文献情報
文献番号
202419023A
報告書区分
総括
研究課題名
非加熱血液凝固因子製剤によるHIV感染血友病等患者の長期療養体制の構築に関する患者参加型研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24HB2004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
藤谷 順子(国立研究開発法人国立国際医療研究センター リハビリテーション科)
研究分担者(所属機関)
- 上村 悠(国立国際医療研究センター ACC)
- 遠藤 知之(北海道大学病院 感染制御部)
- 南 留美(独立行政法人国立病院機構九州医療センター臨床研究センター)
- 大金 美和(国立研究開発法人国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
- 三上 幸夫(広島大学病院 リハビリテーション科)
- 上野 竜一(東京医科大学病院 リハビリテーションセンター)
- 木村 聡太(国立研究開発法人 国立国際医療研究センター エイズ治療・研究開発センター)
- 高鍋 雄亮(国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 歯科・口腔外科)
- 柿沼 章子(社会福祉法人はばたき福祉事業団)
- 長江 千愛(聖マリアンナ医科大学 小児科)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
54,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究の目的は、非加熱血液製剤によるHIV感染血友病等患者の長期療養上の問題点の実態を多くの側面から調査し実証研究として支援するとともに、適切な医療・ケア・支援を長期に渡り地域格差なく提供できる体制の構築に貢献する事である。サブテーマとして1.診療連携の構築と受療支援2.運動機能低下対策3.神経認知障害・心理4.歯科口腔ケア5.生活支援6. QOLを設定。
研究方法
サブテーマを5課題設定した研究。
結果と考察
サブテーマ1:上村:診療チェックシート更新のための情報収集を行った。南:「HIVサポーター連携カンファレンス」をハイブリッドで開催することにより、地域支援者と拠点病院および支援者同士の連携強化に繋がった。「ヒアリング」は中立的な立場で民間の調査研究機関に委託したことにより、施設側からの率直な意見を得ることが出来た。また今年度初めて開催した「ネットワーク会議」でも、関係諸機関から独自の視点に基づく意見を頂いた。
大金:一般高齢者では生活圏の地域包括ケアシステムの中で30分以内に医療や福祉を整え負担を軽減する療養環境が整えられている一方で、薬害HIV感染血友病患者の場合には、生活圏外の専門医療機関を受診し、高齢、ADL低下に伴う通院負担が生じていた。地元の医療機関を定期通院しながらもACCに求める支援は安心安全の医療継続へのつなぎを担うことであった。面談手段は個人の事情に応じて選択できることが望ましいことがわかった。サブテーマ2:藤谷:全国5か所のリハ検診会参加者は102名であり、運動指導、装具紹介、情報提供を行った。運動指導動画付きの運動冊子を作成し配布した。運動機能と長期療養をテーマとしたハイブリットの勉強会をNCGM、新潟、高崎で行った。三上:2015年1月から2024年6月で血友病性膝関節症に対して6例9膝でTKAが実施された。 全例血友病Aで周術期に凝固因子補充を行った。上野:2012年から2021年まで、東京医大病院リハビリテーションセンターを受診した血友病患者は189例、そのうち足関節X-P施行例は168例であった。サブテーマ3:木村:「支援者支援」と検索すると医中誌Webにおいて138件の論文(解説・総説含む)が抽出され,2005年に初めて支援者支援の論文が医中誌Webに登録されてから2013年より増加傾向にあり2017年の23件を最多として近年も増加していた。
