肝がん・重度肝硬変の医療水準と患者のQOL向上等に資する研究

文献情報

文献番号
202420004A
報告書区分
総括
研究課題名
肝がん・重度肝硬変の医療水準と患者のQOL向上等に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HC2001
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
小池 和彦(東京大学 医学部附属病院)
研究分担者(所属機関)
  • 黒崎 雅之(武蔵野赤十字病院消化器科)
  • 考藤 達哉(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療研究所 肝炎・免疫研究センター)
  • 工藤 正俊(近畿大学 医学部 消化器内科)
  • 建石 良介(東京大学大学院医学系研究科 消化器内科)
  • 長谷川 潔(東京大学 医学部附属病院 肝胆膵外科、人工臓器・移植外科)
  • 江口 有一郎(医療法人ロコメディカル ロコメディカル総合研究所)
  • 吉治 仁志(奈良県立医科大学 消化器内科学講座)
  • 國土 典宏(国立健康危機管理研究機構)
  • 立森 久照(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所精神保健計画研究部)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 肝炎等克服政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
39,616,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
肝がん・重度肝硬変治療研究促進事業(以下本事業)の利用率を向上させる推進方策を検討・提示し、構築したデータから明らかになる医療ニーズ及びエビデンスを元に、肝がん・重度肝硬変患者への医療水準を高める方策について検証することを目的とする。
研究方法
(1) 本事業の普及を妨げている要因について対策を講じ、助成制度の利活用を促進する。
(2) National Clinical Database (NCD)上に構築した肝癌・非代償性肝硬変患者の複数回入院・治療を捕捉できるレジストリシステムを用いて、頻回の治療を要する肝細胞癌・肝硬変治療の実態を詳細に検討する、肝癌薬物療法の実態を明らかにする。
(3) 肝癌診療ガイドラインの改訂を進める。肝硬変診療ガイドラインのアンメットニーズについて検討する。
結果と考察
(1)全国肝疾患診療連携拠点病院(以下、拠点病院)、都道府県肝炎政策担当者、厚生労働省肝炎対策推進室(以下、肝炎室)と肝炎情報センターが開催する全国地域ブロック戦略会議(ハイブリッド開催)、肝炎情報センターが主催する拠点病院間連絡協議会(ハイブリッド開催)、肝疾患相談支援センター担当者向け研修会(ハイブリッド開催)等のチャンネルを通じて本事業の周知と効率よく対象者を登録するノウハウの普及を図った。2024年4月の対象者の拡大を伴う制度改正を反映して、登録者数の大幅な増加(前年度新規553件→701件/11ヶ月)を認めた。東京大学肝胆膵外科をモデルケースとして、外科症例における登録症例の増加のノウハウを共有した。(2) 肝癌・非代償性肝硬変の複数回入院・治療内容を収集した。2024年度の有効入力件数は、初回治療情報5,200件、入院情報13,306件であり、初年度(2018年度)から計7期の累計で初回治療情報45,122人、入院情報93,042件分の登録を得た。初発肝細胞癌のうち、肝切除またはラジオ波を含む局所療法の対象として生存解析を行い、背景肝疾患で予後に差がないことを見いだした。薬物療法のシークエンスに関する5000例を越えるデータを収集し、一次治療と二次治療の奏効率の間に作用機序に基づく交差耐性が存在する可能性を見いだした。(3)肝癌診療ガイドラインの改訂作業を進め、エビデンスの収集と整理を行った。非代償性肝硬変の合併症の病態解明やQOL向上に関するエビデンス構築を目的とした多施設共同研究を遂行した。
結論
本事業は、様々なチャンネルを通じた広報活動により、認知率が向上しており、制度改正による対象者拡大によって利用者数の増加も認められる。肝癌・非代償性肝硬変レジストリは、確実に登録症例数が増加しており、肝癌・肝硬変診療の医療水準と患者のQOL向上に資するエビデンスが創出されている。

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-

収支報告書

文献番号
202420004Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
51,500,000円
(2)補助金確定額
51,500,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,845,304円
人件費・謝金 22,030,648円
旅費 5,188,228円
その他 11,149,639円
間接経費 11,884,000円
合計 52,097,819円

備考

備考
補助金確定額と合計に差異がある場合の理由
合計金額の597,819円が自己負担金となったため。

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-