健康リスク低減のための新たな浄水プロセス及び管路更新手法の開発に関する研究

文献情報

文献番号
200942022A
報告書区分
総括
研究課題名
健康リスク低減のための新たな浄水プロセス及び管路更新手法の開発に関する研究
課題番号
H20-健危・一般-005
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
藤原 正弘(財団法人水道技術研究センター)
研究分担者(所属機関)
  • 安藤 茂(財団法人水道技術研究センター)
  • 鈴木 泰博(財団法人水道技術研究センター)
  • 武内 辰夫(財団法人水道技術研究センター)
  • 谷口 元(財団法人水道技術研究センター)
  • 松山 秀人(神戸大学)
  • 木村 克輝(北海道大学)
  • 神子 直之(立命館大学)
  • 大瀧 雅寛(お茶の水女子大学)
  • 宮島 昌克(金沢大学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 健康安全・危機管理対策総合研究
研究開始年度
平成20(2008)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
20,844,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
水系感染症の発生、地震等による断水の発生、基幹施設の老朽化等の課題に対処するため、効果的な処理技術、水道施設の維持管理の高度化、施設耐震化の促進、現況機能の評価・診断手法等について研究を行った。
研究方法
研究代表者、研究分担者に加え、学識者、水道事業体等の技術者からなるワーキンググループをテーマ別に設け、各テーマの課題に応じて、アンケート等による実態調査、膜ファウリング・膜構造・紫外線照射等に関する実験及び水道事業体におけるケーススタディ等を行った。
結果と考察
水道水源中の多糖類等からなる親水性画分が不可逆的膜ファウリングの主な原因成分であった。膜の構造等については、ファウラントの種類によって最適膜の構造が異なり、非対称膜が低ファウリング性、洗浄効果とも有利であった。膜損傷検知方法等について膜プラントメーカー及び水道事業体に対して実態調査を行い、維持管理高度化マニュアル(案)への記載内容の検討を進めた。
紫外線処理による副生成物について実験を行い、紫外線照射量と臭素酸生成量の相関を確認し、処理水中のTOC成分が臭素酸生成を抑制すると推測された。塩素代替としての紫外線処理では、ウイルス4種、細菌1種の波長依存性を把握した結果、210nm付近の感度が高くなる傾向を示した。
ケーススタディによる課題抽出とその改善を図りつつ、管路の全体機能評価、管路別機能評価、改善必要度算出など、小規模事業体でも容易に診断可能な手法を確立した。同様に浄水施設等の機能診断も小規模事業体でも容易に診断可能な手法に改善した。これらの成果として浄水施設等機能診断マニュアル(案)及び管路機能診断マニュアル(案)を作成した。
地震被災水道事業体における管路被害及び管網データのデータベースを作成し、管路被害データを管種・継手・口径別に整理して、微地形データ及び地震動データ等との相関を把握した。この結果から管路属性データごとに被害率を算出し、被害予測式における管種・継手・口径等に係る補正係数の原案を作成した。
結論
水系感染症の発生や地震等による断水を防止・軽減するためには、膜ろ過における原水別最適膜の検討、紫外線処理の地表水等への適用、膜ろ過及び紫外線処理の維持管理水準の向上を図るとともに、基幹水道施設の機能診断手法確立等を通じた問題点抽出と改善方策の充実に引き続き取り組む必要がある。

公開日・更新日

公開日
2010-06-18
更新日
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研究報告書(紙媒体)

公開日・更新日

公開日
2011-04-07
更新日
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