心身機能のエイジングに着目した高齢期の就労支援に関する研究

文献情報

文献番号
202422010A
報告書区分
総括
研究課題名
心身機能のエイジングに着目した高齢期の就労支援に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23JA1006
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
大塚 礼(国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 研究所 老化疫学研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 八谷 寛(名古屋大学大学院医学系研究科 国際保健医療学・公衆衛生学)
  • 下方 浩史(名古屋学芸大学 大学院栄養科学研究科)
  • 西田 裕紀子(国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 老化疫学研究部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,539,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 高齢期の就労継続、就労意欲に関わる危険因子・保護因子を明らかにし、就労にあたって事業者が配慮すべき点や高齢期の就労継続を促進する労働衛生上の支援策を提案する。
研究方法
 就労状況、慢性疾患や心血管イベントを含む身体・精神機能、感覚機能などの老化関連指標を多角的な視点から捉えることが可能な縦断疫学調査(一般住民コホート・職域コホート)データを用い、高齢期の就労継続、就労意欲に関わる危険因子・保護因子を明らかにする。加えて、事業所アンケートを通し高年齢労働者の雇用・就労・配置等に関する実態・意識調査を進める。
結果と考察
 加齢に伴い様々な機能の中でも、男女とも聴力(特に高周波数帯域)が低下すること、他、近見常用視力や情報処理能力、筋持久力の低下が大きいことが明らかになった。
 一方、歩調や精神的健康度は、年齢による明らかな差異を認めなかった。また、疲労感は高齢期の就労継続を妨げる可能性が示唆されたが、就労継続者(退職後)においても、現役の就労者の約半数に、いびきや腰の痛み、耳の聞こえや目の見え方の悪化などの訴えがあり、3割の者に夜間や早朝覚醒、孤独感、膝の痛みがあるなど、様々な愁訴をかかえつつ就労継続している高年齢労働者が多いことが明らかとなった。初年度には、糖尿病が就労非継続と関連しており、若中年期からの糖尿病対策が重要であることが示唆されたが、今年度の解析により、疲労感への対策ならびに、就労継続者に対しての(様々な機能低下に対する)衛生対策も必要であることが明らかとなった。現在の高年齢就労者では、高齢群ほど就労時間は短いものの、希望通りの働き方と捉える者の割合は増加し、働けるうちはいつまでも働くつもりである者の割合、および希望引退年齢も上昇した。加えて男女ともに金銭面だけでなく、健康のために働き続けたいと考える者も多く、体調が許せば希望する就労内容での雇用を希望する者が少なからずいることが明らかとなった。
 事業所アンケートの集計値からは、企業規模により高年齢労働者に対する対策が異なることが示された。事業所規模が大きいほど、高年齢労働者数が多い傾向があり、同時にエイジフレンドリーガイドラインを知っている事業所、労働災害発生数、高年齢労働者に対する労働災害防止対策を行っている事業所、就業上の配慮をしている事業所など、労働衛生上の対策が既に講じられている割合が多かった。
結論
 企業規模に関わらず、加齢とともに様々な心身機能は低下する傾向を認めることから、就労継続者に対しての疲労感を含めた様々な機能低下に対する衛生管理および対策、特に小規模事業所に対する安全対策の推進や支援が求められる。

公開日・更新日

公開日
2026-02-19
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2026-02-19
更新日
-

収支報告書

文献番号
202422010Z