文献情報
文献番号
200940081A
報告書区分
総括
研究課題名
経口糖尿病薬の臨床評価ガイドラインの策定及びその運用に関する研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
H21-医薬・指定-034
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
加来 浩平(川崎医科大学 糖尿病・代謝・内分泌内科)
研究分担者(所属機関)
- 荒木 栄一(熊本大学大学院 生体機能病態学講座代謝内科学分野)
- 稲垣 暢也(京都大学大学院 糖尿病・栄養内科学)
- 小川 久雄(熊本大学大学院 循環器病態学)
- 佐倉 宏(東京女子医科大学 糖尿病センター)
- 島本 和明(札幌医科大学 第二内科)
- 曽根 博仁(筑波大学大学院 水戸地域医療教育センター)
- 野田 光彦(国立国際医療センター 糖尿病・代謝症候群診療部)
- 綿田 裕孝(順天堂大学医学部 代謝・内分泌内科学)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
3,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
経口糖尿病治療薬の臨床評価のあり方については、平成20年度厚生労働科学研究において評価項目等、基礎的事項についての詳細に検討され、ガイドラインのたたき台としてまとめられた。しかしながら、糖尿病治療薬開発のグローバル化は一層の進展がみられつつある。加えて最近の心血管系への経口糖尿病薬の安全性に関わる国際的な関心が高まり、心血管におよぼす影響及び医薬品評価の国際的な整合性についても、新たに検討する必要があると判断するに至った。従って、平成20年度に策定されたガイドライン(案)に、最近の国際的な動向に対応した研究内容を付加し、より実効性のあるガイドラインを策定する。
研究方法
(1) 国内、国外(米国、欧州)において、過去10年間に承認申請あるいは承認された新規経口糖尿病薬(血糖降下薬)に関する調査:電子媒体による情報収集に加え、必要に応じてPMDA(日本)、FDA(米国)、EMEA(欧州)、新規薬剤開発メーカーに協力を求める。
(2) 承認後の臨床試験に関する調査
(3) 既存薬(承認後の新規薬剤を含む)の市場における実績の調査
(4) 新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン作製
(2) 承認後の臨床試験に関する調査
(3) 既存薬(承認後の新規薬剤を含む)の市場における実績の調査
(4) 新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン作製
結果と考察
「新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン(案)」で特に留意すべきは、(1)経口糖尿病薬治療の臨床評価のための指標としては、国際的に広く容認され、安定した血糖コントロールの指標であるHbA1cの変化を主体に有効性を評価することが妥当と考えられる。(2) 糖尿病治療薬は長期間継続投与される場合が多く、長期投与における安全性の評価は、有用性の評価の上で重要である。(3) 一般に経口糖尿病薬は併用されることが多く、併用時の有用性、とりわけ安全性の評価に十分な配慮がなされるべきである。また臨床の現場で想定される併用の組み合わせについて有用性を検証することが求められる。(4) FDAが定めた新規糖尿病治療薬の心血管系疾患発症リスク評価に関する新基準(FDAガイダンス)を参考に、慎重に議論を重ねた結果、承認前に心血管系合併症の発症リスクへの影響を除外することを念頭においた臨床試験の実施を求めるのではなく、検証試験において何らかの代替指標を評価項目とする、現実的な対応が許容される点を付則として記述する。
結論
「新規経口糖尿病薬の臨床評価のためのガイドライン(案)」を作成した。
本ガイドライン(案)の有効な活用により、臨床試験のレベル向上、迅速かつ適切な承認審査業務の推進等がもたらされ、ひいては糖尿病診療レベルの向上による国民の健康寿命の延長につながるものと期待される。
本ガイドライン(案)の有効な活用により、臨床試験のレベル向上、迅速かつ適切な承認審査業務の推進等がもたらされ、ひいては糖尿病診療レベルの向上による国民の健康寿命の延長につながるものと期待される。
公開日・更新日
公開日
2010-06-07
更新日
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