もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)における難病医療体制の整備や患者のQOL向上に資する研究

文献情報

文献番号
202410029A
報告書区分
総括
研究課題名
もやもや病(ウイリス動脈輪閉塞症)における難病医療体制の整備や患者のQOL向上に資する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FC1011
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
黒田 敏(富山大学 学術研究部医学系)
研究分担者(所属機関)
  • 宮本 享(国立大学法人京都大学 医学部附属病院)
  • 高橋 淳(近畿大学 医学部)
  • 高木 康志(徳島大学 大学院医学研究院)
  • 藤村 幹(北海道大学大学院医学研究院 脳神経外科学教室)
  • 片岡 大治(国立循環器病研究センター 脳神経外科)
  • 猪原 匡史(国立研究開発法人国立循環器病研究センター 脳神経内科)
  • 山田 崇弘(北海道大学病院 臨床遺伝子診療部)
  • 遠藤 英徳(東北大学 医学部医学系研究科神経外科学分野)
  • 舟木 健史(京都大学 医学部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 難治性疾患政策研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
7,750,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
もやもや病は、進行性の脳動脈狭窄をきたす原因不明の疾患で、日本人が疾患概念を構築した稀少疾患であり、日本では、主として脳神経外科医が小児から成人までシームレスに診療を行っている。従来、本研究班が中心となって、もやもや病に関する多数の基礎・臨床研究を展開しており、もやもや病研究では日本が世界をリードしてきた。また、関連学会と連携して病態解明につながる先進的・包括的研究を行い、その成果の普及に努めてきた。今後、既に開始している多施設共同研究を統括支援するとともに、以下に挙げる主たる課題を解決することで、もやもや病患者のQOL改善・診療の質向上を図ることを目的として新たな事業を企画支援している。具体的には、(1) 診療ガイドライン・診断基準・重症度分類の改訂と普及、(2) 医療者や患者・家族のニーズが高い情報のコンテンツの提供、(3) 全国のもやもや病患者のレジストリー構築、(4) 長期にわたる患者ケアの体制確立、(5) 乳幼児、高齢患者、前方型出血患者の病態・予後の調査、(6) もやもや病と甲状腺疾患との関連調査、(7) もやもや病の感受性遺伝子RNF213の病因調査の取りまとめと支援を目的とした。
研究方法
もやもや病の診断、治療に関する政策研究課題を達成するため、重点課題と多施設共同研究を効率的に実施、総括することに重点を置いた。例年通り、年2回の班員全体会議を大阪で開催した。一方、各政策研究課題の解決を促進するために、2024(令和6)年度に6つのワーキンググループを新たに立ち上げて、各ワーキンググループが複数回のウェブ会議を開催して作業を加速する活動を総括支援した。(1)診断基準・重症度分類の改訂WG、(2)妊娠・出産に関する調査および啓発WG、(3)遺伝子変異に関する調査および啓発WG、(4)全国レジストリー事業WG、(5) 抗甲状腺抗体に関する調査WG、(6) 前方出血型出血に関する調査WGである。
結果と考察
本研究班は、国内より本疾患の臨床、基礎研究分野に精通する研究者からなる組織を編成しており、関連学会とも綿密に連携している。令和6年度は、① 既に開始している複数の多施設共同研究の継続、② 診断基準および診療ガイドラインの国際的コンセンサスの形成、③ 就学就労支援やピアサポートなどを通した長期ケアの体制確立、④ 将来の診断基準・重症度分類の改訂に向けた準備作業、⑤ もやもや病の全国レジストリー構築、⑥ 妊娠・出産に関する情報を提供するパンフレット作成、⑦ RNF213遺伝子変異に関する多施設共同研究の立案、情報提供のためのパンフレット作成、⑧ 新たな多施設共同研究のプロトコール策定などを行なった。
2024(令和6)年度は、主任研究者が宮本 享(京都大学)から黒田 敏(富山大学)に交代したが、宮本 享は従来通り分担研究者として研究班に残り、既存の研究班の事業はスムーズに移行するとともに、新たな複数の事業が展開した節目の年度となった。
既存の事業として、(1)長期にわたる患者ケアの体制確立、(2)臨床上重要性が高い事項に関する科学的エビデンス創出を目指した、既存の多施設共同研究の取りまとめと支援が挙げられる。前者では、患者の就学就労支援やピアサポートなど、これまでの研究班では展開されていなかった事業であり、今後も患者サービスのさらなる充実を目指して展開していく予定である。後者では、既存の多施設共同研究であるAMORE、MACINTOSH、MODEST、Moyamoya PChoC Registry、HIGMA、CHAMPはいずれも順調に症例登録あるいは新たなエビデンスの公表が進んでおり、今後数年間のうちに診療ガイドラインを大きく改訂する原動力になると期待されている。
結論
2024(令和6)年度は、新規事業を効率的に開始するために6つのワーキンググループ(WG)を編成した。すなわち、(1)診断基準・重症度分類の改訂WG、(2)妊娠・出産に関する調査および啓発WG、(3)遺伝子変異に関する調査および啓発WG、(4)全国レジストリー事業WG、(5) 抗甲状腺抗体に関する調査WG、(6) 前方出血型出血に関する調査WGである。各WGでは複数回のウェブ会議を開催してもらって、毎回主任研究者が参加して助言することで、従来の年2回の班会議では達成し得なかった進捗を支援することができた。
本研究班は2024(令和6)年度に設立50周年を迎えた。50年という長い歴史の中で研究者間に醸成された知見や相互信頼に基づいて、本研究班は、今後も医学、医療、社会に貢献すべく、調査・研究のテリトリーを急性期から慢性期へ、治療から患者支援へ、病態から病因へ、国内から国外へさらに拡充する予定である。

公開日・更新日

公開日
2025-10-17
更新日
-

研究報告書(PDF)

研究成果の刊行に関する一覧表
倫理審査等報告書の写し

公開日・更新日

公開日
2025-10-17
更新日
-

収支報告書

文献番号
202410029Z
報告年月日

収入

(1)補助金交付額
10,000,000円
(2)補助金確定額
9,992,000円
差引額 [(1)-(2)]
8,000円

支出

研究費 (内訳) 直接研究費 物品費 3,231,658円
人件費・謝金 0円
旅費 1,871,872円
その他 2,638,994円
間接経費 2,250,000円
合計 9,992,524円

備考

備考
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公開日・更新日

公開日
2025-11-06
更新日
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