文献情報
文献番号
201005006A
報告書区分
総括
研究課題名
国際医療交流(外国人患者の受入れ)への対応に関する研究
課題番号
H22-特別・指定-008
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
遠藤 弘良(東京女子医科大学 国際環境・熱帯医学講座)
研究分担者(所属機関)
- 金谷 泰宏(国立保健医療科学院政策科学部)
- 齋藤 剛(財団法人日本医療機能評価機構評価事業部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
7,200,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
政府の新成長戦略行程表では平成23年度から「外国人患者受入れ推進体制(プロモーション活動を含む。)の整備」や「外国人患者受入れに資する医療機関認証制度の整備」を行うこととなっており、その政策遂行に必要な基礎資料を得ること。
研究方法
日本の医療の強みは難治性疾患克服研究事業の研究者に対するアンケート,国際的動向は中国・韓国の関係者にインタービュー、タイ、シンガポールの医療機関を訪問調査を行った。JCIの認証と日本の病院機能評価との比較は米国JCIの評価項目、審査方法を調査し、比較した。実態調査は(財)日本医療機能評価機構の「一般」認定病院と人間ドック学会の機能評価認定施設を対象とした。外国人患者を受入れる医療機関の機能と要件はJCIの認証制度と実態調査結果をもとに検討した。受入れの問題点については文献と国際会議参加により国際的動向を調査し、日本で外国人患者の受入れに先駆的な医療機関を訪問調査をした。
結果と考察
①日本の強みとして内視鏡技術、幹細胞による再生医療技術、歯科材料、補綴治療を上げることができる。②Medical Tourism は概念や背景は多様であり国際医療交流はその国の医療制度、政治的・社会文化的背景をもとに進められ、日本では現行の医療制度を踏まえた視点からの推進が必要である。③JCIと日本医療機能評価機構の病院機能評価の評価項目の構成と審査する範囲は大きな差はなく、審査手法と認定後に要求される努力に差があった。④2009年度に国際医療交流の実績のある病院は2.9%、人間ドック実施施設は1.8%、国際医療交流を実施又は予定と回答した病院は8.6%、人間ドック実施施設は10.4%であった。国際医療交流の認証制度が創設された場合に取得する意向を示した病院は3.4%、人間ドック実施施設は5.7%だった。⑤外国人に医療を提供するために整備すべき機能として方針と事業計画、担当者の配置、職員教育などサービス提供体制の確保等の必要な機能を抽出した。⑥外国人の訪日受診に対応する医療機関のためのマニュアル案をまとめた。
結論
Medical Tourism はその概念や背景は多様であり国際医療交流はその国の医療制度、政治的・社会文化的背景をもとに進められており、日本においては現行の医療制度を踏まえた視点からの推進が必要である。外国人患者受入れに資する医療機関の認証制度を創設する場合、日本の病院の外国人患者受け入れ能力を向上させるための認証制度を創設しできるだけ多くの病院を認証することなどの選択肢がある。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-