障害者支援施設や共同生活援助事業所、居宅支援における高齢障害者の看取り・終末期の支援を行うための研究

文献情報

文献番号
202417038A
報告書区分
総括
研究課題名
障害者支援施設や共同生活援助事業所、居宅支援における高齢障害者の看取り・終末期の支援を行うための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1008
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
根本 昌彦(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 総務企画局研究・人材養成部)
研究分担者(所属機関)
  • 日詰 正文(独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 総務企画局研究・人材養成部)
  • 鶴岡 浩樹(日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科)
  • 本名 靖(東洋大学福祉社会開発研究センター)
  • 庄司 妃佐(東京福祉大学 社会福祉学部 )
  • 祐川 暢生(社会福祉法人侑愛会 侑愛荘)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
8,100,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、障害者支援施設及び共同生活援助等における看取りの実態を明らかにし、障害者支援施設や共同生活援助等での生活を最期まで望む知的・発達障害者の看取りの実施体制等を整えるための看取り導入マニュアルの作成及び看取り導入マニュアルの周知・啓発のためのコンテンツ作成を目的とした。
研究方法
1)検討委員会の実施  
分担研究者を招聘し、3回開催した。
2)2023年度に実施した障害者支援施設等での看取りに関する実態調査結果の分析
昨年度は単純集計にとどまったため、今年度は、障害者支援施設等での看取りの実施に関
する環境、取り組んでいる事業所の傾向等を分析した。
3)看取りの実践者(医療従事者含む)等へのヒアリング調査
  障害者支援施設等での看取りの実施状況に加え、連携が欠かせない医療機関の対応の実
際等を明らかにするため、看取りに対応している診療所等医療機関へのヒアリング調査を行
った。
4)看取りマニュアルの作成
  昨年度検討したマニュアル骨子案に沿って、執筆を分担研究者及び看取りの実践経験のあ
る研究協力者で行った。
5)ICF活用の試行
  ICF情報関連表を活用し、個別支援計画の検討を行った。
6)セミナーの開催及び動画コンテンツの作成
  2025年3月3日~17日にオンデマンドで開催した。2025年度に、セミナーの録画をベースとした動画を配信することとした。
結果と考察
令和5年に障害者支援施設等を対象にした看取りの対応に関する調査では、令和4年度に看取りを実施したと回答した障害者支援施設等は3.3%であったが、看取りの受け入れ方針として「『施設やグループホームで亡くなりたい』という希望があれば原則的に受け入れる」と回答した障害者支援施設等は22.2%となっており、一定程度の事業所は看取りに関心があることがわかった。一方、「原則的に受け入れる」と回答した事業所であっても、マニュアル等があると回答した事業所が25%前後に留まっていた状況から、看取りに対応している事業所でも、意思決定支援ガイドラインに沿った支援や看取りに関するマニュアル等の整備が十分に行われていない状況がうかがえた。
以上のことから、看取りに対応している事業所と今後看取りの対応を検討している事業者向けに、障害者支援施設等における看取りマニュアル(仮称・以下マニュアル)を作成し、研修会を実施する等、普及に取り組んだ。マニュアルの内容は、看取りの意義や支援体制、看取りの経過に応じた実践的なフロー等とし、看取りの導入と継続を視野に入れたものとした。
 今後は、障害者支援施設等を対象に、マニュアルの更なる周知と実用性を検証し、加えて、医療的ケアや看取りに関する高齢期の意思決定支援のあり方や方法、看取りに対応していくための制度上の課題を整理することが必要だと考えられた。
結論
意思の実現のみならず、形成や表出に支援が必要な知的・発達障害者の、最期を過ごす場所等に関する意思決定支援を深めるため、意思決定支援に先駆的に取り組んでいる諸外国、具体的にはオーストラリアの実践や研究者との情報交換等を踏まえながら、日本におけるACPを含めた意思決定支援について継続研究を行っていく。

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

文献情報

文献番号
202417038B
報告書区分
総合
研究課題名
障害者支援施設や共同生活援助事業所、居宅支援における高齢障害者の看取り・終末期の支援を行うための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1008
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
根本 昌彦(独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 総務企画局研究・人材養成部)
研究分担者(所属機関)
  • 日詰 正文(独立行政法人 国立重度知的障害者総合施設のぞみの園 総務企画局研究・人材養成部)
  • 鶴岡 浩樹(日本社会事業大学大学院 福祉マネジメント研究科)
  • 本名 靖(本庄ひまわり福祉会)
  • 庄司 妃佐(東京福祉大学 社会福祉学部 )
  • 祐川 暢生(社会福祉法人侑愛会 侑愛荘)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
障害者支援施設では、「原則終生保護」の方針を転換し、利用者本人の意思を踏まえた地域移行に取り組んでいるが、地域のケア環境や本人意思に基づく看取り・終末期対応を行う施設も出てきている。しかし、看取り・終末期ケアは、施設内での体制強化と地域の医療機関等との連携等の体制づくりが必要であるが、その内容は明らかになっていない。
 本研究では、高齢期から終末期の利用者への対応において、障害者支援施設や共同生活援助事業所、居宅支援事業所等(以下「障害者支援施設等」という。)の職員が看取りを行うための、①施設内の取り組み、②地域の医療機関及び介護保険施設等(以下「医療機関等」という。)との連携について、その内容を明らかにし、普及を促すための資料を作成することを目的とした。
研究方法
1)検討委員会の実施
 検討会を6回開催した。分担研究者やオブザーバー(厚生労働省)、研究協力者らと、調査内容、・分析の視点、調査結果の考察、マニュアルの検討、報告書の内容について、対面やオンラインで検討した。

