文献情報
文献番号
202408017A
報告書区分
総括
研究課題名
ヘルスケア ICT ツールを通じた PHR の利活用による行動変容促進モデル構築のための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1007
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
杉山 雄大(国立研究開発法人国立国際医療研究センター 研究所糖尿病情報センター)
研究分担者(所属機関)
- 東 尚弘(国立大学法人 東京大学 大学院医学系研究科公衆衛生学分野)
- 後藤 励(慶應義塾大学 経営管理研究科)
- 徳渕 慎一郎(株式会社JMDC)
- 玉浦 有紀(新潟県立大学 人間生活学部健康栄養学科)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
6,154,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は、Personal Health Record(PHR)サービスの俯瞰的評価を行い、PHRの利活用に影響を与える要因および健康アウトカムとの関連を明らかにすることを目的とした。具体的には、PHRの機能やサービスの多様性を整理するとともに、利活用促進に関する個人特性を探求し、個々のニーズに最適化されたPHRサービスを提案することを目指した。最終的には、PHRサービスの効果的な利活用による行動変容促進モデルを構築することを目標とした。
研究方法
研究は三つの主要テーマに分けて実施された。第一に、PHRサービスの文献レビューを行い、PubMed、PsychInfo、CINAHLを通じてPHR関連の文献を収集し分析した。第二に、JMDC社やライフログテクノロジー社から提供されたレセプト・特定健診・PHRログデータ等を用いた量的分析を行った。この分析では、JMDC社のデータでは、PHR利用者と非利用者の属性を比較し、利用促進に関わる因子を抽出した。ライフログテクノロジー社のデータでは、食事に関わるアプリを長期間利用した人についてのアンケート調査をまとめた。第三に、PHRを活用した指導経験を持つ保健師・管理栄養士へのフォーカスグループインタビューを実施し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)を用いて質的な分析を行い、行動変容促進のためのモデル構築を試みた。各研究は、必要に応じて国立国際医療研究センター、新潟県立大学の倫理委員会の承認を受けている。
結果と考察
文献レビューの結果、PHRはtethered型(医療機関の電子カルテと連動)とuntethered型(個人が独立管理)に分類され、機能としては健康情報の閲覧、セルフモニタリング、医療者とのコミュニケーション等が存在した。PHR利用促進因子として高学歴、高収入、男性、インターネットリテラシーの高さが挙げられた。さらに、PHRの利用はエンパワメント向上、健康行動(服薬遵守や受診行動)の改善、血圧や血糖値などの健康状態改善、医療イベントの減少など多様なアウトカムとの関連が示唆された。
量的研究においては、JMDC社のデータでは、健診後にPHR利用を開始した割合は全体の4.2%で、特に中年男性で健康意識の高い層が主に利用を開始していた。また、ライフログテクノロジー社の食事・健康管理アプリの長期利用者についての分析からは、食事バランスやカロリー管理に関心が高く、利用者の多くがPHRを用いて継続的に食事記録を実施していることが示された。
質的分析では、PHRを用いた保健指導経験者からのインタビューを通じて、PHRの導入初期における人的支援の重要性が指摘された。特に、アプリの導入支援、ログイン設定の支援など具体的な人的介入が必要であり、その後のセルフモニタリングを中心とした自己制御能力の向上が、効果的な健康行動変容をもたらす可能性が示唆された。具体的には、モニタリングデータを利用した個人の目標設定やフィードバックが重要であり、これが長期的な行動の改善を促進すると考えられた。
量的研究においては、JMDC社のデータでは、健診後にPHR利用を開始した割合は全体の4.2%で、特に中年男性で健康意識の高い層が主に利用を開始していた。また、ライフログテクノロジー社の食事・健康管理アプリの長期利用者についての分析からは、食事バランスやカロリー管理に関心が高く、利用者の多くがPHRを用いて継続的に食事記録を実施していることが示された。
質的分析では、PHRを用いた保健指導経験者からのインタビューを通じて、PHRの導入初期における人的支援の重要性が指摘された。特に、アプリの導入支援、ログイン設定の支援など具体的な人的介入が必要であり、その後のセルフモニタリングを中心とした自己制御能力の向上が、効果的な健康行動変容をもたらす可能性が示唆された。具体的には、モニタリングデータを利用した個人の目標設定やフィードバックが重要であり、これが長期的な行動の改善を促進すると考えられた。
結論
本研究を通じて、PHRサービスの効果的な利活用には、サービスの多様性を理解した上で個人特性に応じた適切な支援や機能提供が重要であることが明らかになった。特に、導入段階での人的支援とセルフモニタリングを基盤とした自己制御能力の強化が鍵となることが示唆された。今後はこれらの知見をもとに、PHRサービスの設計や実施方法を最適化し、個々人の行動変容をより効果的に促進するための具体的な支援体制構築が必要である。
公開日・更新日
公開日
2026-01-26
更新日
-