厚生労働統計データを利用した総保健医療支出(OECD準拠のSystem of Health Account2.0)の推計方法の開発および厚生労働統計との二次利用推進に関する研究

文献情報

文献番号
201002003A
報告書区分
総括
研究課題名
厚生労働統計データを利用した総保健医療支出(OECD準拠のSystem of Health Account2.0)の推計方法の開発および厚生労働統計との二次利用推進に関する研究
課題番号
H22-統計・一般-001
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
満武 巨裕(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構)
研究分担者(所属機関)
  • 田中 滋(慶應義塾大学大学院経営管理研究科)
  • 福田 敬(東京大学大学院医学系研究科公共健康医学専攻)
  • 佐野 洋史(財団法人医療経済研究・社会保険福祉協会 医療経済研究機構 )
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(統計情報総合研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
2,400,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
SHA2.0に準拠するための推計方法の開発と推計
研究方法
2010年時点で提案されているSHA2.0(暫定版)に基づき、新定義、SHA1.0からSHA2.0との相違点、データソース、推計方法等の検討を行った。具体的には機能別分類(HC)、供給主体分類(HP)について検討した。次に、機能別分類(HC)の中で変更が予定されているLTC(長期療養)、予防について検討した。さらに、日本の保健医療支出の精度向上と利用促進のために、データソース(統計資料)の再精査、定義変更(含.廃止)への対応、新たなデータソースの組み込み、推計方法の開発も検討した。
結果と考察
 SHA2.0の改訂に伴い、定義の改訂、分類の変更等があり、HC.3とHC.6の変更による総保健医療支出の増加が予想される。供給主体別分類 (HP)には分類上の変更はあったものの、定義上の変更はない。LTC(長期療養)は、定義の変更により、日本の総保健医療支出はSHA1.0準拠のものに比べ増加するため、推計手法の変更について、国内の関係者およびHealth Dataのユーザへの説明を行い、変更内容について周知する必要があると考えられる。予防は、SHA2.0(暫定版)では、HC.6は1兆1,620億8,376万円となった。一方、SHA1.0では、HC.6の総額が1兆78億9,200万円であったので、約1.15倍となった。「中小企業基本実態調査」の目的外使用申請を行い、個票を入手することで、産業小分類レベルで各項目に該当する流通マージンの精度向上を検証したが、総保健医療支出(40兆9501億円)の0.34%に相当し、全体に及ぼす影響は小さかった。これまで推計対象に含まれなかった1)選定療養・評価療養のうち入院時の差額室料、2)高度先進医療を含む先進医療の費用、および3)歯科の自由診療に係る費用について、利用可能なデータの範囲で推計を行い、新たに総保健医療支出に計上を試みたところ、1)は約1,709億円、2)は約49億円、3)は約461億円の増加となった。
結論
 SHAは、OECD加盟国のみならず、今後発展途上国も含めた多くの国で国際比較が可能となる総保健医療支出を推計する際の指針となる重要なマニュアルである。SHA2.0の改訂に伴い、定義の改訂、分類の変更等があり、日本ではHC.3とHC.6の変更による総保健医療支出の増加が予想される。
 今後も、SHA2.0に準拠するための定義や推計方法の検討を行い、OECD事務局(専門官)、厚生労働省関連部局、学識有識者で構成される委員会で検討を重ねていく。

公開日・更新日

公開日
2011-09-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
201002003Z