文献情報
文献番号
201005003A
報告書区分
総括
研究課題名
対面による通常の保健指導と比較した遠隔保健指導の評価
課題番号
H22-特別・指定-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
藤井 仁(国立保健医療科学院 人材育成部)
研究分担者(所属機関)
- 横山 徹爾(国立保健医療科学院 人材育成部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 厚生労働科学特別研究
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
TV電話等を用いた遠隔保健指導が、通常の対面での保健指導と比較して非劣性であるといえるかを検証する。
研究方法
研究協力地域の動機づけ支援対象者の中から被験者を募り、無作為化比較試験を実施した。
被験者は遠隔保健指導または対面保健指導に無作為に割り振られ、積極的支援相当の180ポイント分-面接による指導に換算して、20分×3回程度の保健指導を3か月の間に受けた。
主たる評価項目を体重の減少率として結果を比較し、遠隔保健指導が対面保健指導と比して劣っていないかどうかを検証した。主たる評価項目は、保健指導開始時から3ヶ月後の体重減少率である。副次的な評価項目として、腹囲減少量、保健指導のコスト(主に時間、必要人員、費用)、満足度、ユーザビリティ等を取り上げる。
本試験では、被験者が遠隔保健指導を受けているのか、対面保健指導を受けているのかは自明であり、盲検化はできない。よって、非盲検多施設共同無作為化比較試験となる。
本試験における非劣性マージンは2割、検定力は0.8とし、その設定から求めた必要サンプル数は約150人である。
被験者は遠隔保健指導または対面保健指導に無作為に割り振られ、積極的支援相当の180ポイント分-面接による指導に換算して、20分×3回程度の保健指導を3か月の間に受けた。
主たる評価項目を体重の減少率として結果を比較し、遠隔保健指導が対面保健指導と比して劣っていないかどうかを検証した。主たる評価項目は、保健指導開始時から3ヶ月後の体重減少率である。副次的な評価項目として、腹囲減少量、保健指導のコスト(主に時間、必要人員、費用)、満足度、ユーザビリティ等を取り上げる。
本試験では、被験者が遠隔保健指導を受けているのか、対面保健指導を受けているのかは自明であり、盲検化はできない。よって、非盲検多施設共同無作為化比較試験となる。
本試験における非劣性マージンは2割、検定力は0.8とし、その設定から求めた必要サンプル数は約150人である。
結果と考察
総人口で170万人に達する広域に被験者を募ったが、必要サンプル数が確保できなかったため、平均値の標準誤差が大きく、主たる評価項目である体重の減少率で非劣性を主張できない結果となった。しかし、統計的に有意と言えないながらも、主たる評価項目である体重の減少率、副次的な評価項目である脱落率等のいずれについても、保健指導の方法によって大きな差は生じていない。満足度を問うアンケートにおいても、遠隔保健指導に対する否定的な回答は一切なかったことから、一定の水準の保健指導ができたと考えられる。今後、被験者を追加募集することによって、非劣性を主張できる可能性はある。
結論
遠隔保健指導の対面保健指導に対する非劣性は主張できなかったが、多くの評価項目やアンケート結果から、保健指導の一手段としての有効性が期待できる。
公開日・更新日
公開日
2011-05-31
更新日
-