文献情報
文献番号
202421020A
報告書区分
総括
研究課題名
患者のケア移行に伴う薬剤師間の情報連携の現状課題の把握とその解決に向けた調査研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24IA1002
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
寺田 智祐(京都大学 大学院医学研究科)
研究分担者(所属機関)
- 松尾 裕彰(広島大学病院 薬剤部)
- 藤原 久登(昭和大学藤が丘病院 薬剤部)
- 今井 志乃ぶ(鎌田 志乃ぶ)(昭和大学 薬学部薬剤疫学部門)
- 中川 俊作(京都大学 医学部附属病院薬剤部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 地域医療基盤開発推進研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
6,250,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
治療・療養の場の多様化が進む現代医療において、患者の連続的な治療と安全を確保するためには、医療従事者間での情報共有が重要となる。特に使用薬剤の管理と情報共有は、患者の安全と治療の質の向上に直結する。本研究では、患者のケア移行時における薬剤師間の情報共有・連携の実態を明らかにし、効果的な連携体制と評価指標を提案することを目的とした。
研究方法
初年度となる令和6年度は急性期・回復期・慢性期・在宅期における薬剤師間連携の既報調査を行い、8つのケア移行フェーズに分類して文献を整理した。
また、全国規模の診療報酬・調剤報酬データ(2020~2023年度)を用いて、薬剤師の情報連携行為に関与する保険算定項目を抽出し、評価指標候補を選定した。
また、全国規模の診療報酬・調剤報酬データ(2020~2023年度)を用いて、薬剤師の情報連携行為に関与する保険算定項目を抽出し、評価指標候補を選定した。
結果と考察
急性期における退院や外来受診フェーズでは一定の研究が存在し、薬剤師間連携による服薬アドヒアランス改善等の成果が報告されていた。一方で、緊急入院や転院、回復期・在宅期を中心としたフェーズでは報告が著しく少なく、実態把握が不十分であることが明らかとなった。
また、薬剤師の情報連携行為に関与する保険算定項目を抽出し、21種類の評価指標候補を選定した。これらは今後、薬剤師の連携状況を定量的に把握するための基盤として活用が期待される。
また、薬剤師の情報連携行為に関与する保険算定項目を抽出し、21種類の評価指標候補を選定した。これらは今後、薬剤師の連携状況を定量的に把握するための基盤として活用が期待される。
結論
本研究の初年度においては、患者のケア移行時における薬剤師間の情報共有・連携の現状を把握するため、既報調査および診療報酬データ分析を実施した。その結果、急性期における予定入退院や外来受診時の情報共有に関する報告は一定数認められた一方で、回復期・慢性期医療機関や在宅期に関する連携の報告は極めて限られており、フェーズごとの実態には大きな偏りが存在することが明らかとなった。また、薬剤師の情報連携行為に関連する診療報酬項目の分析により、21種の指標候補を抽出し、今後の可視化指標の開発に向けた基盤を構築した。次年度以降は、全国規模のアンケートおよびインタビュー調査により、連携の実態や課題、ニーズをより詳細に明らかにするとともに、最終的な指標の妥当性検証とガイドライン化に向けた検討を進めていく予定である。
公開日・更新日
公開日
2025-06-12
更新日
-