文献情報
文献番号
202419015A
報告書区分
総括
研究課題名
ブロック拠点病院のない四国地域の中核拠点病院の機能評価と介護療養体制整備
研究課題名(英字)
-
課題番号
24HB1003
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
末盛 浩一郎(国立大学法人 愛媛大学 大学院医学系研究科)
研究分担者(所属機関)
- 高田 清式(国立大学法人 愛媛大学 医学部附属病院)
- 山之内 純(愛媛大学 医学部附属病院輸血・細胞治療部)
- 木原 久文(愛媛大学 医学部)
- 武内 世生(高知大学 医学部附属病院 総合診療部)
- 内田 俊平(香川大学 医学部附属病院 輸血部)
- 尾崎 修治(徳島県立中央病院 血液内科)
- 三木 浩和(徳島大学病院 輸血・細胞治療部)
- 乗松 真大(愛媛大学医学部附属病院 薬剤部)
- 若松 綾(愛媛大学医学部附属病院 看護部)
- 中村 美保(高知大学医学部附属病院)
- 池田 聖(愛媛大学医学部附属病院 総合診療サポートセンター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 エイズ対策政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和8(2026)年度
研究費
9,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
四国地域にはブロック拠点病院が存在しないものの、HIV患者数は増加傾向にあり、全国で最も高齢化が進んでいる地域の一つであることから、HIV患者の高齢化も顕著に進行している。今後、HIV患者に対する介護および療養体制の整備は喫緊の課題であるが、現状では中核拠点病院への患者の集中が見られ、各県内のエイズ拠点病院における機能および介護・療養体制は必ずしも十分とは言えない。
本研究では、先行研究を基盤とし、四国地域の中核拠点病院の機能評価に加え、高齢者施設・福祉施設での介護も重点とし整備・発展させる計画である。各県の研究分担者と連携し、四国全体の HIV/エイズ診療体制の充実・発展に努めることを、主たる目的としたい。
本研究では、先行研究を基盤とし、四国地域の中核拠点病院の機能評価に加え、高齢者施設・福祉施設での介護も重点とし整備・発展させる計画である。各県の研究分担者と連携し、四国全体の HIV/エイズ診療体制の充実・発展に努めることを、主たる目的としたい。
研究方法
【研究1】拠点病院を中心とした教育講演の実施、意見交換の場の設置、ならびに研修教材の作製
【研究2】高齢者施設および福祉療養施設における研修会の開催、出張研修の実施、並びに意見交換
【研究3】地域において実践的に活用可能なポケット版小冊子の作製
【研究4】在宅介護職員を対象とした実地研修の実施、
【研究5】拠点病院、高齢者施設、福祉施設におけるHIV診療および受け入れ体制の実態調査
【研究2】高齢者施設および福祉療養施設における研修会の開催、出張研修の実施、並びに意見交換
【研究3】地域において実践的に活用可能なポケット版小冊子の作製
【研究4】在宅介護職員を対象とした実地研修の実施、
【研究5】拠点病院、高齢者施設、福祉施設におけるHIV診療および受け入れ体制の実態調査
結果と考察
【研究1】四国地域における各拠点病院のHIVに関する啓発および連携体制の構築を目的として、各県の行政機関の協力のもと、HIV診療ネットワーク会議(行政担当者、拠点病院、診療協力病院が参加)および講演会が開催された。また、情報収集を目的とした意見交換も行われた。会議において作成された資料は、参加者に配布された。さらに、愛媛県および高知県においては、歯科医師および歯科衛生士を対象とした講演会が開催され、あわせて啓発資料が作成・配布された。
四国内の中核拠点病院における意見交換および連携強化を目的として、令和7年2月1日および2日の両日に、HIV診療に関与するすべての医療従事者を対象とした「四国地方のHIV診療・連携の向上を目指した研修会」が愛媛県松山市において開催された。本研修会には計28名が参加し、参加職種は医師、看護師、薬剤師、公認心理師、社会福祉士、臨床検査技師、管理栄養士であった。研修内容は、講演2題、活動報告1題、症例・課題検討4題、ならびに国際学会参加報告1題で構成された。研修会終了後にはアンケート調査を実施し、また講演資料を作成の上、全参加者に配布した。
【研究2】愛媛県と高知県において高齢者・福祉療養施設・就労施設・訪問看護ステーションに対し、計9回出張研修を実施した。出張研修後に意見交換を行い、以後も問題などある場合は連絡頂き、連携を継続している。
