文献情報
文献番号
201005022A
報告書区分
総括
研究課題名
諸外国における予防接種制度の法制的研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-特別・指定-006
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岩田 太(上智大学 法学部国際関係法学科)
研究分担者(所属機関)
- 佐藤雄一郎(神戸学院大学法学部)
- 畑中 綾子(東京大学大学院公共政策連携研究部)
- 佐藤智晶(東京大学政策ビジョン研究センター)
- 井上 悠輔(東京大学医科学研究所・大学院新領域創成科学研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,700,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は,新型インフルエンザの発生を機に社会全体で高まってきた予防接種制度の抜本的な見直しの機運を受け,抜本的な改革のための法的な側面についての基礎的資料の充実を目指すことである.本研究では,英米豪ニュージーランドの英米法国,また,協力者の協力などによって独仏などの外国の制度に焦点を当てて、予防接種制度全体を見渡した上での基礎的な情報の確認を含め比較を行う.
研究方法
本研究においては,学術文献調査,インターネット等を利用した調査により,各国の法制度及びその運用,制度の背景,現在の議論となっている点等について調査し,整理した.また合衆国,ニュージーランドなどで現地調査を行った.そのほかの諸国については,上記に加え協力者などを通じ情報の収集を行った.まず本研究の目的は,公衆衛生,および個々の国民の健康の視点から重要な予防接種を国民および医療者が安心して利用できるための制度上の対策をめぐる政策論に資するため,諸外国の制度を,安全対策,効率的運用,また,救済制度などの観点から情報収集し,日本における議論の基礎的な資料を充実させることを目標としてきた.特に厚生労働省における予防接種制度の抜本的見直しの検討において資することを目標とし,法制的な側面についての資料収集を行った.
結果と考察
予防接種制度の抜本的な改革のための法的な側面についての基礎的資料の充実を目指し,本研究では,英米豪ニュージーランドの英米法国,また,協力者の協力などによって独仏などに外国の制度に焦点を当てて、予防接種制度全体を見渡した上での基礎的な情報の確認を含め比較を行った.具体的には接種費用を関係者がどう負担するか,感染症のサーベイランスやワクチンの有効性・安全性を調査する体制等について議論が必要とされているが,諸外国の制度の差異に十分考慮に入れながら,制度の基礎的な情報を把握することに努めた.さらに,予防接種被害に対する補償制度の有無,補償制度と裁判の関係,訴訟の可能性が予防接種運用に与える弊害の有無,また,予防接種の目的,社会において高い接種率を維持するための方策などについて明らかにした.
結論
本研究で得られた予防接種の目的,情報の包括的管理による事前および事後的な安全性確保の手段,また被害に対する補償制度などに関する報告は,日本において最終的にどのような制度を構築するにせよ,制度の構築過程では有用な情報となると思われる.より詳細な報告書の提出を含め担当部局への継続的な情報提供によって日本での再度改革に向けて可能な範囲で側面的な支援をしていきたい.
公開日・更新日
公開日
2011-06-13
更新日
-