic trial、real world data、DCTといった新たな臨床試験の手法が含まれているため、日本国内の臨床試験実施に及ぼす影響は大きい。
結論
日本のアカデミアからの意見を集約し、ICH-E6(R3) WGに対して日本からの提言を行った。ICH-GCP は、医薬品の臨床試験における被験者保護と信頼性の確保のためのグローバルスタンダードであり、日本からの意見を反映させられるよう本研究班の成果の情報発信を行う。
公開日・更新日
公開日
2025-06-17
更新日
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