様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究

文献情報

文献番号
202420007A
報告書区分
総括
研究課題名
様々な生活の場における肝炎ウイルス感染者の人権への望ましい配慮に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HC2004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
八橋 弘(独立行政法人国立病院機構長崎医療センター 臨床研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 四柳 宏(東京大学 医科学研究所 先端医療研究センター感染症分野)
  • 磯田 広史(佐賀大学医学部附属病院 肝疾患センター)
  • 是永 匡紹(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 肝炎・免疫研究センター 肝炎情報センター)
  • 米澤 敦子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
  • 中島 康之(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
  • 梁井 朱美(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
  • 及川 綾子(特定非営利活動法人東京肝臓友の会)
  • 浅井 文和(特定非営利活動法人日本医学ジャーナリスト協会)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
17,600,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究班では、肝炎ウイルス感染者への偏見や差別の解消のために、様々な場における人権尊重の推進方策やその有効性を検証する。特に、肝炎患者と関わることが多い医療機関等においての啓発や、肝炎患者等に対する適切な配慮について学ぶことができる資材について検討する。
研究方法
1. ウイルス肝炎の理解度クイズと偏見差別を防止するための事例/解説を内容とする研究班ホームページの充実をはかる。
2. 偏見差別の地域差を考慮した上での公開シンポジウムと肝炎授業をテーマとしたワークショップを実施する。
3. 医療従事者(非専門医/歯科医を含む)を対象として、ウイルス肝炎の認知度/理解度について調査をおこなう。
4. 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指した啓発教材(動画)を作成する。
結果と考察
1. 研究班HPは、研究班の紹介、偏見差別を防止するための事例集・解説集の紹介、ウイルス肝炎の感染経路や感染する確率についての理解度を自己学習するプログラム、交流広場、様々な情報提供する場、などを公開している。
 2021年8月2日~2025年3月31日のユーザー数は53714、表示回数は118349であった。検索クエリ閲覧数上位10件中、B型肝炎に関する内容が6件、C型肝炎に関する内容が4件であった。
2. 公開シンポジウムを8月に静岡県浜松市で、12月に愛媛県松山市で開催した。毎回30名近くの患者やその家族や市民や医療従事者が参加し、肝炎患者の偏見差別の問題についての問題提起、事例紹介、今後の課題などについて活発な意見交換をおこなった。参加者から寄せられた感想や意見は、ご本人の許可を得た上で匿名化し、研究班HPでも公開した。
 肝炎授業をテーマとしたワークショップを、2025年3月に東京で開催した。元学校教師、肝炎コーディネーター、患者会の方々が参加し、肝炎授業のあり方を中心として、以下のような議論をおこなった。
①肝炎授業の対象は中高生とする。②肝炎患者等の人権を尊重するためには、どのようにふるまうべきかを考え、学ぶことを目的とする。③限られた授業時間内で効果的に伝えることができる授業構成を考える。④授業のシラバスと教材を作成する。⑤授業のデモをおこないながら、検証を重ねることにより、肝炎授業のプロトタイプを作成する。
3. 2021年8月2日~2025年3月31日に、肝炎理解度クイズに回答した総数は2264件、うち属性も記入された件数は1538件であった。属性によって正解率にばらつきがみられ、統計学的に評価するため今後も継続的に評価をおこなう。
4. 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指し、高校生等の若年層への啓発の教材として、学校生活の場においてB型肝炎の感染性や感染症への差別偏見の問題を扱いながら、適切な対処の仕方を指導する内容の動画2作品を追加作成し、計4作品をYouTube上に公開した。新たに2作品の動画作成に取り組んだ。
結論
 肝炎ウイルス感染者への偏見や差別の解消のために、様々な場における人権尊重の推進方策やその有効性を検証する。特に、肝炎患者と関わることが多い医療機関等においての啓発や、肝炎患者等に対する適切な配慮について学ぶことができる資材について検討する。
 研究班HPの閲覧、アクセス状況は、2021年8月2日~2025年3月31日のユーザー数は53714、表示回数は118349であった。検索クエリ閲覧数上位10件中、B型肝炎に関する内容が6件、C型肝炎に関する内容が4件であった。
 公開シンポジウムを8月に静岡県浜松市で、12月に愛媛県松山市で開催した。参加者からは参加して良かったという感想が多く寄せられた。肝炎授業をテーマとしたワークショップを、2025年3月に東京で開催し、肝炎授業のあり方を中心とした議論をおこなった。
 2021年8月2日~2025年3月31日に、肝炎理解度クイズに回答した総数は2264件、うち属性も記入された件数は1538件であった。属性によって正解率にばらつきがみられた。
 学校や施設などでの偏見差別の解消や防止を目指した啓発教材(動画)を作成した。高校生等の若年層への啓発の教材として、学校生活の場においてB型肝炎の感染性や感染症への差別偏見の問題を扱いながら、適切な対処の仕方を指導する内容の動画2作品を追加作成し、計4作品をYouTube上に公開した。

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
202420007Z