新規遺伝子変異ラット作製技術に基づく生活習慣病・難治性疾患モデルラットの開発

文献情報

文献番号
201008015A
報告書区分
総括
研究課題名
新規遺伝子変異ラット作製技術に基づく生活習慣病・難治性疾患モデルラットの開発
課題番号
H21-生物資源・一般-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
中尾 一和(京都大学 大学院医学研究科内分泌代謝内科)
研究分担者(所属機関)
  • 芹川 忠夫(京都大学 大学院医学研究科付属動物実験施設)
  • 真下 知士(京都大学 大学院医学研究科付属動物実験施設)
  • 桑原 宏一郎(京都大学 大学院医学研究科内分泌代謝内科)
  • 横井 秀基(京都大学 大学院医学研究科内分泌代謝内科)
  • 冨田 努(京都大学 大学院医学研究科内分泌代謝内科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 厚生科学基盤研究分野 創薬基盤推進研究(創薬総合推進研究)
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
9,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
生活習慣病関連疾患の病態解明、新規治療標的同定に基づく新規治療薬・治療法開発が望まれる。現在これら疾患の病態解析、創薬開発、再生医療研究には遺伝子改変技術が確立されているマウスがモデル動物として多く用いられているが、マウスはその小ささゆえに採血や組織採取(膵臓、中枢神経系)が困難であること、生理学的解析や移植実験が行ないにくいなどの問題がある。さらに、最近では代謝面におけいてヒトと大きく異なる生理的特徴が明らかとなった。そのため、マウスと比べ体のサイズが大きく、採血や組織採取や系統的な生理学的解析が容易で、移植実験も行ないやすく、代謝面でもよりヒトに近いラットでの疾患モデル確立が期待されている。しかし、現時点ではES細胞の技術がラットで未確立のため、遺伝子改変ラットの効率的な作成は不可能である。最近研究分担者である芹川、真下らはENUミュータジェネシスに、新規DNAスクリーニング法(MuT-power)、凍結精子アーカイブからの個体復元技術(ICSI)という一連の新規技術を組み合わせることにより、標的遺伝子変異ラットの効率的な作成システム構築に成功した。本研究課題では、このシステムを用いて生活習慣病関連・難治性疾患遺伝子変異ラットをスクリーニングし、複数の遺伝子変異ラットの同定、樹立を行い、これらラットの表現系を解析することにより、生活習慣病や難知性疾患の病態解明・新規治療標的同定の試みを行なうと共に、これら新規疾患モデルラットを用いた新規創薬開発を加速させることを目的とする。
研究方法
平成21年度から約1600匹分のラットミュータントアーカイブの高速DNAスクリーニングを開始した。具体的にはそれぞれの標的遺伝子のcoding領域に対応するprimer setを作製し、ENUミュータジェネシスを行なったラットの遺伝子アーカイブから新規変異DNAスクリーニング法(MuT-POWER法)を用いてスクリーニングを行ない、新規開発した個体復元技術ICSIを用いて標的遺伝子変異ラットを樹立していく。
結果と考察
ラットの遺伝子アーカイブからスクリーニングを行なった結果、本年度はレプチン、セイピン、ナトリウム利尿ペプチド受容体(GC-A)にナンセンスあるいはミスセンス変異を有するラットの同定に成功し、さらに新規開発した個体復元技術ICSIを用いて標的遺伝子変異ラット樹立に成功、これらラットの表現系解析を開始した。
結論
新規生活習慣病・難治性疾患モデルラットの樹立に成功し、これらラットの表現系解析を開始した。

公開日・更新日

公開日
2011-05-30
更新日
-

収支報告書

文献番号
201008015Z