サブテーマ4:高鍋:本年はリハビリ検診会に初参加であったため、今後実施する調査や検査に関して情報収集を行った。リハビリ検診会の実施状況や方法に関しての実地確認を行った。また、患者と面談し、口腔内環境や歯科受診に関する状況や困り事等に関して聴取を行った。その情報を元に、今後実施する調査や検査に関して考察し、研究計画の立案を行った。サブテーマ5:柿沼:手法a)対面による聞き取り調査を実施した。手法b) 地域の訪問看護師が月1回継続的に健康訪問相談を行った。訪問看護師が体重減少に気付き、筋肉をつけるために訪問リハビリを導入した。手法c) 患者自身が健康状態と生活状況を入力し自己管理を行い、その入力内容をもとに相談員が対応した。手法d) リハ科スタッフによる関節可動域や運動機能の測定・評価する検診を、北海道、東北、東京、東海、九州の5地区で実施し、参加者は102名と昨年に続き100名を超えた。手法e)ACC近隣に転居してきた独居の被害者2名に対し、転居前後の健康状態、家計の状況等を把握し、必要なサービス等を評価した。手法f)被害者が生きがいを持って生きていくために、在宅就労支援により就労を実現し、社会とのつながりを持つことができるような支援を4名に行った。
サブテーマ6:長江:これまでのアンケート結果を踏まえ、EQ5DとHAEMO-A-QOLでQOLを評価し、さらにShared Decision Making(SDM)をテーマとしたアンケート調査を行うべく準備を進めた。
大金:一般高齢者では生活圏の地域包括ケアシステムの中で30分以内に医療や福祉を整え負担を軽減する療養環境が整えられている一方で、薬害HIV感染血友病患者の場合には、生活圏外の専門医療機関を受診し、高齢、ADL低下に伴う通院負担が生じていた。地元の医療機関を定期通院しながらもACCに求める支援は安心安全の医療継続へのつなぎを担うことであった。面談手段は個人の事情に応じて選択できることが望ましいことがわかった。サブテーマ2:藤谷:全国5か所のリハ検診会参加者は102名であり、運動指導、装具紹介、情報提供を行った。運動指導動画付きの運動冊子を作成し配布した。運動機能と長期療養をテーマとしたハイブリットの勉強会をNCGM、新潟、高崎で行った。三上:2015年1月から2024年6月で血友病性膝関節症に対して6例9膝でTKAが実施された。 全例血友病Aで周術期に凝固因子補充を行った。上野:2012年から2021年まで、東京医大病院リハビリテーションセンターを受診した血友病患者は189例、そのうち足関節X-P施行例は168例であった。サブテーマ3:木村:「支援者支援」と検索すると医中誌Webにおいて138件の論文(解説・総説含む)が抽出され,2005年に初めて支援者支援の論文が医中誌Webに登録されてから2013年より増加傾向にあり2017年の23件を最多として近年も増加していた。
サブテーマ4:高鍋:本年はリハビリ検診会に初参加であったため、今後実施する調査や検査に関して情報収集を行った。リハビリ検診会の実施状況や方法に関しての実地確認を行った。また、患者と面談し、口腔内環境や歯科受診に関する状況や困り事等に関して聴取を行った。その情報を元に、今後実施する調査や検査に関して考察し、研究計画の立案を行った。サブテーマ5:柿沼:手法a)対面による聞き取り調査を実施した。手法b) 地域の訪問看護師が月1回継続的に健康訪問相談を行った。訪問看護師が体重減少に気付き、筋肉をつけるために訪問リハビリを導入した。手法c) 患者自身が健康状態と生活状況を入力し自己管理を行い、その入力内容をもとに相談員が対応した。手法d) リハ科スタッフによる関節可動域や運動機能の測定・評価する検診を、北海道、東北、東京、東海、九州の5地区で実施し、参加者は102名と昨年に続き100名を超えた。手法e)ACC近隣に転居してきた独居の被害者2名に対し、転居前後の健康状態、家計の状況等を把握し、必要なサービス等を評価した。手法f)被害者が生きがいを持って生きていくために、在宅就労支援により就労を実現し、社会とのつながりを持つことができるような支援を4名に行った。
サブテーマ6:長江:これまでのアンケート結果を踏まえ、EQ5DとHAEMO-A-QOLでQOLを評価し、さらにShared Decision Making(SDM)をテーマとしたアンケート調査を行うべく準備を進めた。
結論
本研究は、HIV感染血友病患者の長期療養支援において、診療、運動機能評価、生活支援、支援者支援、QOL評価の多岐にわたる分野で重要な成果を挙げた。特に、診療チェックシートの改訂、リハビリ検診の普及、訪問看護師によるアウトリーチ活動の意義が明確となった。これらの知見は、患者個々のニーズに応じた医療・支援体制の構築を具体化するものであり、地域格差のない包括的な支援を実現するための基盤を提供するものである。SDMを活用した意思決定支援については、今後の調査や活用の展開が期待される。今後は、これらの成果を基に、さらなる支援体制の普及と発展を目指し、患者と支援者双方にとって持続可能で実効性の高いモデルを構築することが求められる。
公開日・更新日
公開日
2025-12-09
更新日
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