大都市部における自然災害等健康危機発生時の保健活動体制と方法に関する研究

文献情報

文献番号
200942030A
報告書区分
総括
研究課題名
大都市部における自然災害等健康危機発生時の保健活動体制と方法に関する研究
課題番号
H21-健危・一般-006
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
宮崎 美砂子(千葉大学 大学院看護学研究科(平成21年4月より大学院部局化に伴う名称変更))
研究分担者(所属機関)
  • 奥田 博子(国立保健医療科学院 公衆衛生看護部看護マネジメント室)
  • 春山 早苗(自治医科大学 看護学部)
  • 藤田 美江(北里大学 看護学部)
  • 牛尾 裕子(兵庫県立大学 看護学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
本研究は、大都市部における健康危機発生に対して、自然災害に焦点をあてて、災害発生時の保健活動体制と活動方法を大都市部の特性を踏まえて明らかにすることを目的とする。自然災害の中でもマグニチュード7クラスの地震発生を想定し、大都市部に特徴的な保健活動上の課題、フェーズの進展、健康福祉ニーズ、被災地外からの派遣者(応援者)を含む保健活動の体制について地域の健康危機管理の拠点である保健所に所属する保健師の役割や活動方法に焦点をあてて追究する。
研究方法
研究1年目にあたる本年度は、4つの分担研究すなわち、1.大都市部における災害時対応マニュアル等の多角的な分析、2.大都市部の自然災害発生時の派遣保健師マンパワー策定基準の検討-阪神・淡路大震災事例を用いた検証、3.大都市部における感染症集団発生時の保健活動、4.大都市部の自然災害発生時の災害時要援護者への支援方策-難病患者への対応をモデルとして、を通して大都市部の地震発生時の保健活動上の課題を明らかにすることを目指した。4つの分担研究の各結果は、大都市部の災害時の特徴、大都市部の保健活動の強み・弱みの観点から、研究代表者、分担者、研究協力者間でさらに検討を加え、大都市の災害時の保健活動上の課題として集約した。
結果と考察
大都市部における地震発生時の保健活動体制と方法を検討する上での課題として、以下が浮かびあがった。 すなわち、初動体制の構築、指示命令系統の明確化、被災者の人口規模・所在の流動性・住民気質及びフェーズの進展を考慮した活動方法、応援者・派遣者の支援を必要とする健康福祉ニーズの明確化と受入れ・役割発揮に伴う調整方法の明確化、活動推進の基盤となる住民同士の自助・共助による地域づくり・まちづくり、地区特性の理解・不確実な状況下での判断に関する保健師の能力の開発、である。特に応援者・派遣者の調整においては、マンパワー有効活用のための情報管理と人材マネジメントの体制づくり、要援護者支援においてはそれぞれの地域の特性に基づいて行政分野で積極的な対応が必要な対象者の明確化と関係者とのネットワークづくりがその基盤に必須である。
結論
本年度の成果を踏まえ次年度は、研究協力の得られた自治体を対象に、災害時の保健活動体制と方法構築の取組を実地に進め、大都市部の自治体の特性に応じた災害発生時の保健活動体制と方法構築のためアプローチ方法の確立と定着を図る必要がある。

公開日・更新日

公開日
2010-06-15
更新日
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