文献情報
文献番号
201001031A
報告書区分
総括
研究課題名
日本の高齢者虐待早期発見・介入・防止システムにおける米国型法医学センターの応用モデル構築に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H22-政策・一般-013
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
塚田 典子(日本大学 大学院グローバル・ビジネス研究科)
研究分担者(所属機関)
- 多々良 紀夫(淑徳大学大学院総合福祉研究科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
1,580,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
米国でも比較的新しい高齢者虐待法医学センター(EAFC)の現地調査を行い、その全体像を把握する。そして、その現地調査を基に、EAFCのコンセプトの日本の高齢者虐待対応システムへの応用モデルを構築する。また、EAFCのコンセプトや実践例を、現場実践者や一般社会へ広く発信することを目的とした。
研究方法
米国の高齢者虐待法医学センター(EAFC)のコンセプトについて学び、米国カリフォルニア州にあるEAFCのケース会議に出席し、その役割と有用性を把握する。また、収集したデータを基に、米国のEAFCのコンセプトの日本の高齢者虐待対応システムへの応用モデルを考える。研究成果は、国際シンポジウムや、高齢者虐待防止対応の現場実践者向けの、法医学に関するリーフレットや高齢者虐待対応冊子の作成で公表する。
結果と考察
(1)研究結果:米国高齢者虐待法医学センター(EAFC)のケース会議は、従来からある多種目専門職チーム(MDT)(社会サービスと医療心理チーム)に、警察や検事等の法執行機関が加わっていることがわかった。また、法医学センターでのケース会議は、毎週定期的に開催(1時間又は1.5時間)され、迅速に進められていた。その理由は以下通りである:①優秀なコーディネーターの配置。②使用する書式の統一。③虐待の事実確認を重視する。④次にとるべきアクションの明確化。および、⑤各種専門職の専門性の尊重。
(2)考察:日本の高齢者虐待対応システムに、EAFCのコンセプトの応用案として、すぐにでもできる取り組みとしては、①現行のケース会議の頻度を増し、統一書式を用いた会議の運営をする。また、事実確認を重視する。②定例ケース会議を「アクションプラン作成」の場とする。次に、中・長期的には、①「地域生活定着支援センター」における「福祉」と「司法」の連携事例を土台に、高齢者虐待対応のメインは「福祉分野」であるという意識から「福祉」と「司法」の連携へと意識を脱皮し、実行可能なモデルを模索する(まずは弁護士を巻き込む)。②老年専門のトレーニングを受けた医師のケース会議への参加を促す。③都道府県レベルに、EAFCをモデルとした(仮称)「虐待対応協力(支援)センター」を設置。虐待防止推進に関する研修、アドボカシー活動を中心的に行っていくことなどが考えられる。
(2)考察:日本の高齢者虐待対応システムに、EAFCのコンセプトの応用案として、すぐにでもできる取り組みとしては、①現行のケース会議の頻度を増し、統一書式を用いた会議の運営をする。また、事実確認を重視する。②定例ケース会議を「アクションプラン作成」の場とする。次に、中・長期的には、①「地域生活定着支援センター」における「福祉」と「司法」の連携事例を土台に、高齢者虐待対応のメインは「福祉分野」であるという意識から「福祉」と「司法」の連携へと意識を脱皮し、実行可能なモデルを模索する(まずは弁護士を巻き込む)。②老年専門のトレーニングを受けた医師のケース会議への参加を促す。③都道府県レベルに、EAFCをモデルとした(仮称)「虐待対応協力(支援)センター」を設置。虐待防止推進に関する研修、アドボカシー活動を中心的に行っていくことなどが考えられる。
結論
日本でも米国型高齢者虐待法医学センターのコンセプトは生かすことができると考える。
公開日・更新日
公開日
2011-06-02
更新日
-