文献情報
文献番号
201005014A
報告書区分
総括
研究課題名
遺伝子治療臨床研究推進のための指針見直しに向けた調査研究
課題番号
H22-特別・指定-015
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
島田 隆(日本医科大学医学部)
研究分担者(所属機関)
- 小野寺 雅史(国立成育医療研究センター)
- 小澤 敬也(自治医科大学医学部)
- 那須 保友(岡山大学医学部)
- 山口 照英(国立医薬品食品衛生研究所)
- 内田 恵理子(国立医薬品食品衛生研究所)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
2,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
遺伝子治療は組換えDNA技術を応用して、患者に遺伝子を導入し疾患を治療しようとする先端医療技術であり、様々な難治性疾患の新しい治療法として期待されている。日本での遺伝子治療の臨床研究は欧米に比較して大きく遅れている。その原因として申請手続きが煩雑で、審査に時間がかかることが上げられる。最新の科学の進歩や、臨床研究に対する国民の考え方を反映した新たな「遺伝子治療臨床研究に関する指針」を作り、我が国の遺伝子治療研究を活性化し、迅速な臨床応用を可能にすることを目的とする。
研究方法
班会議(非公式会議3回、公式会議3回)やメールでの頻回の意見交換により、①現行の指針の問題点の抽出、②他の臨床研究指針との整合性のチェック、③諸外国の研究者や規制当局からの情報収集、④遺伝子治療研究者の意見聴取、を行った。これらの情報をもとに新しい指針案を作成した。
結果と考察
(1)現指針の章立てを全面的に見直し、単純で分かり易い構成とした。臨床研究申請の段階で必要な情報を具体的に記載し、計画書の作成を容易にした。
(2)最近の医学研究の進歩に合わせて遺伝子治療の定義及び適用範囲を再検討し、本指針の対象を明確にした。
(3)遺伝子導入技術を使って作製したiPS細胞を用いた臨床研究についても、本指針の対象になるが、2重審査の弊害を避ける観点から、審査方法について今後、両委員会で調整することを提案した。
(4)多施設共同で行う遺伝子治療臨床研究に対応するための改訂を行った。
(5)新規性のある遺伝子導入についてはこれまで通り対象疾患を重篤なものに限定したが、新規性のない遺伝子治療の対象疾患の規制を一部緩和した。
(6)施設内審査委員会と厚生科学技術部会の遺伝子治療臨床研究作業委員会の役割を明確にして、できるだけ審査期間の短縮を図るようにした。
(7)臨床研究の情報の流れを一本化、緊急時にも対応できるようにした。期日を決めた研究経過報告及び終了報告書を義務づけた。
(8)その他、情報の公開、記録の保存、インフォームド・アセントを含む人権保護に関する事項を記載した。
(2)最近の医学研究の進歩に合わせて遺伝子治療の定義及び適用範囲を再検討し、本指針の対象を明確にした。
(3)遺伝子導入技術を使って作製したiPS細胞を用いた臨床研究についても、本指針の対象になるが、2重審査の弊害を避ける観点から、審査方法について今後、両委員会で調整することを提案した。
(4)多施設共同で行う遺伝子治療臨床研究に対応するための改訂を行った。
(5)新規性のある遺伝子導入についてはこれまで通り対象疾患を重篤なものに限定したが、新規性のない遺伝子治療の対象疾患の規制を一部緩和した。
(6)施設内審査委員会と厚生科学技術部会の遺伝子治療臨床研究作業委員会の役割を明確にして、できるだけ審査期間の短縮を図るようにした。
(7)臨床研究の情報の流れを一本化、緊急時にも対応できるようにした。期日を決めた研究経過報告及び終了報告書を義務づけた。
(8)その他、情報の公開、記録の保存、インフォームド・アセントを含む人権保護に関する事項を記載した。
結論
最終的に、現時点での問題点をほぼ解決した完成度の高い指針案が策定できたと考えている。今後、パブリックコメントの聴取、厚生科学審議会での検討などを経て早期に実施されることを希望している。新指針が施行されることで我が国の遺伝子治療研究が更に発展することを期待している。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-