文献情報
文献番号
201001003A
報告書区分
総括
研究課題名
子どもへの性的虐待の予防・対応・ケアに関する研究
課題番号
H20-政策・一般-009
研究年度
平成22(2010)年度
研究代表者(所属機関)
柳澤 正義(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所)
研究分担者(所属機関)
- 玉井 邦夫(大正大学人間学部)
- 山本 恒雄(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
- 庄司 順一(社会福祉法人恩賜財団母子愛育会日本子ども家庭総合研究所子ども家庭福祉研究部)
- 岡本 正子(大阪教育大学教育学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 行政政策研究分野 政策科学総合研究(政策科学推進研究)
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
10,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
性的虐待対応の実態を踏まえ、学校等子ども関係機関、対応の中核的機関である児童相談所、被虐待児の中長期的ケアを担う児童福祉施設等を対象に、対応やケアのためのガイドラインを策定する。
研究方法
本研究は、1. 教育・福祉・保健機関等の職員のための子どもへの性的虐待初期対応ガイドラインの策定及び啓発・研修に関する研究、2.児童相談所における性的虐待対応ガイドライン策定に関する研究、3.性的虐待の被害確認のための面接のあり方に関する研究、4.性的虐待を受けた子どもの中長期的ケアの実態とそのあり方に関する研究、の4分担研究で構成され、本年度は1,2年目に作成したガイドライン案の試行状況を踏まえ、最終的ガイドラインを策定した。
結果と考察
分担研究1. 1,2年目に学校現場での性的虐待事例遭遇実態と教員の性的虐待に関する知識・意識を調査し、学校では性的虐待の発見が極めて困難であり、対応上の課題も認められた。本年度は学校での虐待対応のキーパーソンである養護教諭を対象に調査した。遭遇率は一般教員と比較してはるかに高く、学校での性的虐待対応には養護教諭の関与が不可欠であるとともに校内での連携に困難感を抱えていた。
分担研究2. 前年度作成した性的虐待対応ガイドライン2009年度試行版について、全国37自治体の児童相談所での研修と試行の結果を踏まえ、最終的なガイドラインを策定した。併せて分担研究1.と共同で、保育所・幼稚園、小・中・高等学校等職員を対象とする初期対応手引きを作成した。
分担研究3. 被害確認面接法として、米国のNICHDガイドラインを基に日本版を開発、児童相談所性的虐待対応ガイドラインに組込み、研修・トレーニングを行った。
分担研究4. 昨年度全国の児童養護施設等に送付したケア・ガイドライン(試案)に関するアンケート調査、聞取り調査を行い、62%の施設から有用との評価を得た。これらの結果を得て、基礎編と実践編から成る性的虐待を受けた子どもへのケア・ガイドラインを策定した。
分担研究2. 前年度作成した性的虐待対応ガイドライン2009年度試行版について、全国37自治体の児童相談所での研修と試行の結果を踏まえ、最終的なガイドラインを策定した。併せて分担研究1.と共同で、保育所・幼稚園、小・中・高等学校等職員を対象とする初期対応手引きを作成した。
分担研究3. 被害確認面接法として、米国のNICHDガイドラインを基に日本版を開発、児童相談所性的虐待対応ガイドラインに組込み、研修・トレーニングを行った。
分担研究4. 昨年度全国の児童養護施設等に送付したケア・ガイドライン(試案)に関するアンケート調査、聞取り調査を行い、62%の施設から有用との評価を得た。これらの結果を得て、基礎編と実践編から成る性的虐待を受けた子どもへのケア・ガイドラインを策定した。
結論
子どもへの性的虐待について、通告から児童相談所における対応、その中での被害確認面接、児童福祉施設に入所してからの中長期的ケア、という一連の流れについて、実務的ガイドラインを作成し、研修、現場からのフィードバック、アンケート調査による評価等を受けて、ガイドライン類を完成させた。関係機関への普及・啓発によって性的虐待に対する効果的対応に資することが期待される。
公開日・更新日
公開日
2011-05-24
更新日
-