OLAP(多次元データベース)による医療統計の公表手法開発に関する研究

文献情報

文献番号
201002006A
報告書区分
総括
研究課題名
OLAP(多次元データベース)による医療統計の公表手法開発に関する研究
課題番号
H22-統計・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
岡本 悦司(国立保健医療科学院 経営科学部)
研究分担者(所属機関)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
1,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
あらゆる統計表はタテヨコ軸のクロス表形式であるが,厖大な統計表を,経年的,傷病別,性・年齢階級別等に迅速に集計する方法としてOLAP(多次元データベース)あるいはデータウェアハウスと呼ばれる技術が近年発展してきた。データベースは特定の個人を検索するものであるが,データウェアハウスとは,個人のデータではなくあくまで集計データを迅速かつ簡易にクロス表として表示させるものであり,企業経営等に盛んに活用されているのでビジネスインテリジェンス(BI)とも呼ばれたりする。
医療統計もまさにOLAPのよい適用と考えられ,OLAP化することによって現行のe-STATもいっそう使いやすいものとなることが期待される。
研究方法
将来的なe-STATのOLAP化を目標としつつ,初年度においては,医療統計の代表である社会医療診療行為別調査の統計表を傷病分類がICD10になった1995年より最新の2009年までの15年間分の統計表をOLAP化して統合することを試みた。
結果と考察
15年間分の医科4,5表はそれぞれ約23万行のキューブに加工された。それをSQL Server 2008分析サービスにとりくんでOLAP化した。下は年齢階級X年次の入院外の投薬点数を示したものであり,年齢階級は10歳刻みで示してあるが,その中の60台はさらに60?64歳と65?69歳の5歳階級にドリルダウンされている。
このように,15年間の全年度にわたって,必要なディメンジョン(年齢階級,診療行為,傷病分類)に応じた,年齢階級別の点数や日数といったメジャーを表示させ,さらに年齢階級を5歳から10歳へと自由にドリルアップ・ダウンが可能となった。
結論
社会医療診療行為別調査のような,診療行為,年齢階級そして傷病分類といった多用な次元を含む医療統計を使いやすく公表する手法として,従来の統計表のみの公表に加えて,それをOLAPに加工したかたちでのネット上での提供方法はユーザーにとってきわめて使いやすいものにすることが期待できる。しかしそのためには,公表する統計表の粒度の細分化等,現在の統計表だけでは不十分な面もあることが明らかとなった。初年度においては2種類の統計表をそれぞれ別のOLAP化することを行ったが,次年度においては,統計法に基づく申請も行い,細かい粒度による社会医療診療行為別調査全体の一つのOLAP化を試みる。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201002006Z