文献情報
文献番号
202422005A
報告書区分
総括
研究課題名
自動制御システム等による車両系建設機械と協働する場合に新たに生じる労働安全衛生リスクのシステム思考に基づく分析フレーム
研究課題名(英字)
-
課題番号
23JA1001
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
澁谷 忠弘(横浜国立大学 総合学術高等研究院)
研究分担者(所属機関)
- 笠井 尚哉(国立大学法人横浜国立大学大学院環境情報研究院)
- 酒井 信介(横浜国立大学総合学術高等研究院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 労働安全衛生総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
7,420,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、自動制御システム等による車両系建設機械と協働する場合に新たに生じる労働安全衛生リスク分析フレームの構築である。STAMPモデルを用いたハザード分析と共に、労働者の作業HAZOPを組み合わせることで労働者との協働において懸念されるリスクを網羅的に抽出する。また、STAMP/STPAやHAZOPではガイドワードを用いたリスク特定であるため、2年度目にはモデルベースアプローチによる定量評価を取り入れてリスク分析手法の高度化を目指す。最終的に、労働災害被災リスク、リスクの評価方法、リスク評価に基づく労働災害防止対策について、これまでの建設機械の労働災害防止マニュアルの差分として必要な項目を整理する。
研究方法
前年度に実施した作業HAZOPやSTAMP/STPAなどのハザード分析およびリスクシナリオ特定から得られた自動制御システム等による車両系建設機械と労働者が協働において懸念されるリスクシナリオについて、物理モデルを用いたモデルシミュレーションによる物理的挙動の定量化を実施し、当該リスクシナリオの詳細分析を実施した。また、これまでに実施してきたリスクシナリオ特定およびシナリオ詳細分析に関して、分析フレームの形で整理した。さらに、これまでの建設機械の労働災害防止マニュアルと本研究により得られた知見との比較から差分を明らかにし、新たな要求事項や必要項目について整理した。
結果と考察
本年度は、前年度実施した「自動制御システム等による車両系建設機械と労働者が協働することを想定したハザード分析およびリスクシナリオ特定」の結果を参照し、モデルベースアプローチによる定量評価に基づいてリスクシナリオの詳細分析を実施した。具体的には、複合物理領域・システムレベルモデリングにより構築した車両系建設機械の物理モデルに対して、各リスクシナリオにおいて想定されるバラメータやずれの初期値を与え、当該シナリオが発生した際の物理的挙動をシミュレーションすることで、労働者に対して与える影響について分析した。また、自動制御システム等による車両系建設機械と労働者の協働により生じる労働安全衛生リスク分析における各適用手法の位置づけを明確化し、分析フレームの形で整理した。さらに、これまでの建設機械の労働災害防止マニュアルとして、国土交通省の発行する「自動施工における安全ルール(Ver. 1.0)」を参照し、そのリスク評価ならびにリスク評価に基づく災害防止対策項目について整理した。
結論
初年度実施のハザード分析の結果を活用した「モデルベースアプローチによる定量評価」の結果も踏まえて、自動制御システム等による車両系建設機械と労働者の協働により生じる労働安全衛生リスクの分析フレームを整理し、労働災害被災リスク、リスクの評価手法、リスク評価に基づく労働災害防止対策について、これまでの建設機械の労働災害防止マニュアルの差分として必要な項目を整理した。
公開日・更新日
公開日
2025-08-08
更新日
-