文献情報
文献番号
202417010A
報告書区分
総括
研究課題名
処方薬や市販薬の乱用又は依存症に対する新たな治療方法及び支援方法・支援体制構築のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23GC1018
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
松本 俊彦(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
研究分担者(所属機関)
- 上條 吉人(埼玉医科大学 医学部 臨床中毒学)
- 沖田 恭治(国立精神・神経医療研究センター 病院 精神診療部)
- 嶋根 卓也(国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター 精神保健研究所 薬物依存研究部)
- 引地 和歌子(東京都監察医務院)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 障害者政策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
10,500,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究班の目的は以下の5つである。1) 精神医学・救急医学・法医学の観点から処方薬・市販薬乱用の健康被害を明らかにすること、2) 乱用リスクの高い薬剤を把握すること、3) 処方薬・市販薬使用障害患者の臨床的特徴を明らかにすること、4) 処方薬・市販薬依存症の治療法を開発すること、5) 薬局・救急医療での介入・支援方法を開発することである。
研究方法
研究目的を遂行するために、本研究班では、依存症専門医療、救命救急医療、監察医務院、ドラッグストアという4つの異なるフィールドを生かした、5つの研究分担課題を設定し、市販薬・処方薬が引き起こす健康問題の実態を多面的に明らかにするとともに、治療および支援の介入のあり方を検討することとした。
結果と考察
今年度、依存症専門医療をフィールドとする2つの分担研究において、通院治療プログラムと入院治療プログラムの介入研究が開始され、入院治療プログラムではすでに好ましい介入効果を示唆する結果が得られている。一方、救命救急医療をフィールドとする分担研究においては、市販薬過剰摂取による救急搬送患者の心理社会的背景と過剰摂取の動機、ならびに薬剤と情報の入手経路の実態が明らかにされた。監察医務院をフィールドとする調査では、中毒死の原因となっている市販薬としては、ジフェンヒドラミン含有市販薬とコデイン含有市販薬といった、購入が容易な第2種医薬品が突出して多いことが明らかにされた。ドラッグストアをフィールドとする分担研究では、市販薬乱用・依存の早期発見・早期介入を目的とする薬剤師向けのゲートキーパー研修プログラムを開発し、その介入効果の検証を行ったところ、同プログラムの効果と意義を示唆する結果が得られた。
結論
今年度、本研究班の活動は順調に進捗し、各研究分担課題からは、早くも臨床上ならびに政策上きわめて重要な知見が明らかにされており、次年度以降におけるさらなる展開が期待される。
公開日・更新日
公開日
2025-06-26
更新日
-