看護教員の継続教育に対するニーズ把握のための研究

文献情報

文献番号
202421046A
報告書区分
総括
研究課題名
看護教員の継続教育に対するニーズ把握のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23IA2005
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
水方 智子(一般社団法人日本看護学校協議会(事務局))
研究分担者(所属機関)
  • 水澤 晴代(日本看護学校協議会 事務局)
  • 濱田 眞由美(日本看護学校協議会)
  • 百瀬 栄美子(日本看護学校協議会 事務局)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
4,432,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
看護師等養成所(以下、「看護学校」と記す)の看護教員(以下「教員」と記す)を対象とした研修の受講状況や自己研鑽に関する意識、継続教育に関するニーズ等についての実態把握調査を行うとともに、教員の経験や段階に応じた継続教育の充実と推進策への示唆を得ることを目的とし、2年間にわたり調査を実施した。2年目は、「教員の能力開発や成長支援を目的とする講習会や研修会の効果検証(以下「調査D」と記す)」と「専任教員の継続教育・成長等に関する課題把握のためのヒアリング調査(以下「調査E」と記す)」を行った。
調査Eは、日本看護学校協議会(以下「協議会」と記す)が実施している教員を対象とした教育研修の受講状況、研鑽や継続教育に関するニーズ等を把握し、経験等の段階に応じた継続教育の体制を再整備すること、調査Eは、教員の経験段階に応じた実態を把握し、教員の成長を支援する体制づくりへの示唆を得ることを目的とする。
研究方法
調査Dは、協議会が実施している新任期教員対象研修会及び中堅期教員対象研修会の参加者のうち同意の得られた人から受講生アンケートの提供を受け、その集計と結果を検討した。教務主任養成講習会については、協議会内の教務主任養成講習会運営組織に、本調査の趣旨・調査概要等を説明し、受講者評価資料の提供を依頼し、同意の下で提供を受けた。
調査Eは、協議会会員校で3年課程の教員で、取材協力の意思が確認できた学校所在地域や設置主体が異なる学校の教員に、それぞれの教員が抱えている学校運営の現状についてヒアリング調査を実施した。
結果と考察
調査D:新任期教員研修会は、令和6年度から「教育実践力」の育成を目的に、対面形式により、自分の授業案を用いて授業デザイン・模擬授業・集団によるリフレクション・修正という一連のプロセスを経験できるように変更したところ、研修生の評価は非常に高くなった。以上のことから、新任期の教員に「教育実践力」の育成を目的に、令和6年から変更して実施した授業の計画・実施・評価という一連の流れを学べる対面での研修会の意義は高い。中堅期教員研修会は、組織課題として立案した「リーダー行動計画」の内容は「教育に関わること」と「教職員に関わること」が多かった。自分で行動計画を立て実践することや他校フィールドワークの意義が高いことが示唆された。以上のことから、実践的でかつ他校交流を実施の軸とし、多くの教員が参加できるような仕組みづくりが望まれる。
教務主任養成講習会は、屋根瓦方式を導入した「リーダー論演習」の受講者評価が昨年と同様に低い傾向にあり、目標達成も他の科目に比べ低かった。また、「教育機関における管理運営に関する概念を理解し、看護基礎教育に関わるマネジメント能力を養う」について受講生評価が若干低い傾向にあった。以上のことから、令和元年度より屋根瓦方式を導入した「リーダー論演習」は内容・方法を変更する必要が示唆された。
調査E:新任期教員から多く語られたのは、『教員同士の連携の不充分さ』を訴える声であった。その背景要因として、各教員の積極性の欠如や、何か突発的な仕事が発生した際、「自分ごと」として助けあう姿勢の欠如が示唆された。次に語られたのは『慣れない業務への不安』であり、業務量の多さについての指摘もあった。また、新任期以外教員から多く語られたのは、『教員同士の連携の不充分さ』の声であった。上司や周囲の中のサポートが得られない状況で、未整備な業務に向き合うことになり大きな不安と負担を強いられてきたことや、各教員が忙しく時間がないことが相互に働きかける事を躊躇させている可能性が示唆された。さらに、主任期・管理期教員から多く語られたのは、『マネジメントに関する要素の困難』という声であり、業務推進力、判断力・課題解決力、他教員の指導・キャリア支援、リスク管理能力、学外との調整交渉力、学生確保、予算確保といったマネジメントに関する要素に困難を感じていることが推察された。また、すべの経験段階の教員が、学生の成長に関われることが『やりがい』であるという声が聴かれた。
結論
調査Dより、新任期教員の、自分の授業案を用いて一人ひとりが模擬授業を実施する授業デザインと授業リフレクション、中堅期教員の、自分で立てたリーダー行動計画の実施と他校フィールドワークを実施の軸にした研修会は、研修生のニーズに合ったものであり実施する意義は高い。多くの教員が体験できるようなや組織支援が望まれる。また、教務主任養成講習会は内容・方法等多様な検討が必要である。調査Eより、すべての経験段階の教員が学生の成長にやりがいを持ち仕事をしている一方で、学校運営の現状については教員の経験段階によって異なっていることが明らかになった。

