季節性アレルギー性鼻炎の診療実態と経済的影響等の解明のための研究

文献情報

文献番号
202412006A
報告書区分
総括
研究課題名
季節性アレルギー性鼻炎の診療実態と経済的影響等の解明のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
24FE1002
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
岡本 美孝(国立大学法人千葉大学 大学院医学研究院)
研究分担者(所属機関)
  • 櫻井 大樹(山梨大学大学院総合研究部医学域耳鼻咽喉科頭頚部外科学)
  • 岡野 光博(国際福祉大学大学院医学研究科)
  • 野田 龍也(公立大学法人奈良県立医科大学 医学部 公衆衛生学講座)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 免疫・アレルギー疾患政策研究
研究開始年度
令和6(2024)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
5,886,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)の診療実態、経済的影響を明らかにする。
研究方法
昨年、研究開始と共に匿名医療保険等関連情報データベース(NDB)を活用した解析計画書の作成に取りかかり、まず花粉症による受療者数、医療資源の使用状況の解析計画書を完成させて、データの解析を行った。他に、舌下免疫療法の投与日数・処方間隔の研究解析書、舌下免疫療法の有効性と医療費に関する研究計画書、舌下免疫療法の投与日数・処方間隔の研究解析書の作成を進め、令和7年度にデータの解析に進める。
また、労働生産性調査にはWFun, WAPI-ASを用いた調査方法を検討・準備し、産業医を介して、一般企業に協力を依頼して審査・了解を得て実施した。MASK-airによる診療実態調査は耳鼻咽喉科学会、各科診療所、病院職員、一般企業に協力を依頼して実施した。いずれも調査、解析を継続している。
結果と考察
・全国的にスギ花粉飛散が多かった2018年、2019年に、スギ花粉症を中心とした春期の季節性アレルギー性鼻炎で医療機関を受診した患者数は1,293万人、夏期は570万人、秋期は612万人、医療機関での春期の季節性アレルギー性鼻炎関連の医療費は全体で1,243億円、夏期480億円、秋期550億円と推定された。
・首都圏で大量にスギ花粉が飛散した2018/2019年と少量の飛散であった2016/2017年の1月―4月に医療機関を受療した患者数は、それぞれ564万人、463万、花粉症関連総費用はそれぞれ平均で514億円と564億円であった。
・一般企業9社の従業員6,613人中1,316人から回答を得たが、全体の43.7%が労働機能障害を呈し、花粉症有訴者の約46.4%がプレゼンティーズムを経験していた。WAPI-ASのVASスケールでは34%が支障度5以上と回答した。
・MASK-airアプリ利用者の中間解析から、患者の63%が治療薬を使用し併用薬が増えるほどVASで評価される鼻症状、眼症状が強くなっていた。
結論
今回、初めてNDB解析から季節性アレルギー性鼻炎患者の診療実態、経済的影響を明らかにしたが、診療の課題も見えてきた。さらに、予定している研究を進めて診療の実態、間接経費も含めた経済的影響をより詳細に明らかにして、学会、行政にデータを提供し提言を行う。季節性アレルギー性鼻炎の診療の向上、有効な対策に繋げていきたい。

公開日・更新日

公開日
2025-11-20
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表

公開日・更新日

公開日
2025-11-20
更新日
-

収支報告書

文献番号
202412006Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
7,651,000円
(2)補助金確定額
7,651,000円
差引額 [(1)-(2)]
0円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 1,979,975円
人件費・謝金 895,025円
旅費 0円
その他 3,011,000円
間接経費 1,765,000円
合計 7,651,000円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-11-20
更新日
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