植込み型生命維持装置の不具合に関する情報

文献情報

文献番号
200940070A
報告書区分
総括
研究課題名
植込み型生命維持装置の不具合に関する情報
課題番号
H21-医薬・一般-024
研究年度
平成21(2009)年度
研究代表者(所属機関)
笠貫 宏(早稲田大学 理工学術院)
研究分担者(所属機関)
  • 田中茂夫(医療法人狭山中央病院)
  • 平尾見三(東京医科歯科大学循環制御内科学)
  • 加納 隆(埼玉医科大学保健医療学部)
  • 豊島 健(日本メドトロニック㈱CRDM事業部)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 健康安全確保総合研究分野 医薬品・医療機器等レギュラトリーサイエンス総合研究
研究開始年度
平成21(2009)年度
研究終了予定年度
平成22(2010)年度
研究費
4,000,000円
研究者交替、所属機関変更
-

研究報告書(概要版)

研究目的
ペースメーカ/ICD関連企業従事者を対象とした、医療機器情報サービス提供者(CDR)認定制度で認定された者達は、国際的に共通な尺度のIBHRE試験に合格しており、不整脈に関し、必要かつ正確な知識を有している。植込み型生命維持装置に不具合が生じた場合、CDR達が企業の垣根を越えて情報伝達ができるよう、正確な情報を交換するためのネット上の会員制会議室システムを構築し、どこまでの情報を交換共有できるかを議論して、規則作りを行うこと、また、情報の交換共有に制限がある場合、得られる情報の限界に応じて、医療機関がその情報で、どこまでの対応を行えるか、また不足した情報をどのように補えるか等のガイドラインを設定する。
研究方法
日本不整脈学会、医薬品医療機器総合機構、日本不整脈デバイス工業会、日本医療機器販売業協会、ペースメーカー友の会等から指名された者で作業班を結成し、規則作りを行い、公開シンポジウム等で討議した上で、情報共有交換システムの構築とルール作りを目指す。
結果と考察
従来のサーバーの更新の必要が生じたため、不具合に関する情報共有交換のための会員制Web会議室の構築を行った。日本不整脈学会から氏名と認定証番号の情報を入手し、加入申請時に認定証番号を知らせてもらう方法で、身元確認の手段を簡略化した。また、会員にハンドル名(仮名)を交付し、発言がこのハンドル名で表示されるようにし、発言しやすくなるようにした。
また、不具合発生時に共有すべき情報の内容として、1.植込み型生命維持装置の不具合によってもたらされる異常動作の内容、2.異常動作によって、患者に生じるであろう症状、3.兆候的現象を伴うか、4.異常を生じる製品の範囲、5.現状での発生率、6.考えられる対応策、7.根本原因、等を特定し、これらについて、共有可能かどうか、議論を継続すべきという結論になった。
結論
植込み型生命維持装置に不具合が生じた場合、正確な知識を有するCDR達の間で、企業の垣根を越えて、情報を交換、共有することは、重要な情報の伝達を迅速化する上で重要と考えられた。また、実際にCDR達も意見を求められる機会が増えるであろう事は、容易に想定できることであり、これらの情報交換の場を提供し、情報交換に際してのルール作りは重要といえる。CDR達を集めた公開シンポジウムにおいても、本研究で目指しているシステムを受け入れる意見が多かった。

公開日・更新日

公開日
2010-05-31
更新日
-