公開日・更新日

公開日
2026-05-13
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-07-10
更新日
-

文献情報

文献番号
202421046B
報告書区分
総合
研究課題名
看護教員の継続教育に対するニーズ把握のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23IA2005
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
水方 智子(一般社団法人日本看護学校協議会(事務局))
研究分担者(所属機関)
  • 水澤 晴代(日本看護学校協議会 事務局)
  • 百瀬 栄美子(日本看護学校協議会 事務局)
  • 濱田 眞由美(日本看護学校協議会)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
看護師等養成所(以下、「看護学校」と記す)の看護教員(以下、「教員」と記す)を対象とした研修の受講状況や自己研鑽に関する意識、継続教育に関するニーズ等についての実態把握調査を行うとともに、教員の経験や段階に応じた継続教育の充実と推進策への示唆を得ることを目的とし、2年間の検討をおこなった。
研究方法
1年目は、専任教員養成講習会及び教務主任養成講習会ガイドラインに示された専任教員養成講習会・教務主任養成講習会の実態調査と日本看護学校協議会(以下、「協議会」と記す)が主催の新任期教員対象研修会・中堅期教員対象研修会・教務主任養成講習会の評価を行い、現行の研修及び講習会の課題を検討した。また、看護学校における教員の育成・成長に関する組織的支援に関する調査・看護学校における教員の継続教育・成長に関する課題把握のための組織診断サーベイを行い、教員の育成支援に関する組織的な支援と課題を抽出した。2年目は、協議会主催の新任期教員研修会の内容を実証的に実施するとともに、教務主任養成講習会の課題をさらに整理した。また、経験の異なる教員からヒアリング調査を実施し、学校組織全体としての問題・課題を焦点化し、組織課題解決への整理を行った。
結果と考察
1.専任教員養成講習会・教務主任養成講習会の実態調査
専任教員養成講習会の受講率は、平成30年以降定員を満たしておらず、改正ガイドラインに示す単位数・時間数の削減やeラーニング活用科目を増やしたことによる受講率の上昇は確認できなかった。また、教務主任養成講習会の受講枠にも毎年一定の空きがあるが、自校の課題を考える等の機会にもなり受講の意義は非常に高い。
2.教員の能力開発や成長支援を目的とする講習会や研修会の効果検証
新任期教員対象研修会は、「教育実践力」育成を目的に、対面形式による授業デザイン・模擬授業・集団によるリフレクション・修正という一連のプロセスを経験できるように変更したところ、研修生の満足度は非常に高くなった。中堅期教員対象研修会は、「リーダーシップ育成」を目的に、令和5年度からリーダー行動計画の実施とフィールドワークを実施の軸とした研修会の意義は高い。協議会主催の教務主任養成講習会は、「リーダー論」「リーダー論演習」の受講者評価が低い傾向にあり、屋根瓦式教育方法について検討する必要があることが明らかになった。
3. 看護教員のキャリア成長・支援に関する実態調査
看護学校における教員の育成・成長に関する組織的支援に関する調査より、「キャリアラダー」を教員に提示している学校は6割未満で、協議会作成の『看護教員のラダー』が多いが全体統一性は確認できなかった。教員要件を満たさない人材が担う業務は、授業、科目担当、保健師・助産師・看護師として従事経験がない領域の臨地実習での学生指導、学生の就学に関連した指導、国家試験対策関連の業務等と多岐に渡ることがわかった。看護学校における教員の継続教育、成長等に関する課題把握の為の組織診断サーベイより、役職が上にあるものは、多くの領域で「期待」と「実感」が高く、EXスコアも高いことがわかった。また同様に、年齢が高い教員は各領域の「実感」が高く、EXスコアも高い、つまり日々の体験が良いことがわかった。それとは反対に、年齢が低い教員の日々の体験は良くない事がわかった。
4. 専任教員の継続教育・成長等に関する課題把握のためのヒアリング調査
新任期教員は充分な指導・助言を得られない中で、慣れない仕事をしていること、新任期以外の教員は日常業務の中でリーダーシップを発揮しているが看護教育の質向上に寄与できているという実感がない中で仕事をしていること、主任期・管理期の教員は教員集団の力を集めて学校の健全な管理運営に関わってはいるが、急激な社会変化の中で解決すべき課題が多岐にわたり、マネジメントへの困難や不安定さを抱えていることが推察された。
結論
1. 専任教員養成講習会の受講者数は減少しているが都道府県が開催するものによる修了率は高い。定員を満たさない状況であっても積極的な開催継続を望む。
2. 新任期教員の授業デザインと授業リフレクション、中堅期教員のリーダー行動計画とフィールドワークを実施の軸を目指した研修会は、研修生や組織のニーズに合ったものであり実施する意義は高い。
3. 教務主任養成講習会の受講者数は減少しているが、受講の意義は非常に高い。実施団体による受講しやすい多様な工夫が求められる。
4. 教員の継続教育・成長等に関しては、教員の経験段階に応じて異なる課題把握をしている一方で、すべての教員が学生の成長にやりがいを持ち仕事をしていた。
5. 学校を健全に運営していくには、教員のマネジメント能力を高め多岐にわたる組織課題を解決できるような支援が急務である。

