文献情報
文献番号
201005009A
報告書区分
総括
研究課題名
「周産期医療の質と安全の向上のための戦略研究」に関するフィージビリティ・スタディ
課題番号
H22-特別・指定-011
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
楠田 聡(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
研究分担者(所属機関)
- 藤村 正哲(大阪府立母子保健総合医療センター)
- 山口 直人(東京女子医科大学 衛生学公衆衛生学)
- 水嶋 春朔(横浜市立大学医学部社会予防医学、疫学・予防医学)
- 西田 俊彦(東京女子医科大学 母子総合医療センター)
- 米本 直裕(国立精神・神経医療研究センター トランスレーショナルメディカルセンター情報管理・解析部生物統計解析室)
- 池田 智明(国立循環器病センター 周産期・婦人科部)
- 福井 トシ子(日本看護協会)
- 細野 茂春(日本大学医学部 小児科学系小児科学分野)
- 豊島 勝昭(神奈川県立こども医療センター 周産期医療部新生児科)
- 河野 由美(自治医科大学 小児保健学)
- 田村 正徳(埼玉医科大学総合医療センター 小児科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
6,390,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
わが国の新生児医療はその指標において国際的に優れているが、その成績に大きな施設間格差がある。この施設間格差を是正することで、わが国のハイリスク新生児の予後がさらに改善する。そこで、この施設間差を是正するための介入研究である「周産期医療の質と安全の向上のための戦略研究」の研究計画書を作成する。
研究方法
全国の主要な周産期医療施設が参加する周産期ネットワークデータベースを解析し、ハイリスク児の予後に影響を与える背景因子および介入因子を抽出した。その結果、6つの診療行為(母体ステロイド投与、出生時の蘇生、肺合併症の予防、動脈管開存症の管理と脳室内出血の予防、敗血症の予防、栄養管理)の標準化が予後改善に繋がることが示された。そこで、ガイドラインを作成し施設の診療行為の改善を目的とした介入試験実施計画書を作成した。なお、このような診療行為に対する介入を周産期標準化プログラムと呼ぶ。
結果と考察
対象施設は全国の総合周産期母子医療センターから選択し、地域、施設規模(平均入院数)、リスク調整後の死亡退院率で層別化した後に、クラスターランダム化して比較研究を行う。試験対象者は、参加施設に入院した出生体重400-1250gの児とした。症例の登録はWebを通じて実施する。介入方法は参加施設の診療分野別成績と医療組織体制の問題点を検証し、周産期標準化プログラムの導入と組織体制の改良を目指したワークショップを実施する。そして、当該施設の個別改善行動計画の策定を依頼する。当該施設に定期的なモニタリングを行い、改善行動計画の実行を支援する。主要評価項目は修正1.5歳でのintact survivalとし、副次評価項目は生後28日までの死亡または1歳までの死亡退院とした。目標症例数は介入群と非介入群で計3800例とした。一方、介入のための6つの診療行為についてもガイドラインを作成した。これらのガイドラインは広く他の施設でも応用可能と思われる。これらの研究計画全体については、倫理委員会で倫理性の審議の結果、承認された。
研究実施計画書の妥当性については、介入計画の一部について3施設で模擬実施し、実行の妥当性の検証を行った。
研究実施計画書の妥当性については、介入計画の一部について3施設で模擬実施し、実行の妥当性の検証を行った。
結論
「周産期医療の質と安全の向上のための戦略研究」のための研究実施計画書を作成した。一方、介入研究のために作成された診療ガイドラインは広く周産期医療に応用可能である。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-