文献情報
文献番号
200940080A
報告書区分
総括
研究課題名
インフルエンザ様疾患罹患時の異常行動の情報収集に関する研究
課題番号
H21-医薬・指定-032
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
岡部 信彦(国立感染症研究所 感染症情報センター)
研究分担者(所属機関)
- 宮崎 千明(福岡市立西部療育センター)
- 桃井 真里子(自治医科大学小児科学)
- 谷口 清州(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 大日 康史(国立感染症研究所 感染症情報センター)
- 伊藤 澄信(独立行政法人国立病院機構本部 医療部研究課)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成21(2009)年度
研究費
33,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
インフルエンザ様疾患罹患時に見られる異常な行動についての実態把握の必要があり、2008/2009シーズンにおいて調査を行う。また、新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)を接種する医療従事者(健康成人)22112名、67施設の国立病院機構(NHO)病院を対象に副反応の出現頻度を検討したが、Serious Adverse Eventとしての入院例、39℃以上の発熱、じんましん等が見られることがみられた。しかしながら、医療従事者を対象とした副反応調査は対照群の設定をしていないため、ワクチンによる有害事象が入院率等にどの程度影響を及ぼすかを検討することが困難な試験デザインとなっていた。
研究方法
重度と軽度の異常行動について調査した。について重度の異常な行動に関する調査(重度調査)はすべての医療機関においての調査を依頼した。報告方法はインターネット又はFAXとした。新型インフルエンザワクチン(A/H1N1)の安全性の研究の研究期間に実施医療機関職員が入院した率や高熱、熱性疾患に伴う異常行動等の発現状況を調査し、安全性の研究と比較した。
結果と考察
2006/2007シーズンの通知前後と2007/2008, 2008/2009シーズンでの10代の重度の異常行動、あるいは走り出し・飛び降りの発現率に有意な差はない。安全性の研究に参加した67施設のうち、本研究に参加を表明したのは59施設であった。59施設の合計職員数は27997名であった。59施設で安全性研究に参加した(ワクチン接種した者)は20,427名で未接種者は7,254名であった。2009年10月1日から11月30日までの2ヶ月間に入院は74件であった。研究期間中でワクチン接種者の入院(接種後2週間)は14件であった。ワクチン接種者でワクチン接種前の入院は8件、ワクチン接種15日以後の入院は27件、ワクチン未接種者の入院は25件であった。報告対象の副反応発現例は研究対象者が147例、研究対象外の者が25例(うち研究対象外でワクチン接種者6名、ワクチン接種前4例、ワクチン未接種15例)であった。内訳は39℃以上の発熱53例(研究対象者40例、対象外13例)、じんましん34例(研究対象者29例、対象外5例)などであった。発熱に伴う異常行動症例は報告されなかった。
結論
リン酸オセルタミビル(販売名タミフル)の10代への使用差し控えによって異常行動の発生状況に大きな変化は見られなかった。
公開日・更新日
公開日
2010-05-31
更新日
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