文献情報
文献番号
202417032A
報告書区分
総括
研究課題名
難聴児の手話療育体制整備に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1001
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
今橋 久美子(藤田 久美子)(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所)
研究分担者(所属機関)
- 高嶋 由布子(国立障害者リハビリテーションセンター 研究所 障害福祉研究部)
- 阿部 敬信(九州産業大学 人間科学部)
- 松﨑 丈(国立大学法人宮城教育大学 教育学部)
- 前川 和美(関西学院大学 手話言語研究センター)
- 伊藤 理絵(常葉大学 保育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
9,800,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、聴覚障害児が早期から手話言語を習得できる環境を整備することを目的とし、必要な要素を明らかにするために進められた。2年目は、海外における手話療育の担い手の育成や療育の実態把握を継続するとともに、デフメンターに関する調査を実施し、早期支援の重要性や技術的進歩の整理を行った。
研究方法
アメリカの聾学校(テキサス、メリーランド)を視察し、乳幼児期の手話教育やデフメンタープログラムの実態を調査した。また、EHDI学会に参加し、早期支援の現状と課題についての情報収集を行った。国内では、Boston University の Todd Czubek 氏を招聘し、聴者の親が視覚的コミュニケーションに慣れるための研修会を関東・関西で開催した。加えて、国内の手話療育の実態調査を行い、アメリカとの違いについて議論した。
結果と考察
アメリカの聾学校では、デフメンターが家庭訪問を行い、親子のコミュニケーションを支援していることが確認された。また、バイリンガル教育の実施や視覚言語資源の活用が、手話言語の習得を支えていた。EHDI学会では、政権交代により研究費が減少し、手話支援の発表が減る一方で、絵本の読み聞かせを通じたコミュニケーション促進が重要視される傾向にあった。国内では、Czubek 氏による研修を通じて、ジェスチャーを活用した相互作用が手話の習得に有効であることが示された。
手話療育支援者の養成については、ろう・難聴児の保護者が積極的に言葉をかけることの重要性が明らかとなり、特にオノマトペやリズムを用いたコミュニケーションが子どもの関心を引く効果を持つことが確認された。また、支援者は「教える」だけでなく「子どもの信号を読み取る」ことが求められ、問題行動を環境との調整結果として捉える視点が重要であることが示された。これらの研究を基に、手話療育支援者養成・育成プログラムのモデル案を作成し、地域の実情に応じた支援体制の構築に向けた検討を行った。
手話療育支援者の養成については、ろう・難聴児の保護者が積極的に言葉をかけることの重要性が明らかとなり、特にオノマトペやリズムを用いたコミュニケーションが子どもの関心を引く効果を持つことが確認された。また、支援者は「教える」だけでなく「子どもの信号を読み取る」ことが求められ、問題行動を環境との調整結果として捉える視点が重要であることが示された。これらの研究を基に、手話療育支援者養成・育成プログラムのモデル案を作成し、地域の実情に応じた支援体制の構築に向けた検討を行った。
結論
ろう・難聴児への手話言語導入の支援においては、家庭支援を核とした体制整備、専門性を備えたデフメンターの制度化、学校外の手話環境の整備が重要であることが確認された。アメリカで行われているデフメンター制度は、日本への導入も可能であり、家庭に当事者のロールモデルを提供することで、手話を通じた言語発達と社会性の形成を支える多層的な支援体制の構築が期待される。今後は、自成信号を受け止める経験を支援者が体験できる研修の場を設け、より実践的な知見を活用できる支援者養成を推進する必要がある。
公開日・更新日
公開日
2025-08-05
更新日
-