保健所にて中学・高校・大学の保健指導関係者、新聞・放送関係者を対象に講演を行った。なお講演内容は配布し、高齢者・福祉療養施設を含む地域における多職種連携の重要性について強調し、その普及に努めた。愛媛県では12月1日の世界エイズデーに合わせて、地方局のラジオ番組にも出演し、HIV感染症に関する最新情報や予防意識の向上を目的とした啓発活動を行った。
【研究3】これまで先行研究で作成してきたポケット版介護マニュアルについては、配布を継続しながら、配布先での利用者および分担研究者から寄せられた意見を参考に、内容の改訂を行った。改訂されたマニュアルには、HIVの基礎知識、感染予防対策、療養環境の整備、HIV感染者への対応(特にU=Uに関する情報提供)、および相談時の窓口に関する情報が盛り込まれている。内容は、専門的知識のない介護・福祉関係者にも理解しやすいよう、平易かつ実用的な表現に配慮して構成されている。また、冊子は縦18cm×横10cmの三つ折りポケットサイズとし、現場での携帯性や利便性を考慮した仕様とした。
【研究4】愛媛県と高知県において6回にわたり県内の在宅介護職(看護師、理学療法士、作業療法士)を対象に実地研修を実施した。
【研究5】「四国地方におけるエイズ中核拠点病院のHIV患者レジストリー研究」が構築され、現在、データの収集および解析が進行中である。
これらの取組を通じて、四国地域における中核拠点病院の機能が再評価されるとともに、介護療養体制整備の改善にも寄与する結果が得られた。また、本研究で得られた知見は「地方モデル」として全国への波及が期待され、高齢化が進行する日本全体に対する有効な対応策の一助となる可能性が示唆される。
四国内の中核拠点病院における意見交換および連携強化を目的として、令和7年2月1日および2日の両日に、HIV診療に関与するすべての医療従事者を対象とした「四国地方のHIV診療・連携の向上を目指した研修会」が愛媛県松山市において開催された。本研修会には計28名が参加し、参加職種は医師、看護師、薬剤師、公認心理師、社会福祉士、臨床検査技師、管理栄養士であった。研修内容は、講演2題、活動報告1題、症例・課題検討4題、ならびに国際学会参加報告1題で構成された。研修会終了後にはアンケート調査を実施し、また講演資料を作成の上、全参加者に配布した。
【研究2】愛媛県と高知県において高齢者・福祉療養施設・就労施設・訪問看護ステーションに対し、計9回出張研修を実施した。出張研修後に意見交換を行い、以後も問題などある場合は連絡頂き、連携を継続している。
保健所にて中学・高校・大学の保健指導関係者、新聞・放送関係者を対象に講演を行った。なお講演内容は配布し、高齢者・福祉療養施設を含む地域における多職種連携の重要性について強調し、その普及に努めた。愛媛県では12月1日の世界エイズデーに合わせて、地方局のラジオ番組にも出演し、HIV感染症に関する最新情報や予防意識の向上を目的とした啓発活動を行った。
【研究3】これまで先行研究で作成してきたポケット版介護マニュアルについては、配布を継続しながら、配布先での利用者および分担研究者から寄せられた意見を参考に、内容の改訂を行った。改訂されたマニュアルには、HIVの基礎知識、感染予防対策、療養環境の整備、HIV感染者への対応(特にU=Uに関する情報提供)、および相談時の窓口に関する情報が盛り込まれている。内容は、専門的知識のない介護・福祉関係者にも理解しやすいよう、平易かつ実用的な表現に配慮して構成されている。また、冊子は縦18cm×横10cmの三つ折りポケットサイズとし、現場での携帯性や利便性を考慮した仕様とした。
【研究4】愛媛県と高知県において6回にわたり県内の在宅介護職(看護師、理学療法士、作業療法士)を対象に実地研修を実施した。
【研究5】「四国地方におけるエイズ中核拠点病院のHIV患者レジストリー研究」が構築され、現在、データの収集および解析が進行中である。
これらの取組を通じて、四国地域における中核拠点病院の機能が再評価されるとともに、介護療養体制整備の改善にも寄与する結果が得られた。また、本研究で得られた知見は「地方モデル」として全国への波及が期待され、高齢化が進行する日本全体に対する有効な対応策の一助となる可能性が示唆される。
結論
本研究では四国地域の全中核拠点病院の機能評価から介護療養体制の構築までを視野に入れ、医療・福祉施設間の連携強化や出張講義、啓発資料・ポケット版小冊子の配布、患者レジストリーの構築など、多角的な取り組みを実施している。今後、全国的に高齢化が一層進行することを見据え、地方モデルとしての役割を果たすべく、引き続き研究を継続し、体制のさらなる向上に努めたい。
公開日・更新日
公開日
2026-10-20
更新日
-