ワクチン等の品質確保を目的とした国家検定の最適化と国際整合化のための研究

文献情報

文献番号
202424008A
報告書区分
総括
研究課題名
ワクチン等の品質確保を目的とした国家検定の最適化と国際整合化のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24KC1001
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
石井 孝司(国立感染症研究所 品質管理研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 水上 拓郎(国立感染症研究所 次世代生物学的製剤研究センター)
  • 花木 賢一(国立感染症研究所 安全管理研究センター)
  • 伊藤 睦代(高山 睦代)(国立感染症研究所 ウイルス第一部)
  • 大槻 紀之(国立感染症研究所 ウイルス第3部2室)
  • 妹尾 充敏(国立感染症研究所 細菌第二部)
  • 落合 雅樹(国立感染症研究所 品質保証・管理部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
10,738,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
国家検定は、保健衛生上特別の注意を要する医薬品(特に高度な製造技術や試験技術を要するもの)について、製造販売業者等で実施する出荷判定に加えて、検定機関がロットリリースを行う制度であり、WHOにおいても各国の規制当局が実施しなければならない必須要件と定めている。国家検定制度は、ワクチン、血液製剤、抗毒素等(ワクチン等)の品質確保において重要な役割を担っている一方で、近年の医薬品の製造及び品質管理技術の向上に伴い、国家検定制度のあり方については国際的にも検討が進められているところである。こうした背景を踏まえ、過去の厚生労働科学研究で得られた成果及び諸外国の国家検定制度の状況を参考にしながら、本邦の国家検定制度をより効果的かつ効率的な制度に向上させるために必要な調査、研究を行う。
研究方法
1)生物学的製剤の品質管理試験法の評価と改良、2)リスクに応じた国家検定試験の最適化及び試験検査機関の品質システム強化、を主として検討した。
結果と考察
狂犬病ワクチンの力価試験及びジフテリア毒素無毒化試験の代替法、致死性動物試験の人道的エンドポイント設定の検討、蛇毒抗毒素製剤の国家検定における発熱試験削除の検討を進めた。
血液製剤のSLP審査制度が導入され、承認書の確認、SLP審査により十分な品質管理が可能となったことから、策定した基準に適合するような試験に関しては国家検定項目からの削除を進めた。
ワクチンの国家検定へのリスク評価に基づく一部ロット試験の導入に向けて、リスク評価シートを見直し、過去のリスク評価結果を考慮した上で直近の実績等に基づきリスク評価を実施し、試験頻度を減じる対象品目を選定した。国家検定にリスク評価に基づく一部ロット試験が導入されることにより、製造技術や品質管理手法の向上、新規モダリティの製品の導入などに応じた国家検定の最適化や国際整合化が期待できる。
結論
動物試験に関する検討に関しては、異常毒性否定試験等の動物試験の今後のあり方について国際的な動向等を踏まえながら幅広く検証した。また、試験精度の向上や3Rs対応を目指した試験法の開発及び改良について、引き続き検討を行っている。
血液製剤に関しては製造工程の要約・試験確認により十分な品質管理が可能となったことから、基準に適合するような試験に関しては国家検定からの削除を進め、その結果、SLP審査のみでロットリリースされる製剤が登場し、事務処理期限の短縮が計られ、より柔軟な需給調整が可能となりつつある。麻しん、風しん、おたふくかぜ生ワクチンの中間段階で実施されているウイルス含量試験について検討し、国家検定からの削除は可能と結論した。
ワクチンの国家検定へのリスク評価に基づく一部ロット試験の導入に向けて、試験頻度を減じることができる対象品目を選定した。また、ワクチンのリスク評価に用いるリスク評価シートの見直しなどを検討した。国家検定にリスク評価に基づく一部ロット試験が導入されることにより、国家検定の実績、製造技術や品質管理手法の向上、新規モダリティの製品の導入等に応じた国家検定の最適化や国際整合化が期待できる。

公開日・更新日

公開日
2025-06-10
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-06-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
202424008Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,738,000円
(2)補助金確定額
10,738,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 10,229,172円
人件費・謝金 22,440円
旅費 49,880円
その他 436,508円
間接経費 0円
合計 10,738,000円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2025-06-10
更新日
-