文献情報
文献番号
202418028A
報告書区分
総括
研究課題名
HPVワクチンなどのワクチン接種後に生じる種々の症状についての調査とその対応方法に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23HA2008
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
西原 真理(愛知医科大学 医学部)
研究分担者(所属機関)
- 渡利 英道(北海道大学 医学部)
- 矢吹 省司(福島県立医科大学 保健科学部)
- 井関 雅子(順天堂大学医学部 麻酔科学ペインクリニック講座)
- 北原 雅樹(横浜市立大学附属市民総合医療センター・ペインクリニック内科)
- 木村 慎二(新潟大学医歯学総合病院 総合リハビリテーションセンター)
- 川口 善治(富山大学医学部整形外科)
- 牛田 享宏(愛知医科大学 医学部)
- 天谷 文昌(京都府立医科大学 大学院医学研究科)
- 鈴木 富雄(大阪医科薬科大学 総合診療医学)
- 小川 千加子(岡山大学 医歯薬学域)
- 山岸 由佳(高知大学 教育研究部医療学系臨床医学部門)
- 山浦 健(九州大学 大学院医学研究院外科学講座麻酔・蘇生学分野)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 新興・再興感染症及び予防接種政策推進研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
3,900,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本邦においてHPVワクチンは、平成22年度から接種が開始された。しかし、接種してから多様な症状を呈する症例が報告され、平成25年6月から積極的な勧奨が差し控えられた。その症状としては広範囲の疼痛や、全身の脱力、失神など一様ではなく、その経過や治療法についても様々であり確定的な見解はない。また、このような経過の中でWHOは予防接種に関連する有害事象について2020年にImmunization Stress-Related Response(ISRR)という概念を提唱したが、日本においてまだその理解が一般的に広がっているとはいえない。
令和3年には厚生科学審議会副反応検討部会・安全対策調査会合同会議において積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることとなり、令和4年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨が行われている。更に令和5年4月から9価HPVワクチンの定期接種が開始されており、早急にHPVワクチン接種後に生じた症状への対応を強化していくことが急務とされている。このため全国に協力医療機関が設定され、その支援も充実が図られている。更に、その相談支援、医療体制強化の目的で令和4年から協力医療機関の中から、地域ブロック毎に拠点病院が設置された。現在は定期的な全国的な会議が開催され、拠点病院の連携を深めているところである。
さて、支援体制の強化と共に必要なのが安全性評価であるが、すでに協力医療機関を受診したHPVワクチン接種後に症状を呈した患者のサーベイランス調査が令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金「HPVワクチンの安全性に関する研究」において行われている。しかし、更に付加的な情報として以前行われていた臨床像の調査情報などが必要だと考えられる。そこで本研究ではHPVワクチン接種後の症状について、①ISRRを中心として拠点病院を受診した患者の臨床データを収集できるシステム作り、②過去に良くなった症例の調査、またそれらのデータに基づいて、現在用いられている③「HPVワクチン接種後に生じた症状に関する診療マニュアル」のブラッシュアップを具体的な研究目的とする。
令和3年には厚生科学審議会副反応検討部会・安全対策調査会合同会議において積極的勧奨を差し控えている状態を終了させることとなり、令和4年4月から、他の定期接種と同様に、個別の勧奨が行われている。更に令和5年4月から9価HPVワクチンの定期接種が開始されており、早急にHPVワクチン接種後に生じた症状への対応を強化していくことが急務とされている。このため全国に協力医療機関が設定され、その支援も充実が図られている。更に、その相談支援、医療体制強化の目的で令和4年から協力医療機関の中から、地域ブロック毎に拠点病院が設置された。現在は定期的な全国的な会議が開催され、拠点病院の連携を深めているところである。
