地域における市民参加型認知症予防活動のための教育システムに関する研究

文献情報

文献番号
201001037A
報告書区分
総括
研究課題名
地域における市民参加型認知症予防活動のための教育システムに関する研究
課題番号
H22-政策・一般-019
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
渡邊 能行(京都府立医科大学大学院 医学系研究科地域保健医療疫学)
研究分担者(所属機関)
  • 石井 英子(椙山女学園大学 看護学部看護学科地域看護学)
  • 畑野 相子(滋賀県立大学 人間看護学部成熟看護学講座老年看護学)
  • 酒井 美子(群馬県立県民健康科学大学 看護学部看護学科思春期・青年期分野)
  • 栗山 長門(京都府立医科大学大学院 医学系研究科地域保健医療疫学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成24(2012)年度
研究費
5,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 地域に潜在している介護保険や医療保険の適用とならない、ごく軽度な認知症予備群を市民参加で早期発見・早期対応し、認知症の進行を予防するため、一般市民向けの教材とそれを用いたカリキュラムを開発し、その実効性について評価することが本研究の目的である。
研究方法
 CUDBAS(Curriculum Development Method Based on Ability Structure)に基づき、認知症予防活動に参画する市民に必要な知識・技術・技能を検討して初級レベルの教材を開発した。講習会プログラムは、パワーポイントスライドによる講義と実技の演習・実習で構成した。開発したプログラムを用いて、モデル地域の45人を対象に、1日5時間で3日間、合計15時間の教育カリキュラムとして試行した。受講者からの直接的評価、CUDBASによる技量評価設定評価水準の目安40項目を用いた受講者の到達度評価、受講者評価結果と講座状況を収録したDVDを参考に、担当講師からの評価を実施した。

結果と考察
 全過程出席の39人の受講者からの評価として、配布した教材自体については、70-90%強の参加者が、各講義・演習・実習の時間の長さは、80-90%強の参強の参加者が「わかりやすい」と回答していた。各講義・演習・実習の時間の長さは、80-90%強の参加者が「良い」と回答しており、一定の評価が得られた。また、統計学的に有意ではないが認知症予防に必要な知識・技術などを理解できる者の割合が受講後に増加するという成果が認められた。
作成した初級用教育カリキュラムは、受講者に概ね受け入れられるレベルのものであったが、作成担当講師が実際に講義してからの評価によって一部の教材の難易度が高く、基礎的な医療知識の教授の難しさがあった。更に、現時点で認知症予防の科学的根拠がまだ確立されていない中での認知症予防方法についての教授の位置づけが不十分であるという意見もあり、根拠に基づく医療(Evidence-based Medicine)の立場からの情報提供の必要性が課題として認められた。ただ、教授方法としての実習は座学でなく自ら体験できるものとして受講者の評価が高かった。
結論
 開発したカリキュラムは一定評価できるものであるが、今後更に改訂していく必要があると考える。

公開日・更新日

公開日
2011-06-02
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001037Z