「食」を通して支え合うコミュニティづくりに関する研究

文献情報

文献番号
201001022A
報告書区分
総括
研究課題名
「食」を通して支え合うコミュニティづくりに関する研究
課題番号
H22-政策・一般-004
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
野村 知子(桜美林大学 総合科学系)
研究分担者(所属機関)
  • 杉澤 秀博(桜美林大学大学院 自然科学系 社会老年学)
  • 友永 美帆(桜美林大学 健康福祉学群)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成22(2010)年度
研究終了予定年度
平成23(2011)年度
研究費
4,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
 本研究の目的は、「『食』を通して支え合うコミュニティづくり」を実現するための支援方策を明らかにすることである。
 住民参加型食事サービス、特に高齢者の見守りや安否確認に直接かかわる配食サービスを対象とする。
 調査フィールドとしては、調布ゆうあい福祉公社と全国の事例を対象とする。
研究方法
 本年度は次の5つの調査を行った。
調査1:定年退職男性が地域資源化するプロセス
    定年退職後の5名の男性が対象。修正版グランデッドセオリー使用
調査2:女性ボランティアにおける活動の意味と課題
    12名を対象としたグループインタビュー調査
調査3:単身高齢者における配食サービスの意味
    配食サービスを利用している10名の単身高齢者(一名は昼間一人)が対象
    修正版グランデッドセオリー使用
調査4:「福祉公社方式」が高齢者の在宅継続に果たす効果
    福祉公社の相談員による事例分析
調査5:全国事例にみる住民参加型食事サービスのしくみ
    全国で活発に活動している6事例への面接調査
結果と考察
調査1:活動への参加によって健康を回復しやりがいを高めていた。活動で得た情報等が、
    「地域貢献の認識」を形成し、次の活動の原動力になっていた。
調査2:活動の意味として「健康のサイクル」の存在が、課題として多様な部門の連携の
    不十分さがあげられた。
調査3:配食サービスを利用することで、楽しみとメリハリを確保し、健康状態を維持。
調査4:相談員と配達者が密接な連携をとることで、二人とも認知症の夫婦世帯であっても
    在宅継続を可能にできる。
調査5:自前の拠点を持つ「市民事業型」と、公共施設を拠点に活動する「市民活動型」に
    分かれた。「市民活動型」を支えるには、優先的な拠点利用の専用の物置の設置、
    保健衛生上の配慮がなされた厨房と大量調理が可能な器具への配慮が求められた。
結論
調査1:定年退職男性は、活動に参加し自分の居場所を見つけると、地域貢献活動を
    継続しやすい。
調査2:女性ボランティアにとって、活動は「健康のサイクル」となる。
調査3:単身高齢者にとって、配食サービスは在宅生活の継続を可能とする「安心装置」。
調査4:「福祉公社方式」のように、相談機能と配食サービスが密接に連携すると、
    強力な地域ケアシステムを構築できる。
調査5:地域の見守り役として頼りにできるが、それを強化するには
    地域包括支援センター等の連携がポイントとなる。

公開日・更新日

公開日
2011-07-04
更新日
-

収支報告書

文献番号
201001022Z