さて、支援体制の強化と共に必要なのが安全性評価であるが、すでに協力医療機関を受診したHPVワクチン接種後に症状を呈した患者のサーベイランス調査が令和4年度厚生労働行政推進調査事業費補助金「HPVワクチンの安全性に関する研究」において行われている。しかし、更に付加的な情報として以前行われていた臨床像の調査情報などが必要だと考えられる。そこで本研究ではHPVワクチン接種後の症状について、①ISRRを中心として拠点病院を受診した患者の臨床データを収集できるシステム作り、②過去に良くなった症例の調査、またそれらのデータに基づいて、現在用いられている③「HPVワクチン接種後に生じた症状に関する診療マニュアル」のブラッシュアップを具体的な研究目的とする。
研究方法
研究の中心となるブロック拠点事業については前述してたように現在も定期的に会議が実施されている。当研究は継続的にブロック拠点病院を受診した患者についての情報を収集している。現在は追加調査項目を含め、2023年4月から2024年3月に収集したデータを解析したところである。さらに2024年4月から2025年3月までの情報収集を継続し、その分析を行っている。
結果と考察
1)「HPVワクチン接種後に症状を呈した患者のサーベイランス」との連携:情報の一部を共有できるよう連携を強めた
2)HPVワクチン接種後に見られた症状を呈した患者の支援と情報収集
拠点病院を受診した患者についての臨床症状調査を行っている
1.調査項目の検討
研究代表者が現在用いられている問診チェックシートを中心に再構成し、分担者と共に検討しその内容を吟味した。特にISRRに注意して項目を整理した。ただ、断片的な情報だけではなく、患者の臨床像にも言及してもらうように配慮した。
2.患者調査
ブロック拠点病院において協力医療機関から紹介された患者、また直接受診した患者についての情報を収集した。2023年4月から2024年3月までの受診患者数は44人であり、接種時に疼痛など何らかの症状が見られたものは26人であり、最も多い症状は痛覚及び感覚の障害であり、25人であった。また他覚所見又は検査異常が確認されたのは17人であり、治療としては、薬物療法、認知行動療法アプローチ、運動療法がなされていた。今回の調査範囲ではあるが、35人に症状の消失や改善を認めた。更に2024年4月から2025年3月までのデータも収集している。他覚所見などが確認されることもあり検査などで一定のチェックを行う必要があると考えられ、また治療効果が得られるものも多かった。データの数についてはデータ解析が終了していない為、変更の可能性がある。
2)HPVワクチン接種後に見られた症状を呈した患者の支援と情報収集
拠点病院を受診した患者についての臨床症状調査を行っている
1.調査項目の検討
研究代表者が現在用いられている問診チェックシートを中心に再構成し、分担者と共に検討しその内容を吟味した。特にISRRに注意して項目を整理した。ただ、断片的な情報だけではなく、患者の臨床像にも言及してもらうように配慮した。
2.患者調査
ブロック拠点病院において協力医療機関から紹介された患者、また直接受診した患者についての情報を収集した。2023年4月から2024年3月までの受診患者数は44人であり、接種時に疼痛など何らかの症状が見られたものは26人であり、最も多い症状は痛覚及び感覚の障害であり、25人であった。また他覚所見又は検査異常が確認されたのは17人であり、治療としては、薬物療法、認知行動療法アプローチ、運動療法がなされていた。今回の調査範囲ではあるが、35人に症状の消失や改善を認めた。更に2024年4月から2025年3月までのデータも収集している。他覚所見などが確認されることもあり検査などで一定のチェックを行う必要があると考えられ、また治療効果が得られるものも多かった。データの数についてはデータ解析が終了していない為、変更の可能性がある。
結論
接種後に症状が出現するとどのような問題が発生しているのかについての調査は今後のHPVワクチン接種後に症状を呈した患者への対策方法についての重要な資料になる。このため、新しいHPVワクチン接種後に症状を呈した患者の情報収集の継続を丁寧に行い、更にデータを更新する。更にブロック拠点病院の会議において治療効果が得られにくい症例については取り上げつつその対応方法についても検討する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2026-03-02
更新日
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