日本発革新的医薬品・医療機器の開発・実用化の推進施策の構築に関する予備的研究

文献情報

文献番号
201005021A
報告書区分
総括
研究課題名
日本発革新的医薬品・医療機器の開発・実用化の推進施策の構築に関する予備的研究
課題番号
H22-特別・指定-024
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
中村 祐輔(東京大学 医科学研究所 ヒトゲノム解析センター)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
わが国においては、国民皆保険制度の下、必要な時に一定水準の医療を受けることが可能となっている。一方で、限られた保険財政の中で、わが国の現状を踏まえながら、医療技術の高度化と患者の多様なニーズに対応していくためには、医療の質を自立的に向上させていくことが求められている。
このためには、「新成長戦略」(平成22年6月18日閣議決定)に掲げられているように、産官学が連携して、日本発の革新的医薬品・医療機器の開発と実用化を促進し、医療上必要な医薬品・医療機器を患者へ迅速に提供する取り組みを進める。また、未来の医療に関する取り組みである再生医療と個別化医療については、研究開発を進めるとともにそれを支えるレギュレーションとビジネスモデルをあわせて検討する。
研究方法
本研究では、①医療機器開発・実用化の促進、②新薬開発・実用化の促進、③再生医療の推進、④個別化医療(ゲノム医療)の推進、⑤知財戦略(国内の大学・研究機関などから有望な知財を集約・分析)のあり方、⑥レギュラトリーサイエンスのあり方、の6つの検討分野を設けた。それぞれ産官学で専門的知見を有している専門家から8名程度からヒアリングを行い、各検討分野におけるスコープや課題設定、現状直面している課題やそれらを解決するための方策の検討や具体的対応策の検討等を行った。
結果と考察
各検討分野毎にヒアリングを行うことによって、現場における問題点・課題を抽出し、新成長戦略の柱の一つであるライフ・イノベーションの成果を早期に具現化するための政策応用の仕組みを検討することができた。また、①医療機器開発・実用化の促進、②新薬開発・実用化の促進、③再生医療の推進、④個別化医療(ゲノム医療)の推進といった個別分野における検討と、⑤知財戦略(国内の大学・研究機関などから有望な知財を集約・分析)のあり方、⑥レギュラトリーサイエンスのあり方という横串的な課題の検討が相互に乗り入れて意見交換する等、有機的な検討を進めることができたと考察される。特に、医薬品分野においては、日本発の医薬品が出ていない一因として、アカデミアから出たシーズが産業界に渡らない死の谷が問題となっていることから、この創薬シーズを橋渡しするための方策として、創薬支援機構について検討を行った。
結論
当初の目的を適切な研究方法によって達成することができた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201005021C

成果

専門的・学術的観点からの成果
わが国では基礎研究のレベルは高いにも関わらずアカデミアが産み出す成果と医薬品・医療機器の実用化の間委には大きなギャップがある。このような状況に対して日本発の革新的医薬品・医療機器の開発と実用化を強力に推進するため①医療機器開発・実用化の促進、②新薬開発・実用化の促進、③再生医療の推進、④個別化医療(ゲノム医療)の推進、⑤知財戦略のあり方、⑥レギュラトリーサイエンスのあり方の6つの検討分野について各課題毎に産官学それぞれの立場における現状・課題を整理し、推進施策を検討することができた。
臨床的観点からの成果
わが国においては、創薬のシーズを同定するためのスクリーニング体制の不備、基礎研究の成果を臨床研究応用するための臨床研究基盤体制が整備されていないこと、開発早期から治験の相談にのれる等の薬事戦略が不十分であること等が指摘されており、臨床に適切な医薬品が届けられているとは言い切れない状況にある。この状況を改善し、臨床環境を改善方策について、レギュラトリーサイエンスのあり方で検討することができた。
ガイドライン等の開発
特記事項無し。
その他行政的観点からの成果
本研究テーマである医療イノベーションについては、2010年6月18日に閣議決定された新成長戦略において、「ライフ・イノベーションによる健康大国戦略」を7つの戦略分野の一つと位置付けられており、政府の喫緊の課題である。(上記6つの検討分野は、新成長戦略に掲げられている方針を推進するために必要な検討分野として設定したものである。)
この政府喫緊の課題について産官学が連携して、共通の認識のもと、必要な検討を進めることができたことは、行政的観点からも大きな成果を上げることができたといえる。
その他のインパクト
本研究の検討過程で、医療イノベーション推進室の取り組みや考え方について業界紙等に頻繁に取り上げられることにより、当分野における長年の課題の検討が進むことへの大きな期待が寄せられると共に、2011年2月に医療イノベーション推進室運営委員会が開催された際には、各マスコミに医療イノベーションの取り組みについて各種取り上げられ、当分野の今後の取り組みに対する方向性について大きなインパクトを与えることができたといえる。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-15
更新日
-

収支報告書

文献番号
201005021Z