公開日・更新日

公開日
2025-07-10
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202421046C

成果

専門的・学術的観点からの成果
看護師等養成所(以下、「看護学校」と記す)の看護教員を対象とした研修の受講状況や自己研鑽に関する意識、継続教育に関するニーズ等についての実態把握調査を行い、看護教員の経験や段階に応じた継続教育の充実と推進策への示唆を得た。
臨床的観点からの成果
看護教員の経験や段階に応じた継続教育のシステムを見直した。これにより、看護教員の各経験段階に応じた講習会及び研修会の充実が可能となった。
ガイドライン等の開発
なし
その他行政的観点からの成果
専任教員養成講習会及び教務主任養成講習会ガイドラインの実施状況調査などを実施し、現状と課題の整理を行った。これらの成果は、講習会の充実及び発展に向けた基礎資料となる。
その他のインパクト
なし

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2025-07-10
更新日
-

収支報告書

文献番号
202421046Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
5,761,000円
(2)補助金確定額
5,761,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 0円
人件費・謝金 0円
旅費 32,000円
その他 4,400,000円
間接経費 1,329,000円
合計 5,761,000円

備考

備考
本研究では、看護師等養成所の看護教員を対象とした研修の受講状況や自己研鑽に関する意識、継続教育に関するニーズ等についての実態把握調査を行った際の分析を業者に委託したため、委託費が直接経費の50%を超えることになった。

公開日・更新日

公開日
2025-07-10
更新日
-