2)アンケート調査
障害者支援施設、共同生活援助事業所を対象に、看取り支援等の経験・対応状況、看取り支援等の方針、マニュアル、ツールの整備、ACP(Advance Care Planning)の実施状況、グリーフケア、看取り支援の課題等について、アンケートによる悉皆調査を実施した(2024年度能登半島地震発生に伴い、石川県、富山県、新潟県、福井県を除く)。

3)ヒアリング調査
 看取り実施事業所22カ所、医療関係者5ヶ所にヒアリングを行った。ヒアリングは、看取りを始めた契機、課題、マニュアルの有無、看取りをする上で大切なこと等について、半構造化面接で行った。
また、ACPを含む意思決定支援に必要な視点として、生きることの全体像としてWHO(2001)に採択されたICFの視点が重要と考え、福祉の実践現場で積極的にICFの活用に取り組んでいる事業所等にヒアリング調査等を実施した。

4)看取りマニュアルの作成
 検討委員会とヒアリング調査の結果を踏まえて内容を検討した。また、執筆は、研究代表者、分担研究者及び研究協力者のうち、知的・発達障害者の看取りの実践を複数ケース対応した経験のある荒井氏、石村氏、恒松氏に依頼したほか、国立のぞみの園の看取り実践チームの協力も得て作成した。

5)セミナーの開催
 令和7(2025)年3月3日~17日に、オンデマンド配信にて開催した。登壇は、研究責任者、分担研究者のほか、研究協力者より、古川氏、荒井氏、恒松氏、井上氏に依頼した。

6)動画コンテンツの作成
 令和7(2025)年度に、国立のぞみの園のホームページ上で公開することとした(申し込み者限定公開)。
結果と考察
令和5年度に障害者支援施設等を対象にした看取りの対応に関する調査では、看取りに関心があるものの、マニュアル等がある事業所は限られていたことから、看取りに関するマニュアル等の整備が十分に行われていない状況がうかがえた。
この結果を受け、令和6年度には、看取りに対応している事業所と今後看取りの対応を検討している事業者向けに、障害者支援施設等における看取りマニュアル(仮称・以下マニュアル)を作成し、研修会の開催や動画コンテンツの作成を通して、看取りの普及に取り組んだ。マニュアルの内容は、看取りの意義や支援体制、看取りの経過に応じた実践的なフロー等とし、看取りの導入と継続を視野に入れたものとした。
今後は、障害者支援施設等を対象に、マニュアルの更なる周知と実用性の検証に加え、施設で看取る際に必要な医療的ケアや看取りに関する高齢期の意思決定支援のあり方や方法、意思決定支援におけるICFの活用、看取りに対応していくための職員の意識のあり方、制度上の課題を整理することが必要だと考えられた。
結論
障害者支援施設等での障害者の看取りの受入れに必要となる、意思決定支援とACPの実施、支援者が看取りを理解する研修や仕組み、施設の方針、医療連携(施設内看護師と地域医療機関)、グリーフケア、そして、それらの具体的な方法を示すマニュアル作成した。
今後は、職員の意識形成を深めるため、意思決定支援に先駆的に取り組んでいる諸外国、の実践や研究者との情報交換等を行い、日本におけるACPを含めた意思決定支援について継続して研究を行うとともに、本研究で作成したマニュアルの検証を行い、必要に応じて改訂を行っていくことが必要である。

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

研究報告書(PDF)

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

行政効果報告

文献番号
202417038C

成果

専門的・学術的観点からの成果
障害者支援施設等での看取りの実態を分析し、本人が障害者支援施設等での看取りを希望した場合に看取るためのマニュアルや人員体制、職員の意識に課題があることを確認した。必要に応じて障害者支援施設等で看取りの対応ができるよう、先述の内容を含んだマニュアルの作成、セミナーの開催、動画コンテンツを作成した。セミナーは420名の申し込みがあり、反響があった。
臨床的観点からの成果
障害者支援施設等での看取りの可能性を周知することにより、事業所側の事情だけで本人の最期の場を決めるのではなく、本人の意思をベースとした看取り対応に関する検討が可能となった。
ガイドライン等の開発
障害者支援施設等で活用できる看取りマニュアルを作成した。
その他行政的観点からの成果
R7年度に開催される「障害者の地域生活支援も踏まえた障害者支援施設の在り方に係る検討会」の資料の一部として活用される予定である。
その他のインパクト
動画コンテンツの配信、国立のぞみの園ホームページ上でのマニュアルの公開、高齢期の知的・発達障害に係る講演時の資料として随時活用、国立のぞみの園が発信するニュースレターやSNSでの公開、日本発達障害学会、日本老年精神医学会シンポジウム等での発信を予定している。

発表件数

原著論文(和文)
0件
原著論文(英文等)
0件
その他論文(和文)
1件
国立のぞみの園紀要第17号
その他論文(英文等)
0件
学会発表(国内学会)
1件
日本発達障害学会
学会発表(国際学会等)
0件
その他成果(特許の出願)
0件
その他成果(特許の取得)
0件
その他成果(施策への反映)
0件
その他成果(普及・啓発活動)
15件
シンポジウム2件、講演7件、学会4件、ホームページ2件(マニュアル・動画コンテンツ)

特許

主な原著論文20編(論文に厚生労働科学研究費の補助を受けたことが明記された論文に限る)

公開日・更新日

公開日
2025-06-11
更新日
-

収支報告書

文献番号
202417038Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
9,000,000円
(2)補助金確定額
6,547,000円
差引額 [(1)-(2)]
2,453,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 163,471円
人件費・謝金 3,322,094円
旅費 785,798円
その他 1,524,390円
間接経費 751,487円
合計 6,547,240円

備考

備考
-

公開日・更新日

公開日
2025-11-26
更新日
-