文献情報
文献番号
202417013A
報告書区分
総括
研究課題名
良質な精神保健医療福祉の提供体制構築を目指したモニタリング研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
22GC2004
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 直明(国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 公共精神健康医療研究部)
研究分担者(所属機関)
- 立森 久照(国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター神経研究所 疾病研究第七部)
- 高瀬 顕功(大正大学 地域創生学部公共政策学科 地域構想研究所 BSR推進センター)
- 吉田 光爾(東洋大学 福祉社会デザイン学部社会福祉学科)
- 瀬戸 秀文(福岡県立精神医療センター太宰府病院)
研究区分
厚生労働行政推進調査事業費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和4(2022)年度
研究終了予定年度
令和6(2024)年度
研究費
34,167,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班は5つ(令和4年度のみ6つ)の分担研究課題で構成され、地域の多様な生活支援との連携による良質かつ適切な精神医療の持続的な確保のための要件を明らかにすることを目的とした(各課題は以下の通り)。指標例および基準病床算定式の提案(A班)、精神保健医療福祉のモニタリング調査(630調査)の実施(B班)、精神科入院患者の重症度の検討(令和4年度のみ)、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)を活用した精神医療の提供に関するモニタリング指標の算出(C班)、精神保健医療福祉の各データの可視化(ReMHRAD: https://remhrad.jp/)(D班)、措置通報および措置入院の実態に関する調査の実施とデータ解析(E班)
研究方法
A班:令和4年度はエキスパートコンセンサス等を踏まえて、第8次医療計画指標例および基準病床算定式案について検討を行った。令和5年度は医療計画の策定状況に対する実態調査を行った。令和6年度はてんかん患者数のデータソースによる違いについて検討を行った。
B班:いずれの年度も精神科医療機関、訪問看護ステーション、都道府県・政令指定都市の精神保健主管課を対象とした全国悉皆調査(630調査)を実施した。また、各年度の調査実施前には法律、制度等の改正、回答者負担などを考慮して調査票の設計を行った。
C班:令和4年度は2013年1月~2021年5月、令和5年度は2013年1月~2022年12月、令和6年度は2013年1月~2023年5月のNDBデータの提供を受け、第8次医療計画指標例のデータ更新を各年度行った。また、精神科医療の診療実態に関する解析も行った。
D班:令和4年度は630調査結果および地域包括ケアのための資源について経年表示機能の検討、発達障がいに関する社会資源情報の掲載の検討、令和5年度は第8次医療計画指標の表示機能追加に加えて、前年度に検討した内容を実装した。また退院者転帰情報、ヒートマップ機能、社会資源マップ冊子の自動生成機能を検討した。令和6年度は退院者転帰情報、ヒートマップ機能の実装を行った。
E班:令和4年度はコホート研究、検察官通報の現状を把握、訪問看護支援、身体合併症
等、措置入院制度全般について検討を行った。令和5年度は治療継続・再入院の状況を把握、事前調査の位置づけ、診断書の位置づけについて検討を行った。令和6年度は退院後死亡リスクの検証、警察官通報実態把握、身体合併症の治療提供体制について検討を行った。
B班:いずれの年度も精神科医療機関、訪問看護ステーション、都道府県・政令指定都市の精神保健主管課を対象とした全国悉皆調査(630調査)を実施した。また、各年度の調査実施前には法律、制度等の改正、回答者負担などを考慮して調査票の設計を行った。
C班:令和4年度は2013年1月~2021年5月、令和5年度は2013年1月~2022年12月、令和6年度は2013年1月~2023年5月のNDBデータの提供を受け、第8次医療計画指標例のデータ更新を各年度行った。また、精神科医療の診療実態に関する解析も行った。
