文献情報
文献番号
202408013A
報告書区分
総括
研究課題名
バイオマーカーを用いた加熱式たばこによる受動喫煙の健康影響を評価するための研究
研究課題名(英字)
-
課題番号
23FA1003
研究年度
令和6(2024)年度
研究代表者(所属機関)
大森 久光(国立大学法人熊本大学 大学院生命科学研究部)
研究分担者(所属機関)
- 黒澤 一(東北大学 高等教育開発推進センター 学生生活支援部 保健管理室)
- 緒方 裕光(女子栄養大学 疫学・生物統計学研究室)
- 大坪 和明(熊本大学 大学院生命科学研究部(保))
- 首藤 剛(熊本大学 大学院生命科学研究部附属グローバル天然物科学研究センター)
研究区分
厚生労働科学研究費補助金 疾病・障害対策研究分野 循環器疾患・糖尿病等生活習慣病対策総合研究
研究開始年度
令和5(2023)年度
研究終了予定年度
令和7(2025)年度
研究費
6,923,000円
研究者交替、所属機関変更
-
研究報告書(概要版)
研究目的
本研究は,加熱式たばこ喫煙者・受動喫煙者の健康影響を評価することを目的とした。本研究では、先行研究での受動喫煙の評価方法に加えて、曝露指標(尿中ニコチン代謝物)、臨床指標(炎症、呼吸機能)および肺への影響指標を分析し、加熱式たばこの使用によって影響の生じるバイオマーカーの抽出および選定を目指すことに特色がある。加熱式たばこによる受動喫煙が人の健康に及ぼす影響をバイオマーカーから予測し、評価することを最終目的とする。
研究方法
本研究は、「項目1:加熱式たばこ使用による受動喫煙曝露の実態調査(長期間の臨床指標への影響の評価)」および「項目2:呼吸器疾患につながりうる影響指標の探索」で構成されている。
結果と考察
【項目1】研究対象者の増加を図るため、令和6年度もリクルートを継続し、令和7年1月末までに新たに2,885名の研究参加に同意した者の質問票の回収および余剰尿、余剰血清を採取した。令和5年度と同様に回収した質問項目をエクセルに順次入力を行い、人間ドックデータを突合したデータベースを作成した。そのうち呼吸機能なし、肺癌の手術後を除く2,843名のうちCT検診受診者325名分の余剰尿および余剰血清の分析が可能となった。CT画像にて気腫病変を認めた対象者は67名であった。(加熱式たばこ使用者11名、紙巻たばこ喫煙者18名、非喫煙者4名を含む。)また、CT画像で気腫病変なし、呼吸機能正常は23名であった。受動喫煙ありが18名、受動喫煙なし5名であった。
【項目2】微量血清サンプルからのmiRNAプロファイリングの実験条件の設定のための検討を行った。微量血清サンプルからのmiRNAプロファイリングの実験条件の設定のため、異なる被検者12名から取得した血清サンプル(200ml〜1ml)からmiRNA抽出を行った。その結果、健診の残余検体で得られる検体量から本解析に必要なmiRNAを分解することなく十分量取得できることが確認された。さらに、取得したmiRNAサンプルから次世代シーケンサー解析用のライブラリーを作成し、そのサイズ分布及び定量解析から解析に適したライブラリーを作成できることを確認した。次世代シーケンサーによる12サンプルの解析から、各血清サンプル中のmiRNAプロファイルの取得に成功した。
令和6年度は、初年度にリクルートした参加者の中で胸部CT検診を受診した者で余剰尿、余剰血清を十分得られた66名(肺気腫なし11名、肺気腫あり55名)を対象として呼吸器疾患につながり得る指標であるフィブリン-3、SP-Dの解析を実施した。さらに、胸部CT検診受診者24名(肺気腫なし6名、肺気腫あり18名)を対象として次世代シーケンシング (NGS:Next Generation Sequencing) によるmiRNAの発現プロファイル解析を実施した。取得したmiRNAプロファイル結果についてクラスター分析(主成分分析)を行い、各群を分類しうるマーカーmiRNAの探索のための基礎データを取得した。
【項目2】微量血清サンプルからのmiRNAプロファイリングの実験条件の設定のための検討を行った。微量血清サンプルからのmiRNAプロファイリングの実験条件の設定のため、異なる被検者12名から取得した血清サンプル(200ml〜1ml)からmiRNA抽出を行った。その結果、健診の残余検体で得られる検体量から本解析に必要なmiRNAを分解することなく十分量取得できることが確認された。さらに、取得したmiRNAサンプルから次世代シーケンサー解析用のライブラリーを作成し、そのサイズ分布及び定量解析から解析に適したライブラリーを作成できることを確認した。次世代シーケンサーによる12サンプルの解析から、各血清サンプル中のmiRNAプロファイルの取得に成功した。
令和6年度は、初年度にリクルートした参加者の中で胸部CT検診を受診した者で余剰尿、余剰血清を十分得られた66名(肺気腫なし11名、肺気腫あり55名)を対象として呼吸器疾患につながり得る指標であるフィブリン-3、SP-Dの解析を実施した。さらに、胸部CT検診受診者24名(肺気腫なし6名、肺気腫あり18名)を対象として次世代シーケンシング (NGS:Next Generation Sequencing) によるmiRNAの発現プロファイル解析を実施した。取得したmiRNAプロファイル結果についてクラスター分析(主成分分析)を行い、各群を分類しうるマーカーmiRNAの探索のための基礎データを取得した。
結論
令和7年度は、引き続きすでにリクルートした研究対象者についてフィブリン-3、SP-Dレベルの解析を進めるとともに、肺の繊維化の指標となるKL-6レベルを解析し、呼吸機能との相関性を検討するための補足データを取得する。加えて、NGSによるmiRNAのプロファイリングおよびクラスター解析数を増加し、より精度の高いデータを取得する。
これら取得データに基づいて曝露指標(尿中ニコチン代謝物)、臨床指標(特に呼吸機能)の経年変化および炎症指標(高感度C反応性蛋白、白血球)との関連について分析する。とりわけ、肺胞破壊やCOPDの病態マーカーであるFibulin-3及びSP-Dとの相関性を解析し、その結果及び健康診断の結果とmiRNAを指標とした解析結果との相関性を解析することで、呼吸器疾患につながり得るバイオマーカーを見出し、その評価方法を開発する。
開発した方法を用いて、順次、加熱式たばこの使用および受動喫煙の評価を行う。さらに、国内で主に使用されている複数のメーカーの加熱式たばこについての解析を行う。
これら取得データに基づいて曝露指標(尿中ニコチン代謝物)、臨床指標(特に呼吸機能)の経年変化および炎症指標(高感度C反応性蛋白、白血球)との関連について分析する。とりわけ、肺胞破壊やCOPDの病態マーカーであるFibulin-3及びSP-Dとの相関性を解析し、その結果及び健康診断の結果とmiRNAを指標とした解析結果との相関性を解析することで、呼吸器疾患につながり得るバイオマーカーを見出し、その評価方法を開発する。
開発した方法を用いて、順次、加熱式たばこの使用および受動喫煙の評価を行う。さらに、国内で主に使用されている複数のメーカーの加熱式たばこについての解析を行う。
公開日・更新日
公開日
2026-01-22
更新日
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