「乳幼児の事故を予防するための戦略研究」に関するフィージビリティ・スタディ

文献情報

文献番号
201005010A
報告書区分
総括
研究課題名
「乳幼児の事故を予防するための戦略研究」に関するフィージビリティ・スタディ
課題番号
H22-特別・指定-012
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
衞藤 隆(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会 日本子ども家庭総合研究所 母子保健研究部)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 哲郎(長野県長野保健福祉事務所)
  • 反町 吉秀(青森県上北地域県民局地域健康福祉部)
  • 市川 政雄(筑波大学大学院社会医学系人間総合科学研究科)
  • 中原 慎二(聖マリアンナ医科大学医学部)
  • 成川  衛(北里大学大学院薬学研究科)
  • 来生奈巳子(独立行政法人国立国際医療研究センター国立看護大学校25)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
6,120,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 子どもの事故による死亡・傷害を減らすため、地域の母子保健事業を基盤として、保護者等への保健指導と、乳幼児の事故予防のために必要な情報の提供や予防のために必要な物品の購入支援によって、乳幼児(0-4歳)の事故予防と事故による傷害を軽減する生活環境を実現することを研究の仮説とし、クラスターランダム化比較試験を実施しその効果を検証する戦略研究を、フル・プロトコール骨子を基盤に計画することを目的とした。
研究方法
 本研究では、この戦略研究の実施にあたり、既に示されたフル・プロトコール骨子について、メンバーによる複数回の討議を経て検討した。また、併せて先進地域の取組について調査し、諸外国の研究に関する文献検討を行い、その結果を反映したフル・プロトコールを完成させる。併せて標準的DVD教材とリーフレットを開発する。
結果と考察
 計6回の研究班会議を開催し、フル・プロトコール骨子を基盤にフル・プロトコールを完成し、同年9月14日に中間評価ヒアリングを受けた。しかし、平成22年12月22日に開催された厚生労働省の第61回科学技術部会において「平成23年度から戦略研究に着手することは困難であると考えられる。」との結論となった。
 まちぐるみでの安全推進を先進的に実施している京都府と神奈川県厚木市よりヒアリングを行った。共通する特徴は、地域における組織を横断する推進組織と住民を巻き込んだ活動の意義、外傷発生動向調査等の結果評価を可能とする体制の構築の意義であった。
 石川県庁と県立中央病院を訪問し、外傷発生動向調査について情報を収集した。行政が主体となって事業を開始・実施してきたこと、調査票記入が医療従事者の負担にならないことの2点に留意し、長期にわたり外傷サーベイランスを継続していた。
 家庭内事故防止教育の効果、セーフ・コミュニティ-の効果に関して、諸外国で実施された評価研究をレビューし、事故予防に寄与する可能性が示唆されたが、十分なエビデンスが示されていないことから、わが国で介入研究を行う必要性があることを示した。
 保健師等が乳幼児の事故防止について保護者等に対し指導する際に標準的内容として説明することに資する目的で、当研究班としてDVD(27分)を作成した。また、補助として用いるA4版裏表1枚のリーフレットを年月齢別に3種を作成した。
結論
 「乳幼児の事故を予防するための戦略研究」のためのフル・プロトコールを班員の討議を経て、完成した。事故防止対策に関する先進地域からの情報収集、先行研究の文献的検討、標準的DVDとリーフレットの開発を行い、今後の乳幼児事故防止対策に役立てる資料としてまとめた。

公開日・更新日

公開日
2011-05-31
更新日
-

行政効果報告

文献番号
201005010C

成果

専門的・学術的観点からの成果
家庭内事故防止教育の効果、セーフ・コミュニティ-の効果に関して、諸外国で実施された評価研究をレビューした結果、事故予防に寄与する可能性が示唆されたが、十分なエビデンスが示されていないことから、わが国で介入研究を行う必要性があることを示した。その場合、上記の事柄を考慮し、目的を明確にした上で、最適なデザインを決定し、十分な検出力を保てる標本サイズと介入内容に応じたアウトカムの設定が重要になる。
臨床的観点からの成果
地域において保健師等が乳幼児の事故防止について保護者等に対し指導する際に標準的内容として説明することに資する目的で、当研究班としてDVD「子どもの笑顔を守るために 防ぎましょう! 子どもの事故」を作成した。内容は、事故の背景、交通事故/水の事故/やけど、転倒・転落事故/衝突・挟まれ事故、誤飲事故/窒息/切り傷/万が一のためにで構成されている。単に保護者の注意を促すのではなく、環境の改変を促す視点に立った教材である。
ガイドライン等の開発
特になし。
その他行政的観点からの成果
事故防止対策に関する先進地域からの情報収集、先行研究の文献的検討、標準的DVDとリーフレットの開発はいずれも、日本全国の自治体において乳幼児の事故予防のための保健指導を行う際の論拠となりうる成果である。
その他のインパクト
DVD「子どもの笑顔を守るために 防ぎましょう! 子どもの事故」は近い将来、日本子ども家庭総合研究所のホームページにアップする予定であり、誰でも活用出来る状態になる見込みである。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
0件
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
0件
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
「出願」「取得」計0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
0件

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2015-06-05
更新日
2015-07-06

収支報告書

文献番号
201005010Z