D班:令和4年度は630調査結果および地域包括ケアのための資源について経年表示機能の検討、発達障がいに関する社会資源情報の掲載の検討、令和5年度は第8次医療計画指標の表示機能追加に加えて、前年度に検討した内容を実装した。また退院者転帰情報、ヒートマップ機能、社会資源マップ冊子の自動生成機能を検討した。令和6年度は退院者転帰情報、ヒートマップ機能の実装を行った。
E班:令和4年度はコホート研究、検察官通報の現状を把握、訪問看護支援、身体合併症
等、措置入院制度全般について検討を行った。令和5年度は治療継続・再入院の状況を把握、事前調査の位置づけ、診断書の位置づけについて検討を行った。令和6年度は退院後死亡リスクの検証、警察官通報実態把握、身体合併症の治療提供体制について検討を行った。
結果と考察
A班:令和4年度は第8次医療計画の指標例および基準病床算定式のパラメータおよび病床利用率を提案した。令和5年度は各都道府県の第8次医療計画進捗状況およびそのプロセスについて明らかになった。令和6年度はてんかん患者数について検討を行い、一般外来と精神外来でのてんかん診療数の実態、主傷病、主傷病以外の患者数の差について改めて記述した。精神科専門療法と通院・在宅精神療法による患者数で特に患者数の差が大きい疾患をまとめた。
B班:いずれの年度も例年通りの回収率を維持して調査を実施することができ、集計の結果を精神保健福祉資料(https://www.ncnp.go.jp/nimh/seisaku/data/)に公開した。また、令和5年度は医療機関におけるコメディカル配置状況の予備的検討、令和6年度は各機関の主たる診療科目、オンライン調査への移行の可能性についても予備的に情報収集を行い、次年度以降の調査につながる結果が得られた。
C班:いずれの年度も例年通り第8次医療計画指標例に採用されている各データについてNDBを用いて解析を行い、その結果を精神保健福祉資料に公開した。また、新型コロナウイルス感染拡大下において一部の年齢層において、入院患者数が減少し外来患者数が増加していることが明らかとなった。
D班:いずれの年度も最新データへのアップデートを完了した。加えて、令和4年度は経年データ表示機能等の新機能の検討を行い、実装に向けてテストおよび次年度以降の業務の整理が完了した。令和5年度は発達障害に関する社会資源情報の掲載機能の追加が完了した。令和6年度は退院者転帰情報、ヒートマップ機能等を予定通り実装することができた。
E班:3年間で、措置入院制度に関する退院後3年までの実態、検察官通報、警察官通報、訪問看護、指定医招聘システム、合併症、退院後リスク等の諸制度の実態について明らかにすることができた。
B班:いずれの年度も例年通りの回収率を維持して調査を実施することができ、集計の結果を精神保健福祉資料(https://www.ncnp.go.jp/nimh/seisaku/data/)に公開した。また、令和5年度は医療機関におけるコメディカル配置状況の予備的検討、令和6年度は各機関の主たる診療科目、オンライン調査への移行の可能性についても予備的に情報収集を行い、次年度以降の調査につながる結果が得られた。
C班:いずれの年度も例年通り第8次医療計画指標例に採用されている各データについてNDBを用いて解析を行い、その結果を精神保健福祉資料に公開した。また、新型コロナウイルス感染拡大下において一部の年齢層において、入院患者数が減少し外来患者数が増加していることが明らかとなった。
D班:いずれの年度も最新データへのアップデートを完了した。加えて、令和4年度は経年データ表示機能等の新機能の検討を行い、実装に向けてテストおよび次年度以降の業務の整理が完了した。令和5年度は発達障害に関する社会資源情報の掲載機能の追加が完了した。令和6年度は退院者転帰情報、ヒートマップ機能等を予定通り実装することができた。
E班:3年間で、措置入院制度に関する退院後3年までの実態、検察官通報、警察官通報、訪問看護、指定医招聘システム、合併症、退院後リスク等の諸制度の実態について明らかにすることができた。
結論
各分担研究において収集したデータの統合によって、各都道府県が医療計画等の行政計画において実態把握を進めるための基礎資料が提供できたと考える。また、本研究にて収集・公表して悉皆データを精神保健福祉資料およびReMHRADに公表することで行政関係者や研究者がデータにアクセスしやすい状況を作ることができた。
公開日・更新日
公開日
2025-06-